笑う世紀末探偵 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

格付:A
  • 作品 : 笑う世紀末探偵
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : A+
  • 分類 : コメディ
  • 初出 : 1999年6月28日~7月9日
  • 回数 : 全10回(各回15分)
  • 作  : 藤井青銅
  • 演出 : 松浦禎久
  • 演出 : 三上市朗

私の名前はゴドウ・ツトム、私立探偵だ。
私は、小学生の時に聞いた「ノストラダムスの大予言」に衝撃を受け、以後、悩んだとき迷ったとき、人生の指針をこの大予言に頼って生きてきた。
そして、世界滅亡の兆しを見つけるために、世紀末に関わる事件だけを扱う探偵になったのだ。
世の中で起きる大事件はすべてノストラダムスの大予言で説明することができる。
今日もポケット版「ノストラダムスの大予言」を懐に難事件に挑む。
私の名前はゴドウ・ツトム、人呼んで「世紀末探偵」。



「ノストラダムスの大予言」をご存じでしょうか

世紀末自体がもう20年前のことで、21世紀生まれの方はご存じないと思いますが、「ノストラダムスの大予言」とは20世紀終盤の日本で社会現象ともなったトンデモ予言でした。
ことの発端は1973年。
五島勉なる作家・ルポライターが書いた「ノストラダムスの大予言」が、公害問題やオイルショックで揺れる世相を背景に大ヒット。
すでに多くの予言を的中させているルネサンス期の占星術師「ノストラダムス」が記したという終末論に、多くの日本人が夢中になりました。
予言の文自体の抽象度が高い(占いの常套手段ではありますが…)のがミステリアスですし、なんと言っても「1999年7の月」に「恐怖の大王」がやってきて人類を滅ぼすというあたりが何ともセンセーショナルでした。

1999年、7か月、
空から恐怖の大王が来るだろう、
アンゴルモワの大王を蘇らせ、
マルスの前後に首尾よく支配するために。

まさに世紀末の放送

この「20世紀版・末法思想」ともいえる「ノストラダムスの大予言」には、多くのフォロワーの書籍やTV番組が制作され一大ムーブメントとなりました。
もちろんまっとうな大人は取り合っていなかったとは思うのですが、幼少期に「大予言ブーム」にさらされた子供たちが丁度成人する頃に世紀末を迎えたこともあり、なんとなく、うそ寒い思いをもって1999年を迎えた若者は実は多かったのではないかと思います。
で、結局「恐怖の大王」はやってこず、人類も滅亡せずに終わったわけですが、丁度その「1999年、7の月」に放送されたラジオドラマが、藤井青銅さん脚本のこの「笑う世紀末探偵」です。

「笑う20世紀」のシリーズ?

さて、この「笑う世紀末探偵」を語る上で避けて通れない作品と言えば、本作品の前年まで5年連続で放送された「笑う20世紀」シリーズです。
作品名からすると一連のシリーズと見えますが、実は「笑う20世紀」シリーズと、この「笑う世紀末探偵」は作品構成的には全くの別ものです。
「笑う20世紀」シリーズが1話15分で完結するショートショート作品集で各話の間に関連は全くないのに対して、この「笑う世紀末探偵」は世紀末探偵ゴドウを主人公とする連作短編集。
各話は独立した作品ですが、全体に緩やかなストーリー的なつながりがあり、最終話で一応の結末を迎えます。

各話タイトルと予言

さて、各話のサブタイトルと引用している「大予言」は以下のとおりです。
なお、本当に「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」に収録されているものなのか、はたまた藤井青銅さんによるパロディ予言なのかは確認しておりません。
あしからずご了解ください。

◇第1話 「あの制服を追え」
女性が人質としてとらえられて、夜に彼女の見張り人をだます。陣営のリーダーは彼女の言葉に騙され人々を守る。悲しいことを見るために。(第4章41番目)


◇第2・3話 「夜にささやく声(前編・後編)」
若いライオンが年老いたライオンを負かすだろう。野外で一騎打ちして金の籠の中の目を隠す。ふたつの傷が一つになり無残な死がやってくる。(第1章35番目)


◇第4話 「顔のない花嫁」
藁の床が一陣の風で倒され、顔という顔がマントで隠される。共和国は新しい人々で荒れ狂い、白い人も赤い人も誤った判断をするだろう。(第1章3番目)


◇第5話 「饒舌な大地」
人の群れの中に九人が置かれ、審判と忠告で彼らの運命は決められる。カッパ、シータ、ラムダによって死は追い払われるだろう。(第1章81番目)


◇第6話 「ノストラダムス現る」
大予言の言葉は口外され、制約するものの手の中に落ちる。彼の企ては国を欺く。無理強いは彼を不安にするだろう(第2章36番目)


◇第7話 「もうひとりの私」
修道院の前で双子の子を見つける、その英雄的な血で。評判は言葉と権力で高まり、人々はボスピックをたたえるだろう。(第1章95番目)


◇第8・9話 「短いお別れ(前編・後編)」
1999の7の月、空から恐怖の大王が下りてきて、アンゴルモアの大王を蘇えらせ、その前後マルスが程よく統治する。(第10章72番目)


◇最終話 「さらば愛しき終末」
すばらしいポーピリ。この上もないコロンが見つかり、土台に大切な書きものがあり、骨、巻き毛、ローマの力が証明され、艦隊はマゼリンの港を動揺させるだろう。(第9章32番目)

コメディ

基本的な構成は、

「ゴドウの事務所に依頼が持ち込まれる」

「その事件とノストラダムスの大予言とをゴドウが無理矢理結びつける」

「大予言とは関係なく事件解決」

という流れです。
基本的に大予言を茶化した内容ですし、途中に「愛と青春のサンバイマン」で有名な藤井青銅さんお得意の替え歌(今回はミュージカル調!)が入る回もあり、コメディ色は強めです。
ただ、一応、「探偵が事件を解決する」というフォーマットに収まっており、当ブログにおけるジャンルは「推理」に分類しようかな、とも思ったのですが…
やっぱり「コメディ」ですよね!

出演者紹介など

さて、出演は、主人公の世紀末探偵・ゴドウを演じたのは俳優の三上市朗さん。
本作品から22年後に放送された、同じ藤井青銅さん脚本の「ピーチ・ガイ~ハリウッドリメイク『桃太郎』」ではナレーション担当でした。
その他、助手のMissナナを演じた西村頼子さん、ハルマ刑事を演じた宮吉康夫さんなどが主な出演者です。

なお、この「笑う世紀末探偵」で「笑うシリーズ」は終了となるのですが、実は翌2000年からは「踊る21世紀」が始まることになります。
それについてはまた改めて。

【藤井青銅原作・脚本・脚色の他の作品】
青春アドベンチャーの長い歴史において、最も多くの脚本と最も多くの笑いを提供しているのが脚本家・藤井青銅さんです。こちらに藤井青銅さん関連作の一覧を作成していますので、是非、ご覧ください。


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