格付:AA

夏の魔術 原作:田中芳樹(青春アドベンチャー)

夏休み。 自由にできる3週間の時間と20万円のお金だけを持って、大学生・耕平は気ままな一人旅に出た。 そして辿り着いた地方の無人駅で、12歳の家出少女・来夢(らいむ)と出会う。 次の列車を待ちわびる耕平と来夢だが、ようやく目の前に現れた列車は、観光地でもない地方の無人駅に停車するとは到底思えない蒸気機関車だった。 耕平、来夢を始めとする合計8人の待合客は、不審に思いつつ、他に移動の手段がないためやむを得ずその列車に乗車する。 しかし、列車はいつしかどことも知れない漆黒の暗闇に突入し、不思議なトンネルを通りつつ、無停車で、しかも、あり得ないほど真っ直ぐにばく進を続ける。 また、来夢も夢にうなされたかのような奇妙な言動を始める。 理解不能な事態に恐慌に囚われる乗客達。 しかし、これは一行を待ち受ける恐怖の始まりに過ぎなかった。
格付:AA

泥の子と狭い家の物語~魔女と私の七〇日間戦争~ 作:オカモト國ヒコ(青春アドベンチャー)

スカイツリーを見上げる下町。 建物の隙間としか思えない狭い狭い路地を通らないと辿り着けない、小さな家に高校生の少女・小豆(あずき)は住んでいる。 家族は両親と小豆、そして寝たきりのおばあちゃんの4人。 ところが、ある頃から母の言動が少しずつおかしくなり始める。 しかし、この狭い家が大嫌いで両親にも不満だらけだった小豆はそのことを深くは考えない。考えたくもなかった。 ところが、母親の言動がエスカレートを始め、母親の信頼を得た謎の占い師・加々美(かがみ)が小豆の家に住み着くに至り、小豆も事態の異常さに気がつき始める。 そして、つぎつぎと狭い家に移住してくる加々美の「家族」たち。 少しずつ起こり始める異常な現象。崩壊していく小豆の家族。 失われた家族の絆を取り戻すために小豆は行動を始めるが…
格付:C

ボディ・ライフ 作:樋口ミユ他(青春アドベンチャー)

2003年から続く青春アドベンチャーの短編競作作品のシリーズである「ライフシリーズ」の1作です。 全10話がそれぞれ違う脚本家による一話完結のオリジナル短編作品で構成されています。 本作は「ボディ・ライフ」の名のとおり、全ての話に、お尻や目、お腹など体のパーツが一つずつモチーフとして設定されています。 各話の間に内容の関連性は全くありません。 例によってこのモチーフが強調されている作品とそうでもない作品があり、全体としての統一感はイマイチです。
格付:A

僕たちの戦争 原作:荻原浩(青春アドベンチャー)

2001年9月。 フリーターの尾島健太とその恋人の鴨志田ミナミは今度の夏に旅行に行く約束をした。 しかし、それは果たすのがとても困難な約束になってしまう。 サーフィン中に大波にのまれた健太は、1944年の世界へとタイムスリップしてしまったのだ。 一方、1944年9月。 アメリカとの戦いに勇躍飛び込まんとしていた予科練の飛行機乗り・石庭吾一は、来るべき日米決戦から遠ざけられてしまう。 訓練中に海に墜落した吾一は、2001年の世界へとタイムスリップしてしまったのだ。 お互いの立場が入れ替わってしまった二人の若者は、それぞれ元に時代へ戻る道を探し始めるが…
格付:B

スウィート・アンダーグラウンド 作:ウォーリー木下(青春アドベンチャー)

日の当たるこの世界から地下深く。どこかにある地底世界。 光なき地底世界で生きる地底人達は、ウサギのような大きな耳を持ち、成長すると目が見えなくなってしまう。 ジェット、アンバー、クオーツの地底人の少年3人組は、ある日、耳の小さな女性アリスと出会う。 出入りが禁止されている縦穴を上に上に登っていくと辿り着くという「光の世界」の伝説。 アリスはその世界へと行くことを目的とした反政府組織「ホワイト・ラビッツ」の最後の生き残りであるという。 地下警察に追われるアリスを守るとともに、目の見える少年のうちに「光の世界」を見ることを決心した3人組は、アリスに同行し縦穴に潜るが、やがて3人組も軍隊と地下警察から追われる身となってしまう。 「光の世界」は本当にあるのか、アリスは一体は何者なのか。 全てを知った3人組は、それでもやはり「光の世界」を目指して冒険を続ける。
格付:C

