【特集:青アド・ポーカー43】アニメ「銀河英雄伝説」に出演した声優さんつながり
久しぶりのアニメ関連企画です。
今回はアニメ銀河英雄伝説(石黒昇版、Die Neue These)の声優さんが出演されているNHK-FMのオーディオドラマを紹介いたします。
銀河声優伝説
石黒昇版は1988年から2000年にかけて映画、OVAで展開されたシリーズです。
もともとの田中芳樹さんの原作小説が男性の登場人物が異常に多かったことに加え、重ね役をほとんどしなかったため、当時、青年・壮年の役ができる声優さんの大部分がどこかに出演することになり「銀河声優伝説」などと称されることになりました。
また「銀河英雄伝説 Die Neue These」は2018年にスタートした再アニメ企画で、石黒版ほどではないですが、やはり長編のため多くの声優さんが駆り出されています。
NHK-FMへの出演者多数
そのためNHK-FMのラジオドラマ・オーディオドラマに出演される方も(特に石黒版には)多く出演されていますので、今回はその一覧を作成していました。
まずは帝国側から紹介していきます。
主要キャストだけですが漏れがあれば今後追記していきます。
銀河帝国サイド
ラインハルト・フォン・ローエングラム
堀川亮さん(石黒昇版)
石黒版で帝国側主人公ラインハルトを演じたのは堀川亮さん。
「聖闘士星矢」のアンドロメダ瞬、「ドラゴンボールZ」のベジータ、「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」のコウ・ウラキなど、1990年代を代表する声優さんのひとりですが、この時期には「黄昏のベルリン」、「マージナル」など端役でしかNHK-FMの作品には出演されていません。
しかし「堀川りょう」に改名後の最近「負け犬たちのミッドナイト・バス」、「極楽プリズン」などで主要な役を演じておりかなりはっちゃけた演技を披露されています。

宮野真守さん(Die Neue These)
一方、Die Neue Theseでラインハルトを演じた宮野真守さんは2000年代以降の人気若手声優さんです。
アニメ中心の若手声優をあまり起用しないNHK-FMオーディオドラマですが、宮野さんはアニメ声優になる前の子役時代(もともと劇団ひまわり所属)に「バッテリー」(2000年)の原田巧役で主演されています。
青春アドベンチャーへの出演は今のところたぶんこれ1作だけだと思います。
なおアニメ版の「バッテリー」で巧を演じたのは内山昂輝さんです。

ジークフリード・キルヒアイス
広中雅志さん(石黒昇版)
ラインハルトの腹心にして半身であるジークフリード・キルヒアイスを演じたのは広中雅志さん。
もともと東京放送児童劇団出身で子役時代にNHKのラジオドラマに出演経験があるらしいですが、当ブログで紹介している中では1986年アドベンチャーロード時代の「皇帝の密使」だけでした。

アンネローゼ・フォン・グリューネワルト
潘恵子さん(石黒昇版)
元祖アイドル声優ともいうべき潘恵子さんの代表作は「機動戦士ガンダム」のララァ・スン役でしょうか。
売れっ子過ぎたのか当時あまりNHK-FMのラジオドラマには参加されておらず紹介作品の中では「魔弾の射手」くらいです。

坂本真綾さん(Die Neue These)
今や売れっ子の坂本真綾さんですが元々は子役。
そして声優として人気になったのちに再び活動範囲を広げ、歌手やミュージカル俳優(「レ・ミゼラブル」にも主要な配役で出演経験あり)としても活動されています。
そのため青春アドベンチャーへの出演時期も幅広く「これは王国かぎ」(2000年)から2023年の「ラングドックの薔薇」まで四半世紀にわたります。

ウォルフガング・ミッターマイヤー
森功至さん(石黒昇版)
1970年代からヒーローものの作品に多数出演されていた森功至(もり・かつじ)さん。
一番の代表作は「科学忍者隊ガッチャマン」の大鷲の健役でしょうか。
本ブログ紹介作品に出演作はなかなか見つからず、潘恵子さんと同じ「魔弾の射手」だけです。
小野大輔さん(Die Neue These)
「宇宙戦艦ヤマト2199」にてヤマトの古代進役を引きついた小野大輔さんも当代有数の人気声優さん。
個人的には「進撃の巨人」のエルヴィン・スミスの男っぽい声が印象的です。
高知県出身ですがなぜか長崎を舞台にしたFMシアター「今、瑠璃色の星で」で長崎切子の職人の役を演じています。

