びりっかすの神さま 原作:岡田淳(青春アドベンチャー)
「頑張れ。」
その一言を残して始(はじめ)の父親は死んだ。
どういう意味で父親はその言葉を始に残したのか。
いくら考えても、始には答えは出ない。
そんな始は、転校した新しい小学校で不思議な“おじさん”に出会う。
よれよれのスーツを着て天使みたいな羽をつけたおじさん。
でもよく見ると半透明だし、身長も筆箱にちょうど入るくらいしかない。
しかも始以外のクラスメイトには見えないようだ。
自分のことを「びりっかす」と名乗ったおじさんが言うには、自分はこのクラスの「びりはダメ気分」(=ビリになりたくないという恥ずかしい思い)が生んだ存在なのだという。
確かにこのクラスはちょっと雰囲気がおかしい。
やたらと頻繁に5分間テストをやるし、その成績で席順を決めているようなのだが。