当ブログの高格付け作品(番組:青春アドベンチャー系、ジャンル:頭脳系)

高格付作品一覧

当ブログで高格付けを付けた作品のうち、放送された番組が青春アドベンチャー等の帯番組で、作品ジャンルが「頭脳系」の作品(推理、サスペンス(日本)、サスペンス(海外))の一覧です。
あくまでブログ主個人の感想にすぎないことはご了解ください。

推理

事件が起こり、それを推理により解決する作品です。
謎解き要素が中心でない作品はサスペンスに分類していますが、探偵が出てくると推理要素が弱くてもこちらに分類しています。

格付:AAA・AAA-

魔の視聴率(1984年)

魔の視聴率 原作:福本和也(FMアドベンチャー)
「緊急指令、緊急指令。六本木七丁目のマンション・ビラ麻布で爆破事件発生。就寝中の老夫婦が即死。死因はダイナマイトの強烈な爆風による心臓破裂……」<鮫島竜一郎>大東京テレビのプロデューサー。日本で初めて本格的なテレビアニメを手がけ一躍、脚光を浴びるが、出演者とのスキャンダルにより一年間の休職の上、関連会社へ左遷。10年間の雌伏の後に復帰し、新企画「孫悟空道中記」で返り咲きを図る。<矢田清>警視庁麻布署の捜査係の刑事で、ヴィラ麻布の爆破事件を担当。優秀な刑事だが、心の奥底に、ある私怨を抱えており、時には捜査より私情を優先して行動することがある。爆破事件の捜査は、やがて10年前のもう一つの事件へと結びついていく。そして、二人の男と、彼ら自身すら知らなかった複雑な人間関係が姿を表し始めるのだった。

格付:AA+・AA・AA-

拝啓 名探偵殿(1979年)

拝啓 名探偵殿 原作:藤原宰太郎(ふたりの部屋)
本作品「拝啓 名探偵殿」は、推理研究家・作家の藤原宰太郎さんによる「拝啓名探偵殿-掌編推理小説10分間ミステリー」をラジオドラマ化した作品で、1979年10月に「ふたりの部屋」で放送されました。「ふたりの部屋」は本作品放送当時、1日10分の帯番組でしたので、まさに番組にぴったりの原作であったと思います。それもあってか翌1980年にはパート2も制作されています。

拝啓 名探偵殿 パート2(1980年)

拝啓 名探偵殿 パート2 原作:藤原宰太郎(ふたりの部屋)
本作品「拝啓 名探偵殿 パート2」は、1980年4月に「ふたりの部屋」で放送された作品で、推理研究家・作家の藤原宰太郎さんの「拝啓名探偵殿-掌編推理小説10分間ミステリー」をラジオドラマ化した作品です。1979年10月に第1弾が放送されており、本作品はその第2弾にあたります。

名探偵なんか怖くない(1985年)

名探偵なんか怖くない 原作:西村京太郎(FMアドベンチャー)
アメリカの名探偵エラリー・クイーン、フランスの名探偵メグレ元警部(すでに警察を退職しているため「元」)、イギリスの名探偵エルキュール・ポワロ、そして日本の名探偵・明智小五郎。各国を代表する4人の名探偵が東京で一堂に会した。4人を呼び集めたのは日本の富豪である佐藤大造氏。かの有名な三億円事件を現実の事件として再現し、それを4人の名探偵に推理させることにより、三億円事件の真相に迫ろうというのだ。鋭い推理で、“モデル犯人”村越の動きを次々に言い当てる4人の名探偵。しかし、事件は当初の筋書きを超えて思いもよらない展開を始める。

新宿鮫・氷舞(1997年)

新宿鮫・氷舞 原作:大沢在昌(青春アドベンチャー)
新宿警察署生活安全課の刑事・鮫島。エリートとして警視庁に入庁しながら、公安上層部に関するある秘密を知ったがゆえに、出世レースから外され新宿署で飼い殺しにされている男。しかしその秘密故に警察組織もまた鮫島に軽々しく手出しをすることができない。鮫島は新宿をねぐらとして、自らが信じる正義のありか、ひとりの刑事としてのあるべき姿を追い続ける。彼には上層部からの圧力は関係ない。一旦、事件に食いついたら決して離れない。そう彼は、キャリア出身の新宿署員、制度の中のはみ出し者、「新宿鮫」。

