ニューネッシー殺人事件 原作:嵯峨島昭(アドベンチャーロード)
1977年4月、日本の漁船がニュージーランド沖合で引き揚げた謎の生物の死体は「ニューネッシー」と呼ばれた。
その姿が太古に滅んだ首長竜あるいはその子孫と噂されるネス湖の怪獣に酷似していたからだ。
しかし、時ならぬニューネッシーブームは数日で収束。
ニューネッシーはウバザメの死体が腐乱したものとされてしまった。
わずか数日で、だ。
「わが社の総力を挙げて世紀のスクープに体当たりだ!」と息巻いていた出版社もすぐに別の事件を追い出した。
日本のマスコミのムード一辺倒の報道姿勢はけしからん。
ひとりだけでもニューネッシーを追い続けてやると息巻いたルポライターの本間だが、彼の前に予想もしなかった出来事が次々と起こり始めた。