イギリス近代の歴史を青春アドベンチャーでたどる。

ゆるゆるつながり

【特集:青アド・ポーカー39】イギリスの黄金時代を描いた作品群を時系列で並べてみました。

以前、ブルボン朝から復古王政までの近世フランス(概ね17世紀から19世紀初頭)を舞台にしたNHK-FMのオーディオドラマ作品を時系列で整理しましたが、今回はその後の時代を描いた作品を整理します。

舞台はイギリスへ

今回の軸はイギリスです。
フランス革命やナポレオン戦争、英蘭戦争、そして産業革命を経て、ヨーロッパそして世界史の主導権は大陸からイギリスへと移っていきます。
太陽の沈まない国(世界中に植民地があるため領土のどこかが常に日中)と呼ばれた大英帝国が絶頂期を迎えるのがヴィクトリア朝です(いわゆる「パクス・ブリタニカ」)。
ここではそのヴィクトリア朝から第1次世界大戦が起こったジョージ5世の時代までの作品を紹介します。
この後、世界史の主導権はアメリカへと移っていくことになります。

時代 イギリスが舞台の作品名 他の欧州諸国が舞台の作品
ヴィクトリア朝
1589~1792
初期
1837~1850
クリスマス・キャロル 1848
中期
1850~1870
月蝕島の魔物
髑髏城の花嫁
水晶宮の死神
黒十字の魔女
嘘の木(*1)
アドリア海の復讐
逆光のシチリア(予定)
後期
1870~1901
スペース・マシン
吸血鬼ドラキュラ
カルパチア綺想曲
黒い瞳のボヘミアン
ゼンダ城の虜
ヘンツォ伯爵
エドワード7世
1901~1910
白銀騎士団 シルバー・ナイツ
らせん階段
ジョージ5世
1910~1936
ロスト・ワールド
ペテルブルグから来た男
レディトラベラー1920
クリスマスの幽霊
失われた地平線(*2)

(*1)オーディオドラマ内では言及がありませんが原作で「(作中14歳の主人公)フェイスが五歳の時に、進化にまつわる『種の起源』という書物が世に出され」という表現があるためここに入れました。
(*2)舞台が欧州外ですがイギリス人が登場するので記載しました。

ちょっと補足

これらの時代は科学文明と植民地主義が光と影のように併存した時代です。
作品内容もSF的なもののほか、辺境世界を舞台とした冒険ものや小昏いホラー作品が多いことが特徴です。
また、貧富の格差や身分制度といった社会問題を背景とした作品も多いです。
ちなみに雰囲気が似ている「クリスマス・キャロル」と「クリスマスの幽霊」との間に100年近い時代の差があることは意外でした。

日本に視点を据えると…

日本史と比較すると、ヴィクリア朝中期が明治維新、後期が日清戦争、エドワード7世治世下で日英同盟が締結されています。
ジョージ5世の時代は、第一次世界大戦や世界恐慌の時代ですので、日本でいえば大正デモクラシーから昭和へと移り変わっていく頃になります。

現代へと続く

昭和と聞くと急に現代と地続き感が出てきますが、イギリス史を見てもこのジョージ5世の次、わずか在位325日で駆け落ちしちゃったエドワード8世を経て王位についたジョージ6世が、先ごろ(2022年9月8日)崩御したエリザベス2世の父ですので、急に現実感が増しますね。
ちなみにこの記事は「白銀騎士団 シルバー・ナイツ」の放送に合わせて考えた記事ですが、エリザベス2世の崩御とタイミングあったのは多分偶然です。
なお、この次の時代のヨーロッパを舞台とした作品に関しては、別途ドイツを軸に近現代の作品を一覧にした記事を作成しています。


■歴史の視点でみるオーディオドラマ
あの作品はこの作品と同じ時代、この作品に登場したあの人物はこちらの作品にも登場している!
時代背景を知れば作品はもっと楽しめる。
日本史・世界史の観点から作品をオーディオドラマを分類してみました。


■シリーズ「青アドポーカー」
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