夢にも思わない(1999年)

夢にも思わない 原作:宮部みゆき(青春アドベンチャー)
毎年、近所の白河庭園で開かれる「虫聞き(むしきき)の会」。その会場で同級生の工藤久美子が殺された。しかも、死体の身元を確認したのは、この僕、緒方雅男だ。偶然ではない。工藤さんが家族で虫聞きの会に行くのは本人から聞いていた。淡い思いを胸に、会場で工藤さんに会えることを期待して行ってみたのだ。それがまさか死体に対面することになるとは。しかも死んだ工藤さんは、濃い化粧に、派手なスカート、高いヒールの靴。いつも学校で見るのとは全く違う格好をしていた。一体、何が起こっているのか。僕はクールな親友の島崎とともに謎を追い始めるのだが。

二の悲劇(2000年)

二の悲劇 原作:法月綸太郎(青春アドベンチャー)
推理作家の法月綸太郎は、警視庁の警部を父に持ち、難解な事件の捜査を手伝っている素人探偵である。今回の事件は、若い女性が痴情のもつれから同居していた親友を殺害したというもの。死体の顔を潰すという残虐な犯行の割には動機が不十分な印象は残ったが、ごく単純な事件と思われた。しかし倫太郎は、捜査本部で使われている被疑者と被害者の名前が、卒業アルバムではひっくりかえって書かれていることに気がつく。この事件は名前と顔をなくしたふたりの女性とふたりの男性を中心とする複雑な事件だったのだ。

妖異金瓶梅(2003年)

妖異金瓶梅 原作:山田風太郎(青春アドベンチャー)
中国・明の時代。山東省の豪商・西門慶(さいもん・けい)の屋敷には、8人の妻と多くの使用人がいた。しかし、金と欲にまみれた西門慶のこと。妻といっても、金と権力にものを言わせて奪い取った美女達であり、屋敷内はミエや欲望や嫉妬が渦巻く、苦しみの世界であった。特に、第5夫人である潘金蓮(はん・きんれん)は、絶世の美女であり、風にも耐えない風情でありながら、実は自らの欲望のためには何事も躊躇しない女であった。このような環境で事件が起こらない方がおかしい。主人公の応伯爵(おう・はくしゃく)は放蕩が過ぎて一代で身を持ち崩した末に、幇間として、西門慶に養われている男である。その立場から事件に無関係でいられない応伯爵は、不承不承、様々な事件の真相を探り始めるのだが…

黄金仮面(2010年)

黄金仮面 原作:江戸川乱歩(青春アドベンチャー)
昭和5年。その頃、世間では、黄金のマントと黄金のマスクという奇怪な出で立ちの男“黄金仮面”が世間を騒がしていた。特に犯罪行為をするわけではなく愉快犯とも思われていたが、あまりに世間が騒ぐため、警視庁の浪越警部は、親友の名探偵・明智小五郎にその対処を依頼する。浪越とともに上野を訪れた明智は、そこで偶然にも黄金仮面の第1の犯罪、「志摩の女王」と呼ばれる大真珠の盗難事件に遭遇するが、明智はこの事件において黄金仮面に翻弄され、完敗を喫してしまう。悔しがる明智だが、この事件は、黄金仮面と明智の死力を尽くした5連戦の始まりでしかなかった。

放課後はミステリーとともに「探偵部への挑戦状」(2014年)

放課後はミステリーとともに『探偵部への挑戦状』  原作:東川篤哉(青春アドベンチャー)
私立鯉ヶ窪学園 探偵部の副部長・霧ヶ峰涼(きりがみね・りょう)。犯人をのけぞらせる鋭い推理力と、男子のハートを直撃する明るい笑顔が取り柄の16歳のボクっ娘・迷探偵が帰ってきた!今回の事件の舞台も、校舎を結ぶ渡り廊下、校内の池、教室、部室と、至って平凡!被害者も、男子高校生、男子高校生、男子高校生、液晶テレビと、これまた至って平凡?例によって、解いても解かなくても、人生にはさしたる影響のない怪事件を、霧ヶ峰涼が快刀乱麻に解いていく…のか?そして今回は探偵部と敵対する謎の組織も登場!

