2023-06

サウンド夢工房

1991年のサウンド夢工房新作一覧

【1991年にサウンド夢工房で放送された新作の一覧】1990年4月から1992年3月までの2年間放送された「サウンド夢工房」。そのうち1991年に放送された新作一覧です。1991年の新作一覧1990年は年間を通じて番組名が「サウンド夢工房」...
格付:A

元祖江戸川乱歩の奇妙な物語 原作:江戸川乱歩(サウンド夢工房)

江戸川乱歩といえば、江戸川乱歩賞にも名を残す、わが国推理小説界の始祖のひとりとして有名ですが、同時に不思議な世界を早くから題材にした作家でもあります。本作品「元祖江戸川乱歩の奇妙な物語」は江戸川乱歩の怪奇、幻想方面の名作4篇を、それぞれ2回又は3回連続(30分又は45分)でオーディオドラマ化した作品で、NHK-FMのラジオドラマ(本記事では昔の番組なのであえてオーディオドラマではなくラジオドラマとします)番組「サウンド夢工房」で放送されました。
格付:B

ラングドックの薔薇 作:並木陽(青春アドベンチャー)

1237年、フランス王との戦いが終焉し一時の平和を享受している南フランス・ラングドック。しかし平穏は表面的なものに過ぎない。フランス王に屈服した南フランス諸侯も、異端として迫害される「良き人々」(=カタリ派)の民衆も未だ苦しみの最中にあった。主を持たない若き自由騎士ペイレも領地を奪われた没落貴族の子弟である。一見、無責任な放蕩生活を続けるペイレだが、彼にも自らの心の内を苛む、ある思いがあった。
格付:A

薔薇のある家 作:オカモト國ヒコ(FMシアター)

足のケガ以降、仕事をしていない往年の大女優に舞い込んだ依頼は知り合いの女優の代役。代役ということで一度は断ったが、じっくりと考えた末に受けることを決め、付き人の中年女性に伝えたところ、猛反対を受ける。代役なんて受けるべきではない、復帰ならしっかりした作品でやりましょう、という付き人に対し、役者でいられる時間は残り少ないと強硬に出演を主張する女優。そして、女優は付き人に言い放つ、「あなたは私をずっと恨んでいる。だから復帰させたくないのでしょう」。やがてふたりの会話は、ふたりの関係、ふたりの過去を明らかにしていく。
格付:A

ヘルプマン -俺たちの介護物語- 原作:くさか里樹(FMシアター)

新宿・歌舞伎町のホストと言っても百太郎(ももたろう)は万年ヘルプだ。元同級生の仁(じん)は店のナンバーワンになったのに。しかしある日、百太郎はその仁が特別養護老人ホームで掛け持ちでパートをしていることを知る。介護?一体、仁はどういうつもりなんだ?百太郎はさっぱり理解できない。しかしこれは恩田百太郎がホストのヘルプから介護のヘルプマンへと生まれ変わるキッカケだったのだ。
格付:B

ちはやふる奥の細道’89 原作:W.C.フラナガン 翻訳:小林信彦(FMシアター)

日米が貿易摩擦で揺れる1989年に颯爽と現れた日本研究家若手ナンバーワンのアメリカ人、W.C.フラナガン。「小津安二郎作品に見られる芭蕉的俳味(ハイミー)」、「素晴らしい日本野球」、「素晴らしい日本文化」などで知られるこの新進気鋭の研究者が今回挑むテーマはずばり松尾芭蕉の「おくのほそ道」。彼によればおくのほそ道における芭蕉の旅には知られざる目的があったのだという。それは「たったひとりの反乱」。
格付:A

礼文バージンロード 作:桜田ゆう菜(FMシアター)

礼文島で昆布漁師をする道夫のもとに、別れた妻と同居している娘の夏来(なつき)が訪ねてきた。結婚が決まったので、結婚式で一緒にバージンロードを歩いて欲しいという。お父さん結婚式来てくれるでしょ、という夏来に道夫は即答できない。実は夏生は妻が不倫の末に別の男との間に設けた子供なのだ。しかも今、夏来と暮らしている彼女の義理の父ことが、妻の不倫相手だ。しかし、元妻から夏来に出生の秘密を明かすことを止められている道夫は出席できない理由を説明することができない。次第に険悪になる夏来と道夫だが…
格付:AA

玉麒麟 羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)

「あーあ、また深雪さまにしかられてしまう」頭取の愛妻の能面のような顔を思い浮かべ鳥越新之助は苦笑した。しかしつぶやくや否や、新之助の心中に浮かんだ深雪の顔は笑顔に変わった。「新之助さんがそんなことをするはずがないですよ」そう、組のみなは決して私のことを疑わないだろう。お頭も、先生も、武蔵さんも、寅次郎さんも、彦弥さんも、みな力になってくれるだろう。それでも…今は逃げなければならない。小さな命と真実を守るために。江戸の全てを敵にまわしたとしても。
作品紹介の補足

「玉麒麟」応援企画!呼び名で覚える、ぼろ鳶組世界の名火消たち

麒麟といえば…「羽州ぼろ鳶組」シリーズの第6弾として「玉麒麟 羽州ぼろ鳶組」が青春アドベンチャーで放送されています。シリーズのファンであればこのタイトルを聴いただけで今回の主役がぼろ鳶組のNo.2鳥越新之助であることは想像がつくと思います。...
格付:AAA

山猫の夏 原作:船戸与一(アドベンチャーロード)

山猫がやって来たあの夜のことだけは忘れはすまい。1982年11月19日、おれの働くレストラン「蜘蛛の巣」の奥のバー。完璧なブラジル語を話す、その野獣のような日本人はいきなり金を渡し言い放ったのだ。「今から俺はお前を雇う。」なんで俺なんだ?「俺にはブラジル人のわからねえ言葉を使える奴が必要なんだ。それも若くて希望のねえやつがな。」山猫のような男を見るのは初めてだったし、あんな人物が存在することさえ、俺には信じられなかったのだ。
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