歴史時代(日本)

格付:AA

武揚伝 原作:佐々木譲(青春アドベンチャー)

榎本釜次郎武揚(ぶよう/たけあき)がオランダ留学から戻ったのは1867年(慶応3年)。 少禄とはいえ武士の子である武揚がエンジニアを目指したのは、この国難の時代、日本には100の議論を重ねるより100人の技師が必要だと思ったからだ。 しかし、幕府発注の最新鋭艦・開陽丸(かいようまる)を操船して帰国した武揚を待っていたのは、予想を超えて急転していく時代の流れだった。 最新鋭の軍艦という確固たる武力を掌握する武揚。 ゆえに、時代は彼を徳川家に忠実な一技師であることを許さない。 阿波沖海戦、江戸脱走、奥羽越列藩同盟への参加、そして函館戦争。 流転の幕臣が遂にたどり着いたのは、衆議で国のあり方を決める「共和国」というひとつの夢であった。
格付:AAA

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 原作:今村翔吾(青春アドベンチャー)

藩が用意した支度金はわずか200両。 火消組は維持するだけで年間1000両はかかる。 しかも、実際に消火作業を行う鳶(とび)は定員を遙かに割り、補佐役は経験皆無の若造のみ。 火消に欠くことのできない七つ道具すら満足に揃っていない。 そんな新庄藩・火消組をわずか200両で再建せよと? 「火喰鳥」と呼ばれ、江戸一番の火消と持て囃されたのは昔のこと。 今の俺にそれができるだろうか。 いや、もう一度、向き合うと決めたのだ。 だからこそ、家老の前でこう宣言する。 「火消として必ずや名を上げて見せましょう。2年、いえ1年と半で結構。ただし…」 条件はただひとつ。 「拙者のやりように一切の口出し無用に願います。」
格付:A

天下城 原作:佐々木譲(青春アドベンチャー)

落城の光景が忘れられない。 もし城さえ落ちなければ、侵略者の武田に囚われて、奴隷のような毎日を送るようなこともなかったはずだ。 だから、虜囚の立場からようやく抜け出した私、戸波市郎太(となみ・いちろうた)がやりたいことと言ったら、城を作ることしかなかった。 それも決して落ちない「不落の城」をだ。 石積み職人になったのもそのためだ。 そして、目の前の傲岸な男はそれをやらせてくれるという。 「天下人となる意思を示す城」、すなわち「天下城」。 それは決して落ちない「不落の城」でなくてはならない、その男、織田信長はそういったのだ。
格付:AA

東の国よ! 作:福田義之(FMシアター)

1929年、日本の女性研究者は、イギリスの片田舎でようやくアーノルド・モロウを探し当てた。 アーノルド・モロウ。 文久2年に通訳として日本に来て以来、類まれな語学力と未知の世界に対する強い好奇心、そしてあくなき情熱で、明治維新の時代を日本人とともに駆け抜けた男。 彼の残した回顧録「いちヨーロッパ人の見た明治日本の変革」は、明治維新前後の日本を知るための第一級の資料とされている。 しかし、彼の回顧録には、ある重大な欠落がある。 鳥羽伏見の戦い前後の記録が混乱し、間違いも散見されるのだ。 これはモロウが意識的に行ったことではないか。 記録に残せない、あるいは残したくない、何かがあったのではないか。 すっかり年老いて反応も薄くなっているモロウの前で、研究者は自らが知る当時の時代背景を語り始める。 彼の証言を得るために。
格付:A

あおなり道場始末 原作:葉室麟(青春アドベンチャー)