彼女が遺したミステリ(2025年)

彼女が遺したミステリ 原作:伴田音(青春アドベンチャー)
一花(いちか)とともに人生を過ごすはずだった家に引きこもって1年4カ月。病気で亡くなった彼女から手紙が届いた。死人から手紙が来るわけはない。そんなことはわかっている。ということはこの手紙は生前、彼女が手配していたものだ。あの時、病室を離れなければ良かった。ずっとそう思ってきた。最後に彼女は何を言おうとしていたのか。この手紙を読めばそれがわかるかも知れない。今、よすがにできるのはそれだけだ。

サスペンス(日本)

心理描写、スリリングな展開が持ち味の作品のうち主に日本を舞台にした作品です。
一般にミステリーに分類される作品のうち推理要素が弱い作品はこちらに分類しています。
一方、アクション要素が多い作品はアクションに分類しています。

格付:AAA・AAA-

分身(1998年)

分身 原作:東野圭吾(青春アドベンチャー)
北海道函館市に住む氏家鞠子は、自分が母親から嫌われていると感じていた。東京都練馬区に住む小林双葉は、自分が母親の重荷になっていると感じていた。これは同じ顔を持つ1歳違いのふたりの少女が出会う物語。ふたりが抱えていた出生を巡る疑惑と葛藤と、そしてそれらからの開放の物語。

六人の嘘つきな大学生(2022年)

六人の嘘つきな大学生 原作:浅倉秋成(青春アドベンチャー)
僕たちは理想のチームになれた…はずだった。今を時めくIT企業スピラリンクスの最終選考。僕たち6人の就活生に課せられたのはグループディスカッションだった。幸い選考日までには時間がある。しかもこれは落とすための選考ではない。お互いを理解し、短所を補い、長所を生かしあう。良いディスカッションをして会社をうならせて全員内定。5,000人から選ばれたこの精鋭6名ならそれができるはずだ。その確信はスピラの方針変更で採用が1名のみとなり、グループディスカッションがその1名をお互いで選ぶ場となってしまっても変わらなかった。フェアな議論で全員が納得できる1名を選び出す。そのためのルールも合意することができた。こんな状況でさえ僕たちは協力し合うことができる。僕たちは理想のチームになれたはずだったのだ…

格付:AA+・AA・AA-

ゲノム・ハザード(1998年)

ゲノム・ハザード 原作:司城志朗(青春アドベンチャー)
それは、イラストレーター鳥山敏治にとっては誕生日の夜の出来事だった。残業で退社が遅くなり、妻の機嫌を損ねていないか恐る恐る帰宅した彼を待っていたのは床で冷たくなった妻の死体。突然現れた刑事と名乗る不審な二人組から逃れることになった鳥山は、夜の街をあてどなく彷徨うことになる。そして、妻の実家、友人宅、昔のバイト先、再び自宅などを尋ねるにつれ、鳥山は自分の記憶と、周囲が語る自分の姿とがかけ離れていることに気がつき始める。何より自分の記憶自体が少しずつ変化を始めているようなのだ。自分は誰なのか、どこに住んでいて、何をしてきた人間なのか。すべてが信じられなくなる中で、“鳥山”はどのような真実に辿り着くのか。

ダブル・キャスト(2001年)

ダブル・キャスト 原作:高畑京一郎(青春アドベンチャー)
父親から送られた小包を受け取った高校生・川崎涼介は、自分を不審な男が尾行していることに気がつく。腕に自信のある涼介は男をビルの屋上に誘い出し真意を問い詰めるのだが、逆に男の持っていた拳銃により、屋上から落下させられてしまった。気がつくと…もうひとりの高校生・浦和涼介の身に異変が起こり始めるのは、あるビルの近くで屋上から落下する高校生を見てからだ。気弱な涼介には悪夢の出来事だったが、落ちてきた少年に見覚えはなく、自分には関係のない出来事のハズだった。しかし、そのときからは彼は時々記憶を失うようになってしまった。気がつくと…そう、これがふたりの「涼介」が演じる、ひとつの身体を舞台としたダブル・キャストの冒険の始まりだったのだ。

ロロ・ジョングランの歌声(2019年)

ロロ・ジョングランの歌声 原作:松村美香(青春アドベンチャー)
1998年12月3日、赤道近くの島、東ティモールで1人の日本人新聞記者が射殺された。中瀬稔(なかせ・みのる)享年32歳。私の兄だ。新聞記者として世界中を飛び回っていた稔兄さんは、行く先々から私に絵葉書を送ってくれた。最後の絵葉書は東ティモールに渡る直前、インドネシアの世界遺産、ブランバナンのロロ・ジョングラン寺院からだった。あの時、稔兄さんは何を感じていたのだろう。そして絵葉書になぜあんなメッセージを残したのだろう。「俺は運命に逆らうことにするよ」などというメッセージを。

死にたがりの君に贈る物語(2024年)

死にたがりの君に贈る物語 原作:綾崎隼(青春アドベンチャー)
人気作家・ミマサカリオリが死んだ。正確には、そうSNSで発表された。詳細は不明だ。出版社も沈黙している。確かなことは、最新巻が大炎上した代表作「Swallowtail Waltz」(スワロウテイル・ワルツ)シリーズは最終巻を残して未完となったということだけだ。ミマサカリオリの小説は、生き辛い人々に希望の光を与えたとも、とも称される。僕にとっては完全に前者だ。だからこの企画に参加することにした。いや参加せざるを得ない。「Swallowtail Waltz」の舞台になった廃校で作品と同様に共同生活をする。確かにこんなことをしても作品の結末に近づける保証はない。でも「Swallowtail Waltz」の続きが読めない世界で、この企画に参加するほかに何を希望に生きていけばいいんだ。

四日間家族(2024年)

四日間家族 原作:川瀬七緒(青春アドベンチャー)
暗く湿っぽく、機械油やタバコの匂いがしみ込んだオンボロのバン。車内は赤いガムテープで内側からしっかりと目張りされた。そう、ここが私たち4人の人生の最後となる場所だ。鉄工所を倒産させた中年男性・長谷部康夫、コロナ禍で追い込まれたスナックのママ・寺内千代子、陰気な高校生・丹波陸斗、そして今は「坂崎夏美」と名乗っている私。お互いの素性も事情も知らない私たち4人。だが集まった目的だけは一致している。それは自分たちの人生の終焉。しかし、誰一人いないはずの暗い山中に突然ひとりの女が現れたことにより私たちの運命は変わった。正確にはひとりの女とひとりの赤ん坊によって。始まったのは4人の終焉の物語ではなく、4人の新しい人生の始まりの物語だったのだ。

サスペンス(海外)

心理描写、スリリングな展開が持ち味の作品のうち主な舞台が海外の作品です。
アクション要素が多い作品はアクションに分類しています。

格付:AAA・AAA-

ブラジルから来た少年(1996年)

ブラジルから来た少年 原作:アイラ・レヴィン(青春アドベンチャー)
1974年9月、ウィーンを拠点にナチスの戦犯を追っているユダヤ人・リーベルマンは、ブラジルに潜伏しているヨーゼフ・メンゲレの居場所を見つけたという情報を得る。ヨーゼフ・メンゲレ。ナチスの人種理論の強烈な信奉者で、アウシュビッツ強制収容所で多くの人体事件を繰り返し「白い悪魔」と呼ばれた男。もしも逮捕できれば大きな成果だが、その類の胡散臭い情報が入ることはよくあることで、すぐには信じられない。しかも情報提供者によれば彼は「ヨーロッパとアメリカの各地で暮らしている96人の65歳の男性」を殺害する計画を立てているという。俄には信じがたい話であったが、その情報が突如、信憑性を増す事態が発生する。情報提供者が、リーベルマンと電話で話している最中に何事かのトラブルに巻き込まれ、そのまま消息を絶ってしまったのだ。何かが始まろうとしている。リーベルマンは事件の全容を把握するために動き始める。

