路地裏のエイリアン 作:北野勇作(青春アドベンチャー)

格付:C
  • 作品 : 路地裏のエイリアン
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : C
  • 分類 : コメディ
  • 初出 : 1998年8月31日~9月11日
  • 回数 : 全10回(各回15分)
  • 作  : 北野勇作
  • 演出 : 角井佑好
  • 主演 : 有園芳記

「実は私、この世界の人間じゃないの」
人気ない路地裏の喫茶店で、臨時の店番をしている彼女はそう言った。
聞けば、この世界には、この喫茶店のような異星人の基地が密かに点在しているという。
何気ない日常のすぐ隣に、奇妙な世界が口を開けて待ち構えていたわけだ。
そして秘密を知ってしまった僕は、エイリアンを巡る騒動に巻き込まれて、喫茶店で、パチンコ屋で、次々と奇妙な体験をすることになる。


小説家・俳優の北野勇作さんがオリジナル脚本を書いたラジオドラマです。
青春アドベンチャーにおける北野さんの作品としては、本作品「路地裏のエイリアン」のほか、「昔、火星のあった場所」(原作・長編作品)及び「日常生活の冒険」(オリジナル・短編集)が制作されています。
この2作品は過去に紹介済みですので、本作品をもって北野さんに関連した3作品を全て紹介し終えたわけですが…

あわないとしか言いようが…

ファンの皆様、スミマセン。
私の趣味趣向からの格付けとして、すべての作品を“C”又は“C+”を付けさせて頂きました。
「昔、火星のあった場所」は日本ファンタジーノベル大賞受賞作を原作としており、ネット上でも評価の高い作品です。
また、ネットの感想という点でいえば、本作品も激賞する方(→http://www7b.biglobe.ne.jp/~kimiganozomu-sekaiuta/REVIEW/seiad01.html(外部リンク切れ))がいらっしゃる作品です。
だからつまらない作品ではないと思うのですが…
やはり、私の個人的な趣味に北野さんの作風があわないのでしょう。
ご容赦下さい。

SFコメディー?

本作品について、何があわないと言って、まずは笑いのツボがあいません。
この作品、どうもSFコメディーらしいのですが、私にとっては笑える場面はほとんどありませんでした。
随所にダジャレというか、言葉遊びが盛り込まれているのですが、軽妙だなとは思うものの笑えるほどではなく、あっさりと聞き流してしまいました。
もともと「愛と青春のサンバイマン」のように大爆笑を狙った作品ではなく、日常生活の延長の中に奇妙さが漂うことのおかしさ、といったものを狙っているのだと思います。

テンポがあわない

しかし、私には少し淡泊すぎました。
本作品では、主人公の男(シナリオライターであることが、なぜか第4回で突然明らかになる)役を有園芳記さんが、女(=エイリアン)役を佐藤康恵さんが演じています。
本作品はこの二人の掛け合いで進行する場面がとても多く、少し舞台劇的な雰囲気を感じるシナリオです。
二人(とくに女性)のボケとツッコミの掛け合いも、悪くはないのですが、そのテンポ自体を楽しむほどの作品とは感じませんでした。

坂本あきらさんは良いのだけど

その他、出演者としては、アドベンチャーロード時代の「遙かなる虎跡」(景山民夫さん原作)のダニー役が印象的な、坂本あきらさんも出演されています。
坂本さんはアドベンチャーロード時代に何作品かご出演されていた印象があるのがですが、今回、久しぶりに楽しい演技を聴かせて頂きました。
ただし残念ながら、本作品ではさほど出番はありません。

脚本家ご自身が出演

また、ちょい役ですがロボットの声役などで脚本家の北野勇作さんご自身もご出演されています。
青春アドベンチャーでは、脚本家の方ご自身が出演者として登場することが、稀に見受けられます。
例えば北村想さん(怪人二十面相・伝)、丸尾聡さん(オペレーション太陽)などですが、逆に、中江有里さんや前田悠衣さんのように、まず俳優として青春アドベンチャーに出演され、後に脚色でクレジットされた方もいらっしゃいます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました