谷川俊太郎の詩と旅する ことのはワンダーランド 作:樋口ミユ(青春アドベンチャー)
世界は言葉でできている。
少年ハル(葉琉)は昔から言葉を「見る」ことができた。
見るだけでなく、つまんで並べることもできる。言葉はハルの遊び道具。
あの頃、全ての言葉は輝いていた。
しかし中学校に上がったばかりの今、言葉はハルを追いつめるものでしかない。
毒々しい色の言葉の数々。吐きそう、吐きそう、吐きそう…。夜も眠ることができない。
しかし、ある夜、丘の上に立つ洋館の明かりを見たハルは安らかな気持ちを得る。
あの明かりは何だろう?
友人たちの肝試しに付き合い洋館を訪れるハルだが、そこで古いトランクを開けると言葉の洪水に飲み込まれることになるのだった。