着陸拒否(1998年)

着陸拒否 原作:ジョン・J・ナンス(青春アドベンチャー)
フランクフルト発・ニューヨーク行き、クワンタム航空66便。機長は、空軍出身のベテランパイロットであるジェイムズ・ホランド。副操縦士は、機長を採点する役目のチェックキャプテンでもあるディック・ロブ。クリスマス前の12月22日に離陸したその便は、アメリカ大使ランカスターというVIPを乗せていたものの、あくまで普通のフライトのはずだった。機内でインフルエンザによる急病人が出て、ロンドンのヒースロー空港への緊急着陸を決断せざるを得なくなったことさえ、想定の範囲外のできごとではない。しかし、ヒースロー空港が不可解にも66便の着陸を拒否したことにより、事態はもはや通常の出来事とは言えなくなった。そして迎える急病人の死。それは緊急事態の終わりではなく、始まりに過ぎなかったのだ。

ラジオ・キラー(2008年)

ラジオ・キラー 原作:セバスチャン・フィツェック(青春アドベンチャー)
ドイツ・ベルリンのラジオ局、ラジオ101(ワン・ゼロ・ワン)の名物コーナー「キャッシュ・コール」。無作為にかけられた電話を取ったリスナーが予め放送されたパスワードを答えられれば現金がもらえるという人気のコーナーだ。しかし、スタジオ見学に来た松葉杖の男が、番組中に突然人質を取りラジオ101に立てこもってしまったことにより番組は一変してしまう。犯人は番組を乗っ取り、彼自身のルールにより「キャッシュ・コール」を再開したのだ。「ハロー、ベルリン。もし電話を受けたあなたがパスワード以外のことを言ってしまったら僕はこのスタジオにいる誰かを射殺します。101をお聞きの皆様に最悪の悪夢をお届けします。」この犯人と交渉に当たるのはドイツ警察・特別出動隊SWATの交渉人イーラ。イーラは娘を自殺させてしまった自責の念からその日、自らも死のうとしていた。しかし、その直前で同僚であるゲッツに見つかり、この犯人の相手をさせられることになったのだ。当初は精神異常者と思われた犯人だが、交渉が進む中でやがて予想もできない展開を迎える。

オリガ・モリソヴナの反語法(2016年)

オリガ・モリソヴナの反語法 原作:米原万里(青春アドベンチャー)
オリガ・モルソヴナとの出会いは、1960年代のチェコの首都プラハにあったソビエト学校でのこと。私、弘世志摩(ひろせ・しま)はこの学校に通う小学生だった。オリガは、老齢ながらダンス教師として卓越した技術を持つと評判だった。しかしそれ以上に彼女を有名にしていたのは、ただでさえ罵り言葉の宝庫と言われるロシア語を駆使し、罵詈雑言を浴びせかける天才だったこと。その最も特徴的な表現方法は反語法。彼女にかかると「美の極致!」という言葉さえも、圧倒的な皮肉へと変わるのだ。しかし、オリガの過去に何か謎のようなものが見え隠れすることは小学生であった私にも分かった。そして1992年。大人になった私はモスクワへと飛ぶ。永年の疑問だったオリガの過去を知るために。そこで待っていたのは、悲劇の現代史を生きた3人の女性の物語だった。

格付:AA+・AA・AA-

101便着艦せよ(1984年)