パウル・フォン・オーベルシュタイン
塩沢兼人さん(石黒昇版)
繊細な美形の役をやらせたら天下一品の塩沢兼人さんでしたが、惜しくも2000年に46歳で亡くなられています。
アニメ声優をあまり使わないNHK-FMオーディオドラマの中で塩沢さんは数少ない重用された方で、少し思い出しただけでも「妖精作戦」、「マージナル」、「遠い星からきたノーム」、「少女探偵に明日はない」、「タイム・リーパー」、「サラマンダー殲滅」、「西遊妖猿伝」、「夏の魔術」など数々の出演作を思い出します。
以下に選んだのは最晩年の出演作「オルガニスト」。

ナイトハルト・ミュラー
水島裕さん(石黒昇版)
鉄壁ミュラーを演じた水島さんも当時アイドル声優的な扱いがなされ、NHKの「連想ゲーム」のレギュラー回答者をするなどバラエティ番組でおなじみの方でした。
アドベンチャーロード「大いなる冒険」ではナレーションを担当されています。

上村祐翔さん(Die Neue These)
Die Neue Theseのミュラーは上村祐翔さん。
上村さんも劇団ひまわりご出身で子役として若くして青春アドベンチャーに出演されたパターン。
2002年の「アクアリウムの夜」から長く出演されていますが、代表作は一部に熱狂的なファンのいる「僕たちの宇宙船」でしょうか(個人的には「クラバート」が好き)。

コルネリアス・ルッツ
堀勝之祐さん(石黒昇版)
吹き替え中心で活動された堀勝之祐さんはとても渋い声が持ち味。
青春アドベンチャーでも「イカロスの誕生日」、「これは王国のかぎ」などで美声を披露されていますが、個人的には1990年代の「成層圏ファイター」や「アルバイト探偵」の方が印象的。

アウグスト・ザムエル・ワーレン
岡部政明さん(石黒昇版)
癖つよが多いラインハルトの将帥たちの中ではひときわ謹厳実直で真面目キャラなワーレンですが、彼を演じたのは岡部政明さんだったんだなあ。
ナレーションのイメージが強い岡部さんですが本ブログにおける紹介作の「ジグが来る」もナレーター。
他にも同時代に「カディスの赤い星」、「スナップ・ショット」、「牙王物語」のすべてでナレーションを担当されているのですが音源不足で紹介できていません。残念です。

ウルリッヒ・ケスラー
池田秀一さん(石黒昇版)
池田秀一さんといえばシャア(機動戦士ガンダム)。
シャアといえば池田秀一さん。
シャアって実は相当拗らせちゃっている曲者なのですが「仮想の騎士」で演じるサンジェルマン伯爵も相当の曲者でした。
他にも「最後の惑星」や「ウィンブルドン」にもご出演。

エルネスト・メックリンガー
土師孝也さん(石黒昇版)
芸術家提督エルネスト・メックリンガーを演じた土師孝也さんのアニメでの代表作は「北斗の拳」のトキでしょうか。
本部ログ紹介作では「アキバの休日」(宮村優子さんと共演)や「テレヴィジョン・シティ」に出演されています。

カール・グスタフ・ケンプ
玄田哲章さん(石黒昇版)
アーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替えで有名な玄田哲章さんも20世紀から現在まで多くの青春アドベンチャー作品に出演されています。
最新は2020年初出の「00-03 都より愛をこめて」(梶裕貴さん主演)でしょうか。

エルンスト・フォン・アイゼナッハ
津嘉山正種さん(石黒昇版)
銀河英雄伝説ファンには有名ですが沈黙提督と呼ばれるエルンスト・フォン・アイゼナッハは全編を通じてセリフが「チェックメイト」の一言しかありません。
このたったひとつのセリフのために「クロスオーバーイレブン」での美声で有名な津嘉山正音さんをキャスティングするところが石黒版の凄いところです。
当ブログでは「プラハの春」や「赤と黒 第二部」などの出演作を紹介していますがここはやはり主演された「脱獄山脈」を推したいと思います。

