愛と青春のサンバイマン 原作:藤井青銅(サウンド夢工房)
志濃田はジパングアニメーションというアニメ制作会社に所属するプロデューサー。
今度の仕事は「タワーメカ合体ロボ・フラッシュマン」という巨大ロボットアニメの制作だ。
もう第1話の脚本もあがっている。
しかし広告代理店の山崎から、スポンサーが「フラッシュマン」ではなくB企画の「MAHJONG合体ロボ・サンバイマン」の方をいたく気に入っているとの連絡が届く。
34種類136機のロボットの中から14機が合体するという登場ロボット数の多さに、おもちゃ会社であるスポンサーが飛びついたのだ。
「136機の中から14機」?
そう、サンバイマンはMAHJONGすなわち麻雀と巨大ロボを組み合わせたやっつけのダミー企画だったのだ。
フラッシュマンの当て馬として15分でつくった企画であり、子供も見るロボットアニメの企画としては、教育上、許されるはずもない作品だ。
しかし、そんな志濃田の思いもむなしく、欲に駆られたスポンサーのごり押しでサンバイマンの放送が始まってしまう。
初回の視聴率こそよかったものの、やはり早々に教育上の配慮をしなければいけなくなった制作陣。
検討の結果、ギャンブル色を薄めるために「麻雀+巨大ロボ」に「昔話」のテイストを加えるというという前代未聞の路線変更がなされる。
しかしそれはサンバイマンをめぐる迷走の第一歩でしかなかった…