格付:A

格付:A

エド魔女奇譚 作:小林克彰(青春アドベンチャー)

時は西暦1713年(正徳3年)。松平通春とその近侍・星野藤馬、そして長崎から来たハーフの少年・紅丸(べにまる)が、江戸で起こった少女の大量失血死と尾張藩主・徳川吉通の不審死の謎を話し合うために集まった帰り道でのこと。夕暮れ時。吉原からの帰り道なのになぜか絶えた人通り。彼らの耳元に突然、少女の声が聞こえてくる。「知りたいは、死にたいと同じ。死にたいは、知りたいと同じ。関わらぬが無事というもの。」操られるようにそばを流れる大川に目を向けた3人。流れの中に純白の小袖と袴をまとった金髪碧眼の少女が立っていた。それはあたかも水の上に立っているようだった。彼女こそが「テッサリアの巫女」、そして「名もなきものの僕(しもべ)」…
格付:A

夢巻 原作:田丸雅智(青春アドベンチャー)

長年の親友・村上に指定されたバーにやってきた堀川。最近、管理職になったばかりで何かと多忙の堀川を村上が気遣って、とっておきの店を紹介してくれたのだ。しかし店に一歩、足を踏み入れた堀川は目の前の光景に驚いてしまった。よだれ、鼻水、涙…村上が穴という穴から液体を出しながら、至福の表情で、葉巻の様なものを吸っていたからだ。村上は煙草すらやらなかったはずだ。一体どうしたのだ。狼狽する堀川に対して、村上が説明を始める。彼が吸っているのは葉巻ではなく「夢巻」であること。そして、「夢巻」は、特殊な処置をした紙で燃やして吸うことにより、その紙に込められた思いを追体験できるものであるということを。
格付:A

今夜は眠れない 原作:宮部みゆき(青春アドベンチャー)

母さんが突然、5億円の相続人になった。20年前にたった一度、命を助けた人物、20年間存在すら忘れていた男から遺産を譲られたのだという。そして騒動が始まった。どこで聞きつけたのかわからない様々な人からの寄付を求める電話が鳴りやまない。外の女と不倫をしていた父さんは、自分のことを棚に上げて母さんにその男との関係を詰問し始めた。もう家族はバラバラだ。そして僕たちの周りに現れる不審な人物。そんな中、ついに事件は起こったのだった。
格付:A

新竹取物語 1000年女王 原作:松本零士(特集スぺースアドベンチャー)

惑星ラーメタルは1000年に一度、地球に近づく遊星である。しかし、1999年の接近はいつもと違った。今回、ラーメタルは地球に近づきすぎる。地球文明が滅ぶような大災害が起こるかもしれない。それに気が付いてしまったのは、筑波山天文台の雨森教授、教授の助手の雪野弥生(ゆきの・やよい)、衛星天体観測所で観察を続けてきた夜森(やもり)、そして雨森教授の孫の少年・雨森始(あまもり・はじめ)。4人はそれぞれの立場、考えでこの人類の危機に立ち向かうことになる。
格付:A

七帝柔道記 原作:増田俊也(青春アドベンチャー)

七帝柔道とは!?旧7帝国大学、すなわち北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学で現在も行われている寝技中心の柔道のことをいう!!寝技は練習量がすべてを決する。才能がなくても練習量を増やせば必ず強くなれる。しかし、その実態は、男同士が来る日も来る日もくんずほぐれつ畳の上をのたうち回る毎日。押さえられ、締められ、落とされる。キツイ、苦しい、女子マネージャーすらいない!これが七帝柔道だ!!しかし、その男は七帝柔道をやるために二浪して北大に入学した、といった。水産学部だが、柔道場に通い続けるために4年間留年を続ける覚悟とも。だが、先輩はおろか、同期の沢村にも全く勝てる気がしない。実際、試合でも負け続けだ。それでも彼は青春のすべてを掛けて七帝柔道を続けることを選んだ。この男はなんだ!?もうおわかりであろう、この男こそ本編の主人公である。リスナーを、汗と涙と笑いの世界に連れて行ってくれる不屈の闘志を持っているかもしれない男だ。それがこいつ。その名も隼人!!松田隼人だっ!!(参考:島本和彦「逆境ナイン」)
格付:A

