砂漠の王子とタンムズの樹 原作:足立明(青春アドベンチャー)
貧しい砂漠の王国の王子、グー・タイニャス。
この赤い瞳を持つ心優しい王子は、王位継承権を得るための「試しの儀」に臨むにあたり、心中に、ある決意を抱いていた。
その決意とは、自分が王になった暁には、理解できない理由で追放された前王妃 -グーの実母- を探すこと。
だが、強い決意を持って臨んだはずの「試しの儀」は冷酷な決断を要求する過酷なものだった。
国を守るために残酷な決定を平然と下すことを要求する周囲の人間たちに、強い反発と嫌悪感を覚えるグー。
しかし一方で、彼はこの国にそうせねばならない現実があることも知る。
それでも彼は現実を無批判に受け入れることを拒否する。
この国は間違っている、このままでよいのか、と。