ガール・ミーツ・ボーイ 原作:安住磨奈(サウンド夢工房)

格付:C
  • 作品 : ガール・ミーツ・ボーイ
  • 番組 : サウンド夢工房
  • 格付 : C+
  • 分類 : 少年(中高)
  • 初出 : 1990年5月7日~5月11日
  • 回数 : 全5回(各回15分)
  • 原作 : 安住磨奈
  • 脚色 : 内田史子
  • 演出 : 笹原紀昭
  • 主演 : 伊藤つかさ

安住磨奈さんのデビュー小説「GIRL MEETS BOY」の中から、「過激でキュートな」ショートストーリーを各回2篇ずつラジオドラマ化した作品です。


少女の日常

15分の短い時間に2篇ですから、短編と言うより超短編というべき作品です。
内容についても、「ボーイ・ミーツ・ガール」(少年が少女に出逢い恋をする物語)を意識したタイトルからもわかるとおり、恋愛を中心に十代の少女の日常のありふれた風景を切り取ったもので、かなり気楽に聴ける作品になっています。
ただ、実際に聴いてみると意外と恋愛要素は薄く、良く言えば少女の鋭い感性で時代を切り取ったような内容(悪くいえば頭の悪い少女の戯言)のため、このブログでの分類上は「少年」としています。

サウンド夢工房らしい

それにしても、ハードな冒険ものが多かった「アドベンチャーロード」から一変して、「サウンド夢工房」では本作品のような甘々の作品が大量に制作されました。
私はこの時期に、一旦、この系列の番組の視聴から離れたのですが、それも致し方ないところだったと思いませんか。

主演はアイドルのおふたり

さて、出演者は、放送時23歳の伊藤つかささんと、22歳の坂上忍さんです。
特に坂上忍さんの声が、今聞くと若いこと若いこと。
それはさておき、伊藤つかささんも坂上忍さんも当時はアイドル的な扱いをされていた方でしたが、意外とNHK-FMのラジオドラマには出演経験が多く、坂上さんは「なんて素敵にジャパネスク」(サウンド夢工房)、伊藤つかささんは「ビバ!スペースカレッジ」(アドベンチャーロード時代の特番)などに出演されていました。
そしてお二人が揃って出演されたのがアドベンチャーロード時代の「インベーダー・サマー」でした。

坂上忍さんといえば

なお、坂上さんはその後長く雌伏の時代?を過ごした後、本記事を書いている2014年から2015年に掛けてなぜか突然、再ブレイクしている訳ですが、その間にも名作「キャパになれなかったカメラマン」(FMシアター)に出演されているなど、NHK-FMのラジオドラマとはなかなか縁が深い方です。

サザエさん

ちなみに、第1回前半など、このお二人だけしか出演者がいない話もあるのですが、年配の男性が必要な場合には矢田耕司さん、年配の女性が必要な場合には加藤みどりさんが加わります。
加藤みどりさんといえば「サザエさん」の主役、フグ田サザエ(磯野サザエに非ず)ですが、加藤さんは「サザエさん」出演以降、アニメの仕事をすべて断っている(吹き替えはやっている)そうですので、本作品は声の出演という意味で貴重な作品なのかもしれません。

概要紹介

各回の概要は以下のとおりです。

タイトル 一言
1 ノーアンサー 家族で固定電話を共有していた時代の話。当時は電話代も高かった!
コンビニブルース 某コンビニの広告から「あいててよかった」の言葉が消えた90年代。開いてて当たり前の時代になった。
2 ペンダントマジック 占いに入れ込んでいる男の子の話。オチあり。
インディケーション こちらは星占い好きの女の子。この辺が世紀末というところか。
3 ランブルフィッシュpart1/part2 唯一の前後半続き物の回で、家出少女の話。意味深なタイトルだが主人公である少女のことを暗示しているのか。
4 ショートバング 前髪を切っても変化に気づいてくれない彼。女性の髪型に対する情熱は変わらない。
リバースな関係 タロットカードの上下逆のことをリバースというらしい。
5 激愛カウントゼロ DV束縛男の話。今だったらとても許されないが当時はおおらかだったということか。
プライベートレッスン 進路相談に来る女生徒と男性教師。これも今だと結構大事かも。

聞いているのがつらい

なお、各回の冒頭と中間、そして最後には、伊藤さんと坂上さんのフリートーク風(台本だと思われる)の喋りが入るのですが、この部分、少しわざとらしい話し方でちょっと聞いているのがつらい。
ドラマ内はそうでもないのですが、ちょっと残念です。

【笹原紀昭演出の他の作品】
アドベンチャーロード期を中心に多くの傑作アクション作品を演出された笹原紀昭さん。
演出作品はこちらに一覧を作っています。

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