
ホットサンド 作:足立聡(FMシアター)
腰を痛めた父の面倒をみるために大阪へ戻ってきた。夢を諦めて。いや違う、本当は逃げ出したんだ。役者で大成する見込みがなかったから。ホットサンド専門店も特になにか夢があって始めたわけではない。父がやっていた弁当屋の設備があったから、特別な技術がいらないから、近くに病院があって出前の需要が見込めるから。その程度の理由だ。そんなホットサンド屋に、ある日、高校生の少女が飛び込んた。「私、ホットサンド大好きなんです!いつかホットサンドに囲まれて生活したいってずっと思ってました!もうずっとずっと思ってました!働かせてもらえませんか?何でもやります!バイト代とかいらないんで!」