おいしいコーヒーのいれ方Ⅲ~彼女の朝~ 原作:村山由佳(青春アドベンチャー)

格付:AA
  • 作品 : おいしいコーヒーのいれ方Ⅲ~彼女の朝~
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : AA-
  • 分類 : 恋愛
  • 初出 : 1997年12月8日~12月12日
  • 回数 : 全5回(各回15分)
  • 原作 : 村山由佳
  • 脚色 : 佐藤ひろみ
  • 音楽 : 梶本芳孝
  • 演出 : 千葉守
  • 主演 : 内田健介

ショーリとかれんが付き合うようになって初めての夏。
しかし、かれんの母親の一時帰国やショーリの陸上部の合宿などのために、ふたりはすれ違いが続きデートもままならない。
ようやく出かけることができた鴨川への日帰り旅行。
しかし、帰りの電車が不通になってしまい、ふたりは旅行先で一泊することを決める。
果たして二人に運命の時は訪れるのか。



村山由佳さんの「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズの3作目を原作とするラジオドラマです。
第1作「キスまでの距離」と第2作「僕らの夏」は1997年の1月に連続して放送されましたが、この第3作目は少し間を開けて、同じ年の12月に放送されました。

原作に追いついた

ただし内容としては、第1作がやや独立しているのに対し、第2作と本作品は完全につながっており、第2作の時間軸の直後から本作品はスタートします。
ちなみに、この放送タイミングは原作が発刊されて僅か2か月後でもあります。
今までは原作が先にあったうえで制作されていたわけですが、ここで一旦、ラジオドラマが原作に追い付いてしまったことになります。

まだまだじれったい

内容は…まあ概ねいつものとおりです。
前作までの時点で、かれんの出生の秘密がわかったり、教師と生徒という関係ではなくなったりしており、ふたりの関係をオープンにすることができなくもない状況になっています。
しかし、かれんの方が5歳年上であること、そして何より周囲の人間がふたりを基本的に“いとこ”同士として扱っていることから、ふたりは自分達の関係を周囲に秘密にしています。
ふたりの関係を知っているのは、喫茶店・風見鶏のマスターとかれんの弟の丈だけ。
そのことが誤解とすれ違いを生み、ふたりのじれったい関係はまだまだ続いていきます。

電話するのも勇気が必要だった

本作品で、いいなあと思ったのが、ふたりが電話で話すシーン。
合宿所で夜、ショーリがこっそり起き出して公衆電話からかれんに電話をします。
それをかれんが受けるのが自宅の電話の子機。
ショーリから電話が掛かってくるのを期待して、予め子機を自分の部屋に、持ちこんで待っているわけです。
こういう、電話がパブリックな道具だった時代のドキドキ感は、今の時代ではなかなか味わえないですよね。

嫌な汗が出る…

なにせ携帯のない時代は、女の子にちょっと連絡するためだけに、彼女の自宅に電話せざるを得ない訳ですよ。
で、電話すると「お父さん」が出たりするわけです。
それでその「お父さん」に「お嬢さん」への取り次ぎを頼まなければ行けないわけですよ。
…今、思うと当時の男の子は頑張っていたなあ(昔は男子から連絡するのが当たり前でもありましたしね)。
今となってみると「お父さん」の方もドキドキしていたんだろうなあとは想像できるのですが。
もちろん携帯のある時代には、ある時代なりの苦労があるのだとは思いますけど。

意味深なタイトル

さて、ふたりの関係はどうなるのか。
「彼女の朝」という意味深なタイトルの意味は一体。
そして、物語の最後にかかってくる、とんでもない内容の電話とは。
ストーリーは第4作「雪の降る音」に続きます。

ご期待どおり…かな?

最後に一言。
冒頭に「内容はいつものとおり」と書きましたが、今までより突っ込んだ内容の部分もあります。
そう、本作品には、ちょっとだけですが、青春アドベンチャーには珍しく、大人の方がお待ちかねのシーンがあったりします。
作品の格付けが前2作より上なのはそのためかって?
そのとおりですよ!
お楽しみに。

プライベートの長谷川さんは?

さて、出演は主役のふたり(ショーリとかれん)を、今までと同様に、内田健介さんと長谷川真弓さんが演じます。
長谷川さんは本作品の約半年後に放送された「Meg」(1998年)でもヒロインを演じています。
「Meg」では別段おっとりしたしゃべり方はしていないので、かれんのしゃべり方はやはり地ではなく演技のようです(この辺は「おいしいコーヒーのいれ方 メモリーズ」のトークコーナーで彼ら自身が語っています)。

おいコーを牽引した千葉守さん

スタッフは脚本・佐藤ひろみさん、演出・千葉守さんのコンビ。
実はこのシリーズの脚本はこの後も一貫して佐藤ひろみさんが務められるのですが、演出家は少しずつ変わっていきます。
ここまでの3作と5作目の「緑の午後」が千葉さん演出の作品で、青春アドベンチャー版「おいしいコーヒーのいれ方」の前期のほとんどを担当されています。
本ブログで既に紹介した作品の中から千葉さんが担当した作品を挙げると、脚本も本作品と同様に佐藤ひろみさんが担当している「天使のリール」や、SFの古典を原作に忠実に再現した「アルジャーノンに花束を」があります。

【おいしいコーヒーのいれ方シリーズ】

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