101便着艦せよ 原作:オースチン・ファーガスン(FMアドベンチャー)
その日、サンフランシスコを飛び立つ101便は、センチュリー航空にとって長年の宿願であった北京への定期便の再開第1便だった。記念式典に出席するボブス副大統領を乗せているという意味でも失敗のできないフライトである。センチュリー航空はこの101便の運航に、同社切ってのベテランパイロットであるビーミッシュ機長を始めとする3人の機長資格を持つパイロットと練達の航空機関士を配し万全の体制を敷いた。しかし、機関士のタッド・エリオットにはふたつの懸念事項があった。ひとつは、貨物室に積まれた靴箱くらいの200個の箱。積み込みの手筈が如何にも不自然だった。そして、もう一つは、DC-10に3基搭載されているエンジンのうちの1基である第3エンジンの調子。「第3エンジンは慢性的に温度上昇の傾向にあり。燃料制御装置を交換。試運転の結果はOK」直前の整備状況を示す航空日誌にはこのように書かれていたのだが…

ペテルブルグから来た男(1984年)

ペテルブルグから来た男 原作:ケン・フォレット(FMアドベンチャー)
1914年晩秋、ロンドン郊外。大英帝国とロシア帝国が手を結ぼうとしている。このままでは世界大戦が始まってしまう。両国を牛耳っている腐った貴族たちのせいで、何百万人ものロシアの無辜の人民が犠牲になる。そんなことは何としても避けなければならない。大丈夫。作戦は順調だ。御者に化けて乗っ取ったこの馬車には、交渉の英国代表であるウォールデン伯爵と、ロシア帝国の特使アレクセイ・オルロフ公爵が乗っている。英国領内でオルロフ公爵が死ねば、交渉はもちろん決裂だ。…頃合いだ。馬車を止めよう。そして力いっぱいに馬車の扉を引き開けて、この銃弾を撃ち込めばすべてが終わる!「誰よ!何するの!!」!!!なぜだ、なぜ彼女がそこにいるのだ!

檻の中の殺意(1985年)

檻の中の殺意 原作:テリー・ブラジンスキー(アドベンチャーロード)
野生動物の本当の姿は野生でしか見ることができない。それが動物学者としてのスティーブの主張であり、長年、サンフランシスコ動物公園の園長を務める父とは最近は喧嘩ばかりだ。しかし父が倒れ、嫌々、動物園の延長代理となって改めて感じるのは、自分の原点はやはりこの動物園であったということ。何より動物が好きだし、動物園もより良いものにしていきたい。そう心に誓ったスティーブだが、着任早々、カモシカが不審な死を遂げる。そして送られてきた不吉なメッセージ。「園長、お前は俺の天使たちを閉じ込め虐待している。こんなことが続いて言い訳がない。カモシカは解放された。次はどの天使の番かな」

長く孤独な狙撃(1988年)

長く孤独な狙撃 原作:パトリック・ルエル(アドベンチャーロード)
緻密な計算による完璧な仕事。それが彼の主義だった。だから距離が1250mあったとしても、狙撃をはずしたら引退以外の選択肢は彼にはなかった。しかし湖水地方で引退後の生活の場を探していた彼に不思議な出来頃が起きた。たまたま親しくなった女性の父親が、彼の最後の仕事(失敗したロングキル)の標的と同一人物だったのだ。こんな偶然があるのだろうか。自分の知らないところで何かが起きていたのか、そしてこれから何かが起きるのか。

黄昏のベルリン(1989年)

黄昏のベルリン 原作:連城三紀彦(アドベンチャーロード)
戦後40年を経て好景気に湧く日本。美術大学の講師・青木雄二が、年末年始のカウントダウンを過ごすために向かったホテルで待っていたのは、懇意の女子学生ではなく、エルザという見知らぬ外国人女性だった。外国人に間違えられる容姿を持った日本人の男と、日本人と遜色ない日本語を話すドイツ女との出会い。女は男に謎めいた言葉を伝える。「私はあなたを必要としている」「貴方の描いた『ひなげし』という絵に描かれている女性とそっくりの女性が描かれている絵を知っている」やがて男の前に現れ始めるネオナチの影。ふたりの出逢いは一体、何の始まりなのか。

