格付:AA

格付:AA

せいけつ教育委員会ホイホイ 原作:村田基(青春アドベンチャー)

いつの頃からだろう、こんな奇妙な社会になってしまったのは。環境汚染や世界経済の破綻といった相次ぐ不幸に見舞われ、誰しもが物質文明の行き詰まりを感じていたのは確かだ。しかし、不潔にしてさえいれば肉体的にも精神的にも逞しくなれる、などという「不潔思想」はいくら何でも極端な考えだったはずだ。それなのに、現実の世の中では、急進的な不潔主義者による不潔革命が成立し、世界は不潔思想で覆われてしまった。本当に不潔が正しいことなのか。誰も疑問は持たない。いや、本当に誰も疑問に思っていないのか、この僕以外は。
格付:AA

走れ歌鉄! 作:今井雅子(青春アドベンチャー)

戦争に負けた国は悲惨だ。戦争孤児のような弱い立場の人間にとっては尚更だ。「絶対に戦争には負けない」と言っていた大人達は、さっさと現状を受け入れて新しい生活を営んでいるが、戦争孤児達の日常は相変わらず戦いなのだ。でも占領国には媚びない。占領軍の軍人の靴を磨くときには下を向くが、心は常に前向きだ。だから「東の都」に行くのだ。行って、「少年少女歌合戦」で一等を取ってどん底から脱出するのだ。東の都まで行くお金がない?でも、軍需工場の焼け跡には、豆蒸気機関車が残っているらしい。あれさえ動かせれば、東の都にだって行けるはずだ。
格付:AA

翼はいつまでも 原作:川上健一(青春アドベンチャー)

神山久志。中学2年生、野球部。意地悪な先輩と高圧的な顧問の教師に玉拾いをさせられる日々。しかし、そんなつまらない毎日に突然、風穴があいた。米軍のラジオを聴いていたときにラジオで流れてきた曲。ビートルズという聞いたことのないバンドの「プリーズ・プリーズ・ミー」。勇気をだして一歩踏み出そうよ、やりたいようにやろうぜ…いい青春だったのかどうか。けれど、目いっぱいの悔いのない青春であったことは間違いないのだ。
格付:AA

新宿鮫・氷舞 原作:大沢在昌(青春アドベンチャー)

新宿警察署生活安全課の刑事・鮫島。エリートとして警視庁に入庁しながら、公安上層部に関するある秘密を知ったがゆえに、出世レースから外され新宿署で飼い殺しにされている男。しかしその秘密故に警察組織もまた鮫島に軽々しく手出しをすることができない。鮫島は新宿をねぐらとして、自らが信じる正義のありか、ひとりの刑事としてのあるべき姿を追い続ける。彼には上層部からの圧力は関係ない。一旦、事件に食いついたら決して離れない。そう彼は、キャリア出身の新宿署員、制度の中のはみ出し者、「新宿鮫」。
格付:AA

黄昏のベルリン 原作:連城三紀彦(アドベンチャーロード)

戦後40年を経て好景気に湧く日本。美術大学の講師・青木雄二が、年末年始のカウントダウンを過ごすために向かったホテルで待っていたのは、懇意の女子学生ではなく、エルザという見知らぬ外国人女性だった。外国人に間違えられる容姿を持った日本人の男と、日本人と遜色ない日本語を話すドイツ女との出会い。女は男に謎めいた言葉を伝える。「私はあなたを必要としている」「貴方の描いた『ひなげし』という絵に描かれている女性とそっくりの女性が描かれている絵を知っている」やがて男の前に現れ始めるネオナチの影。ふたりの出逢いは一体、何の始まりなのか。
格付:AA

ダブル・キャスト 原作:高畑京一郎(青春アドベンチャー)

