幻想(日本/シリアス)

格付:B

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ 原作:滝本竜彦(青春アドベンチャー)

彼女に出会ったのは、ある冬の夜。 友人との賭に負けて、一人で「特上霜降り肉」を買いに行かされた帰りのことだ。 彼女は、小雪の舞う林の中の獣道、ケヤキの根元で、名門中央高校の制服を着て体育座りをしていた。 シュールな光景だ。 しかし、その後に展開されたのは、シュールというより過激な光景。 チェーンソーを持って襲いかかる怪人と、木刀を振りかざしセーラー服の裾を翻して怪人に立ち向かう美少女。 沈んだ毎日を過ごす高校生・陽介の日常が急展開を始める。
格付:B

オーデュボンの祈り 原作:伊坂幸太郎(青春アドベンチャー)

人生におけるすべてのことから逃げ続けていた男・伊藤。 やけになって強盗に入ったコンビニからも逃げ出して、旧知のサイコパス警官・城山に追われていたはずの彼は、ふと気が付くと江戸時代から鎖国を続けているという「荻島」(おぎしま)という不思議な島にいることに気がついた。 荻島には、犬そっくりの警官、熊そっくりの船頭、妻が死んで以来本当のことをしゃべらなくなった画家、死者の言葉を伝えることができる少女、秩序を守るために殺人を続ける男、そして、未来を知ることができる賢い案山子(かかし)といった奇妙な住民たちが暮らしていた。 案山子の全面的な指導のもと奇妙な秩序を保っていた荻島だが、伊藤の来訪を契機にその秩序が崩れ始める。 そして、伊藤を変質的につけまわす城山もまた、荻島に近づきつつあった…
格付:C

オーバー・ザ・ハポン ~空の彼方(かなた)へ 作:伊佐治弥生(青春アドベンチャー)

トキオは“真昼の国”に住む勇敢で心の正しい少年。 ある日、両親から目覚ましい経済発展を遂げた祖父の出身国“日いずる国”ハポンへ行くことを勧められる。 ハポンは誰もがお金持ちになれる夢のような国だという。 しかし、トキオはハポンに着くなりスズキという男にだまされてしまう。 これがトキオのハポンをさまよう日々の始まりだった。
格付:B

天使猫のいる部屋 原作:薄井ゆうじ(サウンド夢工房)

グラフィック・デザイナーの野見山は、ある日、奇妙な依頼を受ける。 CGで猫の手のグラフィックをつくって欲しいというのだ。 依頼主はかつて有名なゲームを連続して世に送り出し、天才と謳われたプログラマー“サム”。 野見山の作品の出来映えに満足したサムは、野見山をこの事業の共同制作者に指名する。 この事業、そう、サムはコンピューター上で黒猫に命を与え、世の中にペットとして提供しようというのだ。 ただのゲームではない、提供するのは命を持った本物と同じペットだ、サムはそう主張するのだが…
格付:A

あたしの嫌いな私の声 原作:成井豊(青春アドベンチャー)

あたし、君原友里(ユーリ)は声優学校の1年生。 女らしくない自分の声が嫌いだったけど、この声を活かせる職業である声優を見つけてからは声の仕事で一人前になりたくて頑張っているところ。 ある日、代役で舞い込んできた「メアリーポピンズ」の出演者の顔合わせに出向いたときに、あたしとそっくりの声を持つ音楽家の波多野さんに出会ったの。 波多野さんは冷たそうだけどとても綺麗な男性。 だけど、本当はそれだけではないの。 波多野さんが話すと、あたしには表向きの波多野さんの声と同時に、感情むき出しのもう一つの声が聞こえてくる。 でも、そのもう一つの声はあたしにしか聞こえないみたい。 冷たく憎悪の込められた、あたしそっくりの声を聴いていると、とても不安になる。 波多野さんって一体、何者なんだろう。
格付:C

幻坂 原作:有栖川有栖(青春アドベンチャー)

ミステリー作家として有名な有栖川有栖さんの小説を原作とするラジオドラマです。 ただし、本作品「幻坂」は推理小説ではなく(第3話のみ少しだけその要素がある)、一種のファンタジー小説です。 青春アドベンチャーは「人気作家の有名作」といった、直球ど真ん中の作品をあまり扱わない(ひょっとして予算の問題から扱えない?)傾向があり、本作品も青春アドベンチャーらしい「ずらし具合」のチョイスだなと感じます。
格付:B

エンジェル 原作:石田衣良(青春アドベンチャー)

掛井は、ベンチャー企業に立ち上がりのための資金を投資する個人投資家、いわゆる“エンジェル”である。 ある夏の夜に、掛井はふと気がつくと、自分が深い山中にいることに気がつく。 しかも、目の前で二人のヤクザが埋めている死体は、自分の死体だ。 掛井は、自分が“エンジェル”ならぬ、“ゴースト”(=幽霊)になってしまったことを知り驚愕する。 しかし、不思議なことはそれだけではない。 死ぬ前2年間の記憶がないのだ。 掛井は、自分の身に何が行ったのかを知るために、自らの身辺を探り始める。
格付:AAA

木かげの家の小人たち 原作:いぬいとみこ(夏休みヤング・シアター)

太平洋戦争中の昭和19年9月。 少女・森山ゆりは、小さな秘密とともにおばの家に疎開をしてきた。 森山家に住んでいた、イギリス生まれの「小さい人たち」を密かに疎開先に連れてきていたのだ。 小人の一家は毎日、コップ一杯のミルクがあれば生きていくことができる。 それを用意するのが家族内でのゆりの大事な役割。 それは疎開先でも引き継がれていたのだが、幼いゆりが孤独な疎開先でミルクを用意するのは容易なことではない。 母に預けられた粉ミルクはすぐになくなってしまい、ゆりはミルクの調達に困ってしまうのだが…
格付:B

星の感触 原作:薄井ゆうじ(青春アドベンチャー)

テープ起こしを職業とする良治は、自分が録音テープから起こした台本を届けに行った際に、身長2m67㎝の俳優、猫田研一と出会う。 それまでの人生も性格も職業もそして身長も、すべてが違う二人だが、不思議と気が合い、良治は研一の求めに応じて、研一の人生を記録する係となることを決める。 その後、研一は定期的に不思議な長期睡眠に入ることを繰り返し、その度に一段と身長が伸び続ける。 世間からどんどん逸脱した存在になっていく研一。 彼の生き方は、良治をはじめ、研一の恋人・妹といった周囲の人々の生き方を大きく変えていくことになる。
格付:B

ミヨリの森 原作:小田ひで次(青春アドベンチャー)

ミヨリは小学6年生の女の子。 母親が愛人を作って家を出てしまったために、山奥にある父親の実家に引っ越すこととなった。 住み慣れた東京から引きはがされ、母親のみならず父親からも捨てられたと感じるミヨリ。 しかし、祖母に勧められて新しい家の近くの森へと行ったミヨリは、自分が森の精霊達の声を聞き、姿を見ることができることに気がつく。 そして、森で精霊達と過ごし、ミヨリを暖かく向かい入れてくれた人たちと交流するなかで、次第にミヨリの心も解きほぐされていく。 やがて祖母はミヨリを自分の後継者と認め、祖母の森はミヨリの森へとなっていく…
タイトルとURLをコピーしました