Hirokazu

格付:AA

カラフル 原作:森絵都(青春アドベンチャー)

どうも「ぼく」は死んでしまったらしい。生前の記憶はないが、天使プラプラが言うには大きな罪を犯して死んだのだという。だから生まれ変わることもできず、このまま消滅するしかない。しかし、そんな僕に向かって、プラプラはある驚くべきことを言い出した。なんと僕は“ラッキー抽選”に当選し、修行をするチャンスを与えられたというのだ。修行を通じて自分の罪を自覚すれば生まれ変わることもできるという。でも、その修行は生前に犯した罪が重ければ重いほど過酷なものになるらしい。苦労をしてまで無理に生まれ変わりたいとは思わなかった僕はその修行を拒否するが、ボス(=神様?)の意思には逆らえない。嫌々、人間界に戻り、自殺したという見知らぬ少年“小林真”の体を引き継いで“修行”を開始することになったのだが…
格付:B

アリアドニの遁走曲 原作:コニー・ウィリス&シンシア・フェリス(青春アドベンチャー)

干ばつにより荒廃した近未来のカナダは、西部合衆国とケベックの二つの勢力に分断され戦争状態にあった。アリアドニは、西部合衆国に属するデンヴァー・スプリングズに住む16歳の女の子。両親ともに科学者で、アリアドニ自身も科学者の卵だ。しかし、ケベックによるレーザー空襲で家が破壊されてしまっただけでなく、母親のメディアが国家反逆罪で逮捕されてしまった。父親のデアリーズは、いじけて飲んだくれてしまって役に立たない。こうなったらアリアドニ自身がメディアの身の潔白を証明するしかない。そんな中、同盟国である連邦国のエセックス皇太子の横やりやお付きの武官ジョスとの恋、そしてレーザー空襲を防ぐための軍事機密ジェムアメーバーの所在も絡んで、事態は様々な様相を見せ始める。
格付:AA

アナスタシア・シンドローム 原作:メアリ・H・クラーク(青春アドベンチャー)

「アナスタシア症候群(シンドローム)」とは、ロシア革命のさなかに謀殺されたロシア皇女アナスタシアが、現代の人間に憑依し人格を乗っ取ったとされた現象である。アナスタシアシンドロームの提唱者である精神科医のパテール博士は、軽い薬と催眠術で、患者の過去だけではなく前世をも探ることが出来ると発表し、世間から多くの賞賛と、同じくらい多くの非難を得た。ロンドンに滞在する歴史小説家のジュディス・チェースは幸せの絶頂にあった。仕事では美貌の女流作家という名声を手にし、プライベートでは内務大臣スティーブン・ハレットから求婚されたのだ。しかし、戦災孤児であるジュディスには、自分の出生を知りたいという昔からの悩みがあった。しかも、最近になって頻繁に、養女になる前の断片的な記憶が蘇るようになった。大きな爆発音、そして、幼い女の子の泣き声…我慢できなくなったジュディスは、パテール博士のもとを訪れ、催眠療法により過去の記憶を探ろうとする。しかし、それこそがジュディスの身に不思議な記憶喪失現象が起きる始まりだったのだ。
格付:AA

アクアリウムの夜 原作:稲生平太郎(青春アドベンチャー)

1年前のあの日、僕、ギーこと広田義夫は、まだ普通の高校2年生だった。思えば引き返すチャンスは何度もあった。4月のあの日、親友の高橋と花見にさえ行かなければ…花見の後、“カメラ・オブ・スキュラ”なる怪しげな見世物小屋に入らなければ…そこに映し出された奇妙な階段を探しに水族館に行かなければ…そして、あの日、幼なじみの涼子があんな話を始めなければ…今は後悔ばかりだ。しかし、もう取り戻せない…
格付:C

アクア・ライフ 作:芳崎洋子ほか(青春アドベンチャー)

2003年から2012年にかけて全5作品が制作された「ライフシリーズ」。「ライフシリーズ」は、各作品ごとにお題が設定され、それにそって10人の脚本家さんが1回15分の短編ラジオドラマを競作する企画でした。本作品「アクア・ライフ」はその2番目に制作された作品で、お題は「水」です。このブログでは、第3作の「ボディ・ライフ」、第4作の「ナンバー・ライフ">ナンバー・ライフ」、最終作の「カラー・ライフ"」をすでに紹介済みで、本作品の紹介により、紹介していない作品は第1作の「インテリア・ライフ」を残すのみとなります。
ゆるゆるつながり

タイトルに原作者の名前が入っているラジオドラマ

【特集:青アド・ポーカー⑩】タイトルに原作者の名前が入っているラジオドラマこのブログはNHK-FMで放送されている青春アドベンチャーを中心としたラジオドラマ作品を紹介するブログです。そしてこの「青アド・ポーカー」は、紹介した作品間の緩いつな...
格付:B

谷村有美の雨のち、夕焼け(サウンド夢工房)

本作品「谷村有美の雨のち、夕焼け」は、シンガーソングライター谷村有美さんのエッセイとフリートークと歌で構成された作品です。「サウンド夢工房」という、平日に毎日15分ずつラジオドラマ作品を中心に放送されていた枠を使って1週間(5日間)放送されましたが、ラジオドラマではなく、どちらかというと、ラジオではごく一般的な歌手によるトーク番組に近い内容や雰囲気を持った作品でした。そのため、出演者も谷村さんだけです。
青春アドベンチャー

2007年の青春アドベンチャー一覧

【2007年放送の青春アドベンチャー総括】2014年8月3日にアップした「冷凍人間の復活」の記事をもって、2007年に青春アドベンチャーで初放送された作品は、すべて紹介することができました。年間の初出作品のコンプリートは2012年、2009...
作品紹介の補足

「冷凍人間の復活」に隠された真相に関する妄想

この記事はNHK-FMのラジオドラマ番組「青春アドベンチャー」で放送された小金丸大和さん作のラジオドラマ「冷凍人間の復活」について、私の勝手な妄想を述べる記事です。「冷凍人間の復活」のまっとうな紹介記事はこちらですので、まずはそちらをご覧く...
格付:AA

冷凍人間の復活 作:小金丸大和(青春アドベンチャー)

「6カ月後の生存確率は10%」29歳の藤堂明(とうどう・あきら)に突きつけられた事実は残酷だった。学生時代に始めたネット事業は順調、妻・美幸のお腹の中には待望の第1子がいる。海際に立てた真っ赤な屋根の家も予想以上の出来で、妻に突然プレゼントして驚かせるつもりだった。医者は残された時間を大事にしろという。理性ではわかっている、それは正しい。だから、学生時代の親友・丸木が持ち込んだ計画が決してバラ色の話ではないこともわかっている。冷凍保存カプセルで冷凍睡眠して、がんの治療技術が確立されたときに目覚める。そんなことが簡単にできるわけがない。そもそも、まだ、ほ乳類で冷凍睡眠からの復活に成功した例はないのだ。でも僕はまだ生きていたいんだ。藤堂は決して嘘を言わない男だ。目標を必ず実現する男でもある。この話に賭けてみるしかない。
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