
王の眠る丘 原作:牧野修(青春アドベンチャー)
黄武神皇が強大な権力で支配する霊ノ国(ひのくに)。その国では馬奴(ばど)という二本足の獣が移動手段として用いられている。戌児(いぬこ)は馬奴を操るのが巧みな少年。しかし、黄武神皇帝の部下で警察長官の襤褸(らんる)が、戌児の住む「灰かぶりのまち」を襲ったことにより彼の人生は一変してしまう。育った町を破壊され、育ての親をも殺された戌児。襤褸への復讐を誓うも、復讐を恐れる襤褸は首都である天府に籠もってしまった。天府に入るチャンスは、一大イベントである大陸横断の「大耐久馬奴走」(だいたいきゅうばどそう)に参加し、これを完走するしかない。戌児は大耐久馬奴走に参加し、国一番の馬奴の乗り手・蒼馬天将(そうまてんしょう)と競い、大自然の猛威を受けつつも、ゴールの天府を目指して疾走する。そしてその過程で、戌児の抱える「三つ戌の児(みついぬのこ)」という運命の謎が明らかになっていく。