太陽の城 月の砦 作:中村小夜(青春アドベンチャー)
12世紀半ば。地中海の東に位置するシリアの地。
十字軍の遠征からすでに半世紀が経過していたが、キリスト教徒のエルサレム王国とイスラム教徒の諸王国に分裂し、まさに乱世の状況にあった。
そんな中、シリア北部の町アレッポにひとりの英雄が現れる。
ザンギー朝第2代の君主マフムード。
彼は、隣国ダマスカスからアーミナを娶る一方、宿将シール・クーフとその甥ユーセフをエジプトに送りその政治に介入。着々と勢力圏を広げていた。
これは「ダマスカスの花嫁」と呼ばれた女と「信仰の光」、「信教の誉れ」と呼ばれたふたりの男。3人の男女の絡み合った運命の物語である。