ブルータスは死なず(1989年)

ブルータスは死なず 原作:三浦浩(アドベンチャーロード)
私、アメリカ合衆国上院議員であるジョージ・マキタは、ある日、上院の地下駐車場で同僚の上院議員リチャード・オコンネルから呼び止められた。オコンネルは次期大統領選挙に出馬が噂されている有力議員だ。彼は言う。「私のランニングパートナーになって欲しい。はっきり言おう。私が大統領で君が副大統領だ。私と一緒にナショナルチケットを買わないか?」彼は、この日系人ジョージ・マキタに副大統領候補になって欲しいというのか。初めて上院議員になったときに感じた戦慄が、再び私の身体を駆け抜けた。自分は副大統領になっても、いやそれ以上になってもおかしくない人間なのだ。そう、合衆国の歴史には副大統領から大統領になった人間も大勢いるのだから…

五番目のサリー(1993年)

五番目のサリー 原作:ダニエル・キイス(青春アドベンチャー)
地味で内気なサリーは子どもの頃から頻繁に記憶喪失に陥るため、29歳の今になるまで何をやっても上手くいかなった。実はサリーの心の中には、デリー、ノラ、ベラ、ジンクスの4人の人格がおり、サリーが精神的に耐えられない状況に陥るたびに、彼らがサリーに代わって事態に対処してきた。サリーの記憶喪失はその結果だったのだ。ある日、何度目かの自殺未遂(サリーは知らないが実はペシミストのノラによるもの)をしたサリーは、ついに精神科医アッシュの治療を受ける決心をする。

あの夜が知っている(1994年)

あの夜が知っている 原作:R・D・ツィマーマン(青春アドベンチャー)
シカゴ在住のウィルはドイツ・ベルリン生まれの40歳の男性。10歳の頃に、第2次世界大戦末期のベルリンで母親を殺されたのだが、その前後の記憶が曖昧で、母親を殺した犯人を覚えていないことに長年苦しんできた。ある時、ウィルは催眠療法で過去の記憶を呼び覚ますことを決意し、精神科医アリシアのもとを訪れる。しかし、治療を始めた直後に彼の身辺で不審な出来事が起こり始める。彼は命を狙われ始めたようなのだ。母親が殺された、30年前のあの夜。連合国軍の大空襲を受けていたベルリンで本当は何が起きていたのか。そして、それはなぜ今でも隠されなければならないのか。

レディ・スティンガー(1994年)

レディ・スティンガー 原作:クレイグ・スミス(青春アドベンチャー)
今日は我ながら上手くやった。ターゲットは、ひと仕事終えてリラックスしていた腹の突き出た中年男。確か、名前はボブといったか。バーで男に一服盛って、ホテルの部屋で彼が熟睡するのを待つだけの簡単なお仕事。バリーがいうとおりではある。しかし警察に捕まるリスクを冒しているのはこの私、マギーだ。バリーごときに楽な仕事などと言われるのは心外だ。しかし、口の上手いバリーにまた丸め込まれて、今日は、2回目の「仕事」をする羽目になってしまった。気乗りはしないが、いざ次のバーに行ってみると、とびきりのいい男が座っていた。目つきが鋭すぎるのが気になるが、いつもどおり仕掛けは上々。今回も楽な仕事になる…はずだったのだが。

■頭脳系以外の高格付け作品の一覧は以下からご覧ください。

当ブログで高格付けをつけたラジオドラマの一覧
この記事は当ブログで作品を紹介する際に高格付けを付した作品の一覧です。ジャンルごとに整理してみました。もとより私個人の感想にすぎないので、皆様の評価と違う場合も多々あろうかと思います。趣味の違いとお考えいただき、ご容赦いただけましたら幸いです。なお、私個人の評価ではなくリスナーの皆様の評価ということであれば、歴代ベスト作品アンケートの投票結果、年ごとのアンケートの投票結果、当ブログのページビュー数の順位などをご覧ください。

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