ウィンブルドン 原作:ラッセル・ブラッドン(アドベンチャーロード)

全英テニス。主審に抗議に駆け寄った選手に、主審が小さな声で囁く。「すまないね。しかし、君に安全に連絡するにはこれしか方法がないんだ。私には何のことかわからないが、とにかく君に次の三つを伝えるように言われている。いいかね。ひとつ、警察はもっと時間が欲しい。ふたつ、審判長がコートの入り口に顔を出すまで試合を引き延ばすこと。みっつ、協力に感謝。幸運を祈る。」選手は疲れたように呟く。「これ以上まだ、試合を引き延ばせ、か。」
格付:A

逢沢りく 原作:ほしよりこ(青春アドベンチャー)

私は他の女の子たちとは違う。勉強はできるし、人の気持ちもわかる。友達からは「モデルになればいい」なんて言われる。他の子たちより一段高い位置にいるのが当たり前だったし、これからもそうだろう。家族だって完璧。社長をしている素敵なパパと、料理上手で完璧主義のママ。だから、「あの、手のかかる」ママが私に何をして欲しいかは手に取るようにわかるし、パパが会社の女の人と浮気をしていても別に悲しくはない。勘違いしないでほしい。私はまるで蛇口をひねるかのように涙をこぼすことができる。でも、私には「悲しみ」が何だかはさっぱり理解できない。
格付:A

インベーダー・サマー 原作:菊地秀行(アドベンチャーロード)

それは特別な夏だった。信州の静かな田舎町・夕笛市。すべては、陽炎がたつ夕笛高校のグラウンドに、白いブラウスを着た少女が現れたときに始まった。その少女の姿を一目見たすべての男子生徒の胸に切なさが溢れ、そして世界は「書き換え」られ始めたのだ。光る蝶や竜が出現し、男子生徒が口に出した言葉は奇怪な言語に変わり、風景は輝く半透明の異世界のそれへと変貌を遂げた…恋する者の思いは世界を変えることができる。それはひと夏の出来事。すべての者が切なく思い出す、あの夏の出来事。
格付:A

白狐魔記 天草の霧 原作:斉藤洋(青春アドベンチャー)

奥州の深山、白駒山(しらこまさん)には仙人が住むという。その仙人に弟子入りすれば、多少はまともな法力を得て、藩主・板倉重正さまのお力にもなれるかもしれない。そうして白駒山に旅立った、彼、三河深溝藩の密偵「南蛮堂煙之丞」は、思惑どおり不思議な力を使う男に出会った。しかし彼は「自分は仙人ではない」という。さらに世の中の雑事にかかわる気もないそぶりもしているのだが…いやどうみても、世の中の動きに興味津々だ。性格もお人好しであるのが透けて見えている。そして、ある男が彼のことを「白狐大仙」(びゃっこたいせん)と呼んでいるのを聞いた。能力も凄そうだ。漏れ聴くところによれば正体は狐だそうだが。そんなことは関係ない。こうなったら押しかけてでも弟子にしてもらうしかない。そう、九州は島原で大きな一揆が起きようとしている。板倉さまがその討伐に派遣されそうなのだ。一刻も早く板倉さまのお役に立てる力を得なくては。
格付:A

精神分析ゲーム 原作:バチヤ・グール(青春アドベンチャー)

イスラエルの安息日である土曜日の朝、講演会の発表を控えていた美貌の精神分析医エバ・ナイドルフが殺害された。この事件の主任捜査官となったのは、エルサレム警察の捜査室長代理であるマイケル・オヘイヨン。敏腕で知られ、次期捜査室長の呼び声も高いオヘイヨンは、早速、現場となったエルサレム精神分析医研修センターに乗り込むが、そこで彼はこのセンターの特殊な性格を知る。すなわち、所属する研究生は患者を治療する医師であるとともに、指導医の精神分析を受ける患者であるという特殊な環境であったのだ。癖のある所員たちとのやりとりを通じて、この閉鎖的な“象牙の塔”の真実に立ち向かうオヘイヨンだったが…
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