その他の役
銀河帝国サイドでのその他の出演情報を一覧で記載します。
見つけた範囲内での一覧なので漏れがあると思いますがそれでも長いリストなので折りたたんでおきます。
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- テオドール・フォン・リュッケ(石黒昇版):松本保典「魔法の王国売ります」ほか
- エミール・フォン・ゼッレ(石黒昇版):置鮎龍太郎「聖杯伝説」
- ブルーノ・フォン・クナップシュタイン(石黒昇版):檜山修之「イカロスの誕生日」ほか
- カール・エドワルド・バイエルライン(石黒昇版):大山尚雄「名馬 風の王」ほか
- カール・エドワルド・バイエルライン(石黒昇版):林延年「トリガー」
- フランツ・フォン・マリーンドルフ(石黒昇版):中村正「ペテルブルグから来た男」
- ハイドリッヒ・ラング(石黒昇版):高木均「マージナル」ほか
- ハイドリッヒ・ラング(石黒昇版):石田太郎「査察機長」ほか
- ブルーノ・フォン・シルヴァーベルヒ(石黒昇版):山寺宏一「オズ(OZ)」
- エヴァンゼリン・ミッターマイヤー(DNT):潘めぐみ「嘘の木」ほか
- ハインリッヒ・フォン・キュンメル(石黒昇版):三ツ矢雄二「王女アストライア」
- フリードリヒ4世(石黒昇版):阪脩「クリスマスの幽霊」ほか
- クラウス・フォン・リヒテンラーゼ(石黒昇版):宮内幸平「サハラの涙」
- クラウス・フォン・リヒテンラーゼ(DNT):西村知道「DIVE!!」ほか
- ゲルラッハ(石黒昇版):八奈見乗児「封神演義」ほか
- ゲルラッハ(DNT):土師孝也「テレヴィジョン・シティ」ほか
- エーレンベルク(DNT):飯塚昭三「A-10奪還チーム出動せよ」
- シュタインホフ(DNT):大友龍三郎「ベルリンの秋」ほか
- グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー(石黒昇版):柴田秀勝「アキバの休日」ほか
- トーマ・フォン・シュトックハウゼン(石黒昇版):永井一郎「不思議屋百貨店」ほか
- ハンス・ディードリヒ・フォン・ゼークト(石黒昇版):飯塚昭三「A-10奪還チーム出動せよ」
- アントン・ヒルマー・フォン・シャフト(石黒昇版):屋良有作「超能力はワインの香り」
- エルフリーデ・フォン・コールラウシュ(石黒昇版):富沢美智恵「ゲノム・ハザード」ほか
- マクシミリアン・フォン・カストロプ(石黒昇版):堀秀行「サハラの涙」ほか
- フレーゲル(石黒昇版):二又一成「オルガニスト」ほか
- フレーゲル(DNT):古谷徹「ブルータスは死なず」ほか
- アルフレッド・フォン・ランズベルク(石黒昇版):塩屋翼「妖精作戦」ほか
- アンスバッハ(石黒昇版):井上真樹夫「もしかして時代劇」ほか
- アンスバッハ(DNT):東地宏樹「文学少年と運命の書」ほか
- オフレッサー(石黒昇版):郷里大輔「太陽の簒奪者」ほか
- オフレッサー(DNT):小山剛志「新釈・遠野物語」ほか
Die Neue These声優は少ない
今回記事を書こうと決めたのは2025年5月スタートの「謙信サマは今日も気まぐれ」に再アニメ化シリーズ「Die Neue These」でオリビエ・ポプランを演じている鈴木達央さんのお名前を見つけたから(オリビエ・ポプランは次に書く「自由惑星同盟・その他編」で紹介します)。
石黒版が制作された頃は吹き替え時代から声の出演をしている舞台俳優出身のベテランがまだ多く残っており、NHKのラジオドラマとも親和性が高かったのですが、最近の若手声優さんはアニメ専業の方(≒BLのCDに参加されているような方)が多く、あまりNHK-FMのオーディオドラマに出演していません。
ただ、ミッターマイヤー役の小野大輔さんのように何とか書ける方が揃ってきたので、今回記事にした次第です。
今後も追加があれば記載していきます。
■シリーズ「青アドポーカー」
作品間の緩やかな繋がりを楽しむこの企画。
その他の記事の一覧は以下をご覧ください。

【田中芳樹原作・原案の他の作品】
青春アドベンチャーでシリーズが3つもオーディオドラマ化されているのはこの人だけ!
田中芳樹さんの関連の記事の一覧は以下のとおりです。

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