仮想の騎士 原作:斉藤直子(青春アドベンチャー)
1751年、ルイ15世統治下のフランス。
剣の達人デオン・ド・ボーモンは、王弟コンティ親王に仕える美貌の騎士である。
最愛の人・クリスティーヌとの身分違いの恋を叶えるために、どうしても出世したいデオンは、密命を帯びてロシアへと渡る。
しかし、そこで身分を隠すために女装をしたのが運の尽き。
ロシアでの外交交渉は上手くいったものの、デオンは、ロシアで男と女の2役を使い分けなければならなくなってしまう。
折しもフランスでは、謎の男・サン・ジェルマン伯爵や、庶民出身の野心家で王の愛人であるポンパドゥール侯爵夫人、そして、イノセントではあるが意外ととんでもない怪人物であるルイ15世などが暗躍をしている。
一方、ロシアでも、女傑である皇帝エリザヴェーダ、切れ者の宰相ベスドジェフ、古臭いフランス語でデオンを煙に巻く副宰相ヴォロンツォーフなどの、一癖も二癖もある連中が蠢いている。
デオンは、陰謀渦巻く国際社会を無事に生き抜くことができるのか。
そして謎の男・サン・ジェルマン伯爵の真の目的とは何なのか。