- 作品 : 中二病な僕の革命的アオハル
- 番組 : 青春アドベンチャー
- 格付 : B
- 分類 : スラップスティック
- 初出 : 2025年8月18日~8月22日
- 回数 : 全5回(各回15分)
- 作 : 伊藤毅
- 演出 : 原英輔
- 主演 : 天﨑滉平
俺のあだ名は「スタン」。
大好きなオンラインゲームの世界で「スタン」は気絶状態を表す。
俺は敵を気絶状態にする攻撃が得意だからスタンと呼ばれている…訳ではなく、単にスタンダードを略してスタン。
つまりどこにでもいる目立たない平均的な中学生、それが俺、綿引慎也だ。
そんな俺でも輝ける場所がある。オンラインゲーム「ドラゴンスタジアム」の中だ。
しかも学校では満足に話しかけることすらできない憧れの同級生、弓月百花ちゃんと、偶然にゲーム中で出会うことができた。
ついに俺の青春が始まった!…と思ったのだが…実は始まったのは地獄だった。
本作品「中二病な僕の革命的アオハル」はNHK-FM青春アドベンチャーで放送されたオリジナル脚本のオーディオドラマです。
脚本を書かれたの演劇ユニット「やしゃご」を主宰する伊藤毅さん。
内容は中二病の中3生を主人公にしたスラップスティックな青春コメディドラマです。
声優さんのキャスティング
本作品の最大の特徴はやはり出演者。
舞台俳優を使うことが多い青春アドベンチャーでは異例の専業声優さんを多用したキャスティング。
具体的には、主人公とその仲間(三銃士?)である、スタン役の天﨑滉平さん、にこちゃん役の結川あさきさん、そしてデューク役の松岡禎丞さんの3人が声優事務所アイムエンタープライズに所属する声優さん。
天﨑さんと結川さんは声優アワードの新人賞を受賞したことのある期待の若手です。
リンクスタート!
そしてなんといっても松岡禎丞さん。
「ソードアート・オンライン」の主役キリト役や「鬼滅の刃」の嘴平伊之助役などが当たり役でしょうか。
そういえば本作品でもイノシシの役をやらされていましたが伊之助つながりなのか?
というかデュークの役自体がキリトを意識した声のような気が。
考えてみると主人公のスタンよりよっぽど中二病ですよね、デューク。もはや本作品の隠れ主人公。
青春アドベンチャー?
本作品のもう一つの特徴といえばアオハル=青春ということ。
青春アドベンチャーという番組名でありながらタイトルに「青春」と入った作品は数少ないのが実態。
それどころか、少年が主人公の作品のみならず、中年の男性が主人公の作品(例えば「あでやかな落日」)、中年の女性が主人公の作品(例えば「オリガ・モリソヴナの反語法」)、果ては老人が主人公の作品(例えば「ヤッさん」)まである始末。
最近はミュージカル俳優の多様で特定の性別・年齢層(お姉さま方)への訴求が強調されすぎているきらいもありました。
変化の時期?
そんな中、2025年上期の青春アドベンチャーは「リフレイン -私とおじいちゃんの捜査ノート-」、「ナカスイ!-海なし県の水産高校-」、そして本作品とハイティーンを主人公にしたまっすぐな青春ものを続けてつくっています(そしてこれらの作品でも積極的に声優さんを起用しています)。
制作側も新しい方向性を模索しているのかもしれません。
今後どのようになっていくのかわかりませんが、変化は肯定的にとらえたいと思います。
さてそれで内容なのですが…
革命と青春と
うーん「革命的」なのかな?
デモに参加しちゃう当たりはそうなのかも知れませんが、主張が「ゲームは一日○時間」って…
正直、学生運動ノリとコメディノリとのマッチングがいまいちで空回り気味にも感じました。
どうせやるなら高羽彩さん脚本の「屋上デモクラシー」(2012年)くらいやっても良かった気がします。まあ、あれはあれでちょっと真面目過ぎではあるのですが。
また青春ものとしても「ナカスイ!」みたいに笑いに逃げず、恥ずかしいくらいの直球勝負の方は振り切れていて私は好きです。
あくまで個人の感想ということでご容赦ください。
それにしても「ナカスイ!」についで2作品連続で普通であることにコンプレックスをもつ若者が主人公。
これは現代の青春のなにかをあらわしているのでしょうかね。
コメント