ついに米櫃の米が尽きてしまった。 それはそうだ、最後の門人も先日出て行ってしまったのだから。 このままでは父上の一周忌もできない。 それなのに道場主の兄上は「困ったなあ」と繰り返すばかり。 世間の人たちは、失礼にも兄上を「青瓢箪」と「うらなり」を掛けて「あおなり」などと呼ぶが、これでは評判どおりだ… 姉上は姉上で「こうなったら道場破りをするしかない」などと、脳筋ならではの暴言を吐く始末。 これでは姉上が「鬼姫」などと呼ばれるのも仕方がないではないか。 しかし…道場破り? 意外といいかもしれない。 兄上が得意なものといえば剣術だけなのだから。 こうなったら、この勘六、神童の誉れ高く「天神小僧」の異名をとる末弟様が軍師役を務めて、何とか道場破りを成功させるしかない。 それに道場破りを続ければ、兄上が言う父上の死の謎に迫れるかもしれないし。
格付:B

きりしたん算用記 原作:遠藤寛子(青春アドベンチャー)

大坂冬の陣から3年。 京の都を、汚い身なりの女の子が歩いていた。 彼女の名は小菊(こぎく)。 年齢は10ばかりだが、大坂の陣で両親を亡くしていた小菊は、奉公していた商家でも盗みの疑いをかけられ戻るところがない。 それなのに、また道端で泥棒との言いがかりをつけられてしまった。 そんな小菊の身を案じる人間がふたりだけいた。 「だいうす町」に住む美しいきりしたんの女性ルチア。 そして、京でも豪商・角倉家の一族で、和算を学ぶ吉田与七(よしち)。 小菊とルチア、そして与七が出会うとにより、運命の歯車は回り始める。
ゆるゆるつながり

NHK大河ドラマの主演つながり

【特集:青アド・ポーカー19】NHK大河ドラマ主演つながり このブログで紹介したラジオドラマの緩やかなつながりを紹介するこのシリーズ。 以前には、「NHK朝の連続テレビ小説」に主演している女優さんが主演している作品をまとめて紹介しました。 ...
格付:B

ドラマ古事記~愛憎篇 作:市川森一(特集オーディオドラマ)

勅命を受け、語り部の稗田阿礼(ひえだ・の・あれ)の語る古事を木簡に書き留め続ける太安万侶(おお・の・やすまろ)。 それは勅命を受けたかけがえのない仕事であると同時に、太安万侶にとっては極上のエンターテイメントでもあった。 阿礼の語る物語はいよいよ仁徳天皇の御代に入り、偉大でありながら人間臭くもある天皇(スメラミコト)たちの愛憎劇が演じられる。 それに一喜一憂する安万侶だが、国家の形を作るための堂々たる国史を望む右大臣・藤原不比等との意識のずれは広がるばかりだった。 権力者・不比等に疎まれてしまった安万侶と古事記の運命や如何に。
格付:C

ドラマ古事記~まほろば篇~ 作:市川森一(特集オーディオドラマ)

太安万侶(おお・の・やすまろ)と稗田阿礼(ひえだ・の・あれ)による国史の編纂は、神代の部分を終了し、いよいよ初代天皇の時代へと移っていく。 伝えられてきたまま、聴いたままを古事記としてまとめようとする二人と、国史を天皇の権威づけに利用せんとする右大臣・藤原不比等(ふじわら・の・ふひと)との溝は徐々に深まっていくが、ふたりはそれをものともせずに古事記の編纂を続ける。 阿礼とその一座の手により、安万侶の前に、古代日本の英雄たちと、まほろばの様々なことどもが姿を見せる…
格付:C

ドラマ古事記~神代篇~ 作:市川森一(特集オーディオドラマ/青春アドベンチャー)

平城京に遷都したばかりの大和朝廷では、時の権力者、右大臣・藤原不比等(ふじわら・の・ふひと)が新しい国造りの方策を練っていた。 不比等の考える新しい国は、漢文で国史を編纂し、大国・唐からも歴史ある律令国家として認められる国でなければならない。 そのために不比等は、国一番の碩学で、漢文の大家である太安万侶(おお・の・やすまろ)と、一度聞いたことは決して忘れないという驚異の記憶力を持つ語り部・稗田阿礼(ひえだ・の・あれ)に国史の編纂を命じる。 阿礼は、天武天皇の御代に国史の暗記を命じられた人物であるが、実は安万侶とも浅からぬ因縁がある人物であった。
タイトルとURLをコピーしました