ボディ・ライフ 作:樋口ミユ他(青春アドベンチャー)

格付:C
  • 作品 : ボディ・ライフ
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : C
  • 分類 : 多ジャンル(競作)
  • 初出 : 2007年10月29日~11月9日
  • 回数 : 全10回(各回15分)
  • 作  : (下表参照)
  • 演出 : 江澤俊彦
  • 主演 : 大路恵美、内田健介

2003年から続く青春アドベンチャーの短編競作作品のシリーズである「ライフシリーズ」の1作です。
全10話がそれぞれ違う脚本家による一話完結のオリジナル短編作品で構成されています。

ライフシリーズと不思議屋シリーズ

ちなみに2013年3月現在で放送済みのライフシリーズの作品は、「インテリア・ライフ」(2003年)、「アクア・ライフ」(2005年)、本作品「ボディ・ライフ」(2007年)、「ナンバー・ライフ」(2007年)及び「カラー・ライフ」(2012年)の全5作です(追記参照)。
本ブログで紹介する「ボディ・ライフ」は「カラー・ライフ」についで2作品目です。
ちなみに青春アドベンチャーでは「不思議屋料理店」などの「不思議屋シリーズ」という、脚本家が競作する作品シリーズがもう一つあり、こちらは1999年から2007年にかけて8作品が制作されています。

モチーフは体の一部

本作は「ボディ・ライフ」の名のとおり、全ての話に、お尻や目、お腹など体のパーツが一つずつモチーフとして設定されています。
各話の間に内容の関連性は全くありません。
例によってこのモチーフが強調されている作品とそうでもない作品があり、全体としての統一感はイマイチです。

各話の概要

さて、本「ボディ・ライフ」の各話の担当作家さんと、作品ジャンル及び内容についての一言は下表のとおりです。
なお、ライフシリーズは2012年の最新作「カラー・ライフ」で担当する脚本家陣が一新されているのですが、この頃は比較的常連の脚本家さんが占めていました。
本作の脚本家10人のうち7人がこの前の「アクア・ライフ」又はこの直後の「ナンバー・ライフ」のいずれか又は両方で脚本を担当されています。

◇第1話 「他人の尻」
分類:幻想(その他)
作 :樋口美友喜(※)


シェルターに逃げ込もうとして入口に尻が挟まる話


◇第2話 「目の奥、降り積もる、雪」
分類:幻想(日本)
作 :サカイヒロト


環状線で神父に捕えられてしまう話


◇第3話 「お腹の記憶」
分類:幻想(日本)
作 :久保原茂


胎児に戻った女性が、亡き母と若い父との会話を聞く


◇第4話 「手の中の黄色い鳥」
分類:日常
作 :木下くみ


カナリヤを拾った若夫婦の話


◇第5話 「頭相撲」
分類:幻想(その他)
作 :オカモト國ヒコ


頭相撲という架空のスポーツに打ち込む女性の話


◇第6話 「耳残り」
分類:日常
作 :芳崎洋子


変な「神話」に振り回されずに子育てしたいものです


◇第7話 「鼻は関係なかった」
分類:サスペンス
作 :藤江洋一


なぜ「鼻」が関係ないのだろう?


◇第8話 「お父さんの背中」
分類:幻想(その他)
作 :添谷泰一


父子家庭を見守った「父の背中」の話


◇第9話 「二人三脚・始めの一歩」
分類:日常
作 :大橋秀和


会社命令で運動会で二人三脚するのは確かに嫌だ


◇第10話 「君に赤い口紅を」
分類:幻想(日本)
作 :山本雄史


赤い口紅を巡る男女?の話

(※)現在の樋口ミユさん
何度も書いているとおり、私は青春アドベンチャーでは1話完結の短編集よりも、10話で一つの作品となる長編の方を希望しており、格付けが辛くなりがちなのはご容赦下さい。

ファンタジー要素は弱い

作品ジャンルとしては「幻想(日本)」に分類した作品が多いのですが、本格的にファンタジックな内容の作品は第2話の「目の奥、降り積もる、雪」くらいです(本ブログにおけるジャンル分けはこの記事をご参照下さい)。
その他の「幻想系」とした作品は超常的な要素はありつつも日常の哀感を綴るような「日常系」ちっくな作品です。
個人的な感想としてはちょっと不思議な要素は最初聴いたときには目を引く(耳を引く?)のですが、不思議な要素を処理し切るには15分間は少し短いと感じます。

気軽に楽しむには十分

つまり、特に不思議な要素は持ち込まず日常の一コマを切り取っただけの作品の方がこのような短編集に関しては聴きやすいのではないでしょうか。
よって本作に関して敢えてお勧めを挙げるとすれば、第4話「手の中の黄色い鳥」及び第9話「二人三脚・始めの一歩」となるのですが、残念ながら作品全般であまり強く印象に残る話はありませんでした。
ただし、不快感を感じる作品もなく、15分と短い話ばかりなので気軽に楽しむにはぴったりの作品群だと思います。

大路さんと内田さんの安定感

ライフシリーズは女性の主役を大路恵美さん、男性の主役を内田健介さんが演じることで固定されています。
内田さんといえば青春アドベンチャー有数の長編シリーズ・「おいしいコーヒーのいれ方」の主人公「勝利」役の役者さんとして青春アドベンチャーファンの間ではお馴染みの方です。
一方の大路さんは、福山雅治さん主演のTVドラマ「ひとつ屋根の下」で演じた次女・小梅の役が有名です。
何度もこのおふたりで出演されていますので、息はぴったりです。

【ライフシリーズ作品一覧】
NHK大阪局主導のオリジナル脚本の短編作品集シリーズ、ライフシリーズの作品一覧はこちらです。
是非、他の作品の記事もご覧ください。


(※)2015/5/22
本記事のアップ後に最新作「フラワー・ライフ」の放送が発表されました。

コメント

  1. コン より:

    SECRET: 0
    PASS: 54d8aef41959740d80d066f49f752614
    http://www.hamlife.jp/2014/08/20/icom-hamfair2014-talkshow/

    星野さんの情報です。

  2. Hirokazu より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コン様

    コメントありがとうございます。
    星野さん、学生としても女優さんとしても頑張っているようですね。
    天は二物を与えるなんて安易なことではなく、本人の努力のたまものなのでしょう。

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