格付別一覧

格付:AA

「日本の川を旅する」から カヌー野郎のロンリーツアー 原作:野田知佑(ふたりの部屋)

本作品「『日本の川を旅する』から カヌー野郎のロンリーツアー」は、日本のリバーカヤックツーリングのパイオニア・野田知佑さんの代表作「日本の川を旅する」をラジオドラマ風に構成した作品です。野田さんは椎名誠さんやC・W・ニコルさんとも親しく、カヌーなどに関する著作も多い、その筋では有名な方なのだそうです。なお、本作品も「ラジオドラマ風の構成」といっても、ノンフェクションである野田さんの原作本の雰囲気を生かし、過度な演出はしていません。本作品は「脚色」のクレジットがなく、「くらうちひとし」さん(恐らく倉内均さん)が「構成」として紹介されているのですが、それが頷ける作品です。
格付:AA

人喰い大熊と火縄銃の少女 作:オカモト國ヒコ(青春アドベンチャー)

自分はなぜ、あの少女を助けたいと思ったのだろう。流れ流れて辿り着いた最果ての寒村。ボロ小屋の前で、全身から声を引き絞るようにして叫んでいたあの少女を。「お願いします。あの熊を撃ち殺して欲しいんです。」そう、彼女は、熊に全滅させられた村の唯一の生き残りだった。彼女とともに熊を追った男は自分のほかに3人。武士として死ぬことができなかった巡査、変わり者だと村中から蔑まれていた熊撃ちの達人、混血ゆえに自分の存在意義を証明しなればいけなかった「森の民」の少年。確かに少女と3人の男たちには、あの怪物を追わねばならない理由があった。しかしチンピラで部外者の自分は彼らとは違う。そんな義理はない。あんな怪物と戦わなければいけない理由はなかった。いや、自分は本当に彼らとは違うのか。そうか、自分を含めてこの5人はみな世間からつまはじきにされた流れ者だったのかも知れない。
格付:B

ドールズ~闇から来た少女 原作;高橋克彦(アドベンチャーロード)

盛岡市で喫茶店「ドールズ」を経営する結城恒一郎は、小学生の娘・怜(れい)が交通事故にあったと聞き、慌てて病院に駆け付けた。幸いにも、怜は骨折だけで命に別条はなかったが、どことなく様子がおかしい。言葉を一切話さないし、食べ物の好みも急に変わったようだ。詳しく検査したところ、心臓の肥大、重度の動脈硬化といった老人化とも思える症状もあることがわかってきた。更に調べると、怜の様子がおかしくなったのは実は事故よりも前、仙台に在住する人形作家・小夜島香雪(さよじま・かゆき)を訪問してからだったことがわかってくる。一体、怜の身に何が起きているのであろうか。
格付:AA

ヴァーチャル・ガール 原作:エイミー・トムスン(青春アドベンチャー)

私の名前はアーノルド・プロンプトン・ジュニア。国が禁止している人工知能の研究をしたために大学を追い出された私は、持てる全能力を駆使してロボット「マギー」を作り上げた。マギーはごみ置き場のスクラップと企業の払い下げ品からつくられたロボットだが、見た目は人間そっくりで、人工知能を搭載し性能も超一流。何より、IT企業の後継者とするために私を手元から放そうとしない父親の手を一切借りずに、自分の力で作り上げた自分のためのパートナーだ。しかし、ロボットをつくったことにより、私は父親と警察の両方から逃れなければならなくなった。私とマギーの二人の逃避行が始まった。
格付:C

ガール・ミーツ・ボーイ 原作:安住磨奈(サウンド夢工房)

安住磨奈さんのデビュー小説「GIRL MEETS BOY」の中から、「過激でキュートな」ショートストーリーを各回2篇ずつラジオドラマ化した作品です。15分の短い時間に2篇ですから、短編と言うより超短編というべき作品です。内容についても、「ボーイ・ミーツ・ガール」(少年が少女に出逢い恋をする物語)を意識したタイトルからもわかるとおり、恋愛を中心に十代の少女の日常のありふれた風景を切り取ったもので、かなり気楽に聴ける作品になっています。ただ、実際に聴いてみると意外と恋愛要素は薄く、良く言えば少女の鋭い感性で時代を切り取ったような内容(悪くいえば頭の悪い少女の戯言)のため、このブログでの分類上は「少年」としています。
格付:B

フラワー・ライフ 作:仲井美樹ほか(青春アドベンチャー)

脚本家の競作によるオリジナル短編ラジオドラマ作品集シリーズ「ライフシリーズ」。2012年の「カラー・ライフ」をもって終了したと思われていた同シリーズが、出演者も新たに2015年に復活しました。作品名は「フラワー・ライフ」。各短編に共通するテーマは「フラワー」=花です。
格付:B

夫婦というもの 作:高平哲郎(カフェテラスのふたり)

本作品「夫婦というもの」は、放送作家で評論家、劇作家、演出家の高平哲郎さんが脚本を書いた大人の男女を巡る「粋なお話」のラジオドラマです。制作はNHK札幌局(演出家は不明)、放送された番組は全国ネットで月曜日から金曜日まで放送されていた10分番組「カフェテラスのふたり」でした。
格付:B

ブラックホール 作:宮崎由香・綾瀬麦彦(青春アドベンチャー)

本作品「ブラックホール」は1992年7月にNHK-FMにて「特集のダミーヘッドの青春アドベンチャー」として放送されたラジオドラマ作品です。青春アドベンチャーはこの年の4月にスタートしたばかりの番組であり、本作品は作品順で7番目、青春アドベンチャーでは最初期の作品と言えます。
格付:AA

ブルータスは死なず 原作:三浦浩(アドベンチャーロード)

私、アメリカ合衆国上院議員であるジョージ・マキタは、ある日、上院の地下駐車場で同僚の上院議員リチャード・オコンネルから呼び止められた。オコンネルは次期大統領選挙に出馬が噂されている有力議員だ。彼は言う。「私のランニングパートナーになって欲しい。はっきり言おう。私が大統領で君が副大統領だ。私と一緒にナショナルチケットを買わないか?」彼は、この日系人ジョージ・マキタに副大統領候補になって欲しいというのか。初めて上院議員になったときに感じた戦慄が、再び私の身体を駆け抜けた。自分は副大統領になっても、いやそれ以上になってもおかしくない人間なのだ。そう、合衆国の歴史には副大統領から大統領になった人間も大勢いるのだから…
格付:AA

BANANA・FISH 原作:吉田秋生(青春アドベンチャー)

ニューヨークはブロンクス。謎の自殺を遂げた男が最後に言い残した「バナナ・フィッシュ…」という言葉を聞き、ストリートキッズのボスであるアッシュは愕然とした。その言葉は、ベトナム戦争中にヤク中毒になり、今も正気が戻らない兄・グリフィンが発した唯一の言葉と同じだったからだ。一体「バナナフィッシュ」とは何を意味するのか。人の名前か、物の名前か。いくつもの組織が「バナナフィッシュ」を巡り血みどろの争いを繰り広げていくこと、そしてその欲望と陰謀が渦巻く争いに自分もまた巻き込まれていくことを、この時のアッシュはまだ知らない。
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