西遊妖猿伝 原作:諸星大二郎(ダミーヘッドによるオーディオコミック)
花果山(かかざん)の麓の村で暮らす若者・孫悟空は、大猿・玃猿(かくえん)に攫われた母から生まれた運命の子である。父を戦乱で失い、野女になった母からも捨てられ、孤児として生きてきた悟空。しかし、大猿(かくえん)に出会い、彼から斉天大星の名を受け継いだことにより、虐げられた民衆のために闘うことを決意する。そして同じように民衆のために闘う紅孩児(こうがいじ)や竜児女(りゅうじじょ)と出会い、目の前の敵と闘いを繰り返す自分の倒すべき敵が大唐帝国であることに気がつく。一方、度重なる戦乱とそれに伴う国土の荒廃に心を痛める若き僧侶・玄奘は、それが真の御仏の教えが根付いていないからだと考える。そして彼は真の仏法を体得するための万難を排して遙か遠くの天竺に行く術を求め始める。