- 作品 : 踊る21世紀 Part2
- 番組 : 青春アドベンチャー
- 格付 : B-
- 分類 : コメディ
- 初出 : 2001年7月9日~7月13日
- 回数 : 全5回(各回15分)
- 作 : 藤井青銅
- 演出 : 吉田努
- 主演 : 三上市朗ほか
本作品「踊る21世紀 Part2」は1994年から制作されてきた藤井青銅さん脚本のオムニバスコメディラジオドラマ「笑う・踊る」シリーズの最終作になります。
藤井青銅さんと言えば1993年から(関連作品を含めると1991年から)2009年まで毎年年末に放送されたショートコントシリーズ「年忘れ青春アドベンチャー・干支シリーズ」が有名なのですが、この「笑う・踊る」シリーズもなかなかの長期シリーズでした。
干支シリーズとの住み分け
両シリーズはともにコメディ調の作品で、1回15分ごとに完結しているのも同じ(「笑う世紀末探偵」を除く)です。
しかし、「干支シリーズ」がその1回15分をさらに細かく分けてその年の複数の出来事をオチ付きのショートコントにしているの対し、「笑う・踊る」シリーズは15分で1ストーリーとなるショートショートドラマとして作られており、一応、すみわけができていました。
ただ「踊る21世紀」に入って以降は時事ネタが増え、特にこの「踊る21世紀 Part2」は全話時事ネタなうえにオチがとてもコント的で「干支シリーズ」を彷彿とさせる出来になっています(さすがにこの年の干支シリーズ「ひょうたんから’午’」とネタは全くかぶっていません)。
さて、各回の概要等は以下のとおりです。
◆第1話 「マイオンリーライン」
主演 : 三上市朗
一言 : 2001年にサービスがスタートした「マイライン」をネタにした作品。当時のマイラインの競争は現在の携帯業界の競争とよく似ていることに気が付く。
◆第2話 「捨てられて」
主演 : 一色忍
一言 : 1999年発売のペットロボット「AIBO」ネタ。社会風刺のつもりなのかも知れないが不用になったペットは保健所が引き取るのが当然という発想が非常に不快。
◆第3話 「そら見たことか」
主演 : 三上市朗
一言 : 2001年に役割を終え地球に落下した宇宙ステーション「ミール」ネタ。スペースデブリに注目が集まり空が綺麗になる展開はとても詩的だと思ったがオチは普通。
◆第4話 「距離と時間の問題」
◆第5話 「我も我もとスパイラル」
主演 : 一色忍
一言 : この頃よく使われた経済用語「デフレスパイラル」ネタ。少子化で学校が社会人をターゲットにし始めるのは当時でもごく自然な発想で意外性はない。
シリーズに力がなくなるのは悲しい
前記のとおりかなり「干支シリーズ」と被る内容になってしまったこの作品。
しかも今までの「笑う・踊るシリーズ」の半分の全5回構成で、さらに1回15分といいつつ実質的な放送時間は11~13分程度で残り時間は洋楽を流すという今一つやる気が感じられない構成。
完全に役割を終えた感のあるこのシリーズはこの作品をもって終焉を迎えることになります。
【藤井青銅原作・脚本・脚色の他の作品】
青春アドベンチャーの長い歴史において、最も多くの脚本と最も多くの笑いを提供しているのが脚本家・藤井青銅さんです。こちらに藤井青銅さん関連作の一覧を作成していますので、是非、ご覧ください。
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