夏の魔術 原作:田中芳樹(青春アドベンチャー)
夏休み。
自由にできる3週間の時間と20万円のお金だけを持って、大学生・耕平は気ままな一人旅に出た。
そして辿り着いた地方の無人駅で、12歳の家出少女・来夢(らいむ)と出会う。
次の列車を待ちわびる耕平と来夢だが、ようやく目の前に現れた列車は、観光地でもない地方の無人駅に停車するとは到底思えない蒸気機関車だった。
耕平、来夢を始めとする合計8人の待合客は、不審に思いつつ、他に移動の手段がないためやむを得ずその列車に乗車する。
しかし、列車はいつしかどことも知れない漆黒の暗闇に突入し、不思議なトンネルを通りつつ、無停車で、しかも、あり得ないほど真っ直ぐにばく進を続ける。
また、来夢も夢にうなされたかのような奇妙な言動を始める。
理解不能な事態に恐慌に囚われる乗客達。
しかし、これは一行を待ち受ける恐怖の始まりに過ぎなかった。