父親から送られた小包を受け取った高校生・川崎涼介は、自分を不審な男が尾行していることに気がつく。腕に自信のある涼介は男をビルの屋上に誘い出し真意を問い詰めるのだが、逆に男の持っていた拳銃により、屋上から落下させられてしまった。気がつくと…もうひとりの高校生・浦和涼介の身に異変が起こり始めるのは、あるビルの近くで屋上から落下する高校生を見てからだ。気弱な涼介には悪夢の出来事だったが、落ちてきた少年に見覚えはなく、自分には関係のない出来事のハズだった。しかし、そのときからは彼は時々記憶を失うようになってしまった。気がつくと…そう、これがふたりの「涼介」が演じる、ひとつの身体を舞台としたダブル・キャストの冒険の始まりだったのだ。
格付:AA

家族ホテル 原作:内海隆一郎(青春アドベンチャー)

僕は村上吾郎、18歳。日本人の父親とアメリカ人の母親を持つ。父と一緒に移住したアメリカで、ある問題を起こしてしまった僕は、父の元を離れ、若者の集まる街、渋谷で自活しようと一人で日本に戻ってきた。しかし、日本に着く早々、スリに全財産を盗まれてしまい、たまたま出会ったチンピラのケンジに紹介されたバーのギタリストという仕事も、マスターとトラブルになり、逃げだしてしまった。結局、父親のコネを頼って、日本橋、水天宮近くの小さなホテルに落ちつくことになったのだが、そこで僕は、逃げ出す際に殴ったマスターが、その日のうちに死んだことを知った。僕は人を殺してしまったのか、それとも…
格付:AA

お父さんの会社 原作:草上仁(青春アドベンチャー)

1996年。人類はついに完全なる仮想空間を実現した。コンピューターネットゲーム「カイシャ・クエスト」のプレイヤーの一人である村田。仮想の会社世界を満喫していた彼は、ある日、奇妙なことに気が付く。それは、自分がゲーム内でつくった資料が、現実世界の販売会議で使用されていること。そして、様々なプレイヤーが残業疲れを癒すためのささやかな娯楽としてプレイした内容が、主催者の手によって現実社会における換金手段として用いられていること。それが、このゲームの恐るべき全貌であった。村田は、いち早くこのゲームの“真実”を受け入れ、この真実に気づいた他のプレイヤーとともに、終わりの見えない死闘に身を投じていく……。そう、この時から、村田にとってカイシャ・クエストはゲームであっても、遊びではなくなったのだ。……「ソード・アート・オンライン」のファンの皆さま、関係者の方々、ご容赦を。
格付:AA

アグリーガール 原作:ジョイス・キャロル・オーツ(青春アドベンチャー)

あたし、アーシュラ・リグスは、ニューヨーク州ウエストチェスター郡のロッキーリバー高校に通う16歳。ある朝、目覚めた瞬間にあたしは自分が「アグリーガール」なんだって気づいた。その時から負け組まっしぐらだったあたしの人生は変わった。アグリーガールは媚びない。アグリーガールは他人を頼らない。アグリーガールは分かりやすい女らしさとは無縁だ。そして、アグリーガールは正しいことをすることを躊躇しない。だから、テロ予告の容疑者にされたクラスメイト -特に親しくもなかった単なる級友- のために証言することも躊躇しない。例え彼の「親友」たちさえ「テロ予告犯とかかわり合いにならないため」に口をつぐんでいたとしても、だ。
格付:AA

レディ・スティンガー 原作:クレイグ・スミス(青春アドベンチャー)

今日は我ながら上手くやった。ターゲットは、ひと仕事終えてリラックスしていた腹の突き出た中年男。確か、名前はボブといったか。バーで男に一服盛って、ホテルの部屋で彼が熟睡するのを待つだけの簡単なお仕事。バリーがいうとおりではある。しかし警察に捕まるリスクを冒しているのはこの私、マギーだ。バリーごときに楽な仕事などと言われるのは心外だ。しかし、口の上手いバリーにまた丸め込まれて、今日は、2回目の「仕事」をする羽目になってしまった。気乗りはしないが、いざ次のバーに行ってみると、とびきりのいい男が座っていた。目つきが鋭すぎるのが気になるが、いつもどおり仕掛けは上々。今回も楽な仕事になる…はずだったのだが。
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