穴(HOLES) 原作:ルイス・サッカー(青春アドベンチャー)

ふとっちょ少年、スタンリー・イェルナッツ(4世)は突然逮捕され、無実の罪で砂漠の更正施設・グリーンレイクキャンプに送られてしまう。 メージャーリーガーがホームレスの施設に寄付したスパイクを盗んだというのだ。 奇妙な名前の少年達-「腋の下」「エックス線」「ジグザグ」「ゼロ」-とともに炎天下、ひたすら穴を掘らされるスタンリー。 実は、イエルナッツ家はひいひい爺さんの代から常に不運に見舞われてきたのだ。 話は「豚泥棒」と呼ばれたひいひい爺さんまで遡り、代々不幸が続くイェルナッツ家の因縁が語られていく。
格付:C

二分割幽霊綺譚 原作:新井素子(ふたりの部屋)

斎藤礼子(のりこ)21歳。 第13あかねマンションの2階に住むどこにでもいる美大生…ではない。 実は礼子は中学2年生の時に仮性半陰陽であることがわかるまでは礼朗(のりあき)という男性として生きていたという特殊な経歴の持ち主だ。 今でも肉体的には女だが精神的には男のままだ。 そして、彼女の住んでいる第13あかねマンションも普通のマンションではない。 なぜか良く人が消えるし、部屋のドアを開けたら新宿駅のプラットホームだったこともあった。 そんなある日のこと。 いつものとおり第13あかねマンション2階の自分の部屋で目が覚めた礼子は、窓のすぐ外まで土が盛り上がっているのに気がつく。 また、何か妙なことが始まったらしい…
格付:C

小惑星美術館 原作:寮美千子(青春アドベンチャー)

ユーリは天文台に勤める父を持つ12歳の少年。 母は既に他界しており、父も天体観測のためには家に帰らないこともしばしば。 でも、自分のことのようにユーリのことを心配してくれる友人もおり、あまり寂しい思いはしていなかった。 ある日のこと。 その日、ユーリは遠足に出かける予定であったが、校舎前にある通称「銀河盤」という黒曜石のオブジェに触れた途端、気を失ってしまう。 目覚めたユーリがいたのはもとの世界とよく似ていながらどこか違う「れんがの月」と呼ばれる世界だった。 「れんがの月」でも12歳の子供達は今日、遠足に行くことになっているという。 遠足で火星と木星の間にあるという「小惑星美術館」にいくことはこの世界では大切な儀式であるというのだ…
格付:B

海辺の王国 原作:ロバート・ウェストール(青春アドベンチャー)

1942年、第2次世界大戦中のイギリスの海辺の町。 ドイツ軍による空襲はひどくなる一方だ。 その夜、12歳の少年ハリーは防空壕に逃げ込んでようやく難を逃れた。 しかし、一夜明けて救出されたハリーの目の前で世界は一変していた。 家が燃えている。 両親や妹も助からなかっただろう。 ショックを受けたハリーは、同じように焼け出された犬・ベンとともに大人たちの世界を離れ、海辺に沿って放浪の旅を始める。
格付:B

スーツケース・キッド~バイバイ わたしのおうち~ 原作:ジャクリーン・ウィルソン(青春アドベンチャー)

10歳の少女アンディーはマルベリーの木のある小さな家で両親と楽しく暮らしていた。 しかしアンディの願いにも関わらず両親は離婚することになってしまい、しかも二人ともそれぞれ離婚後すぐに新しいパートナーとその子供達と暮らし始めてしまった。 父親も母親もアンディーは自分が引き取ると言って譲らないが、アンディーの希望はあくまで両親と3人で、あのマルベリーの木のある家に住むこと。 自らの希望を聞かれたアンディーが悩んだ末にだした結論は、母親が暮らす家と父親が暮らす家を1週間ごとに往復するというものだった。 こうして、ふたつの家で、悩みながらも明るく生きるアンディの新しい生活が始まった。
タイトルとURLをコピーしました