1000記事をアップしての雑感。ラジオドラマから別のものへと変わっていく時期ではないでしょうか。

ご挨拶

皆さんこんにちは。

この記事は当ブログの1000番目の記事です。
2012年9月にブログをスタートし、NHK-FM青春アドベンチャーを中心とするラジオドラマを紹介して約10年。
偶然ではありますが、青春アドベンチャー開始30周年を記念するアンケート企画の最中でもあり(←是非ご参加ください)、色々と節目の年です。
もともとラジオドラマをもっと知って欲しいということで始めたブログですが、最近の考えを書かせてください。

再放送の意義

先日、Twitterで、ある方と青春アドベンチャーの再放送についてやり取りをしていている中で感じたことです。
ご存知の方も多いと思いますが、青春アドベンチャーには1996年4月から2006年3月までの期間、夕方に再放送の枠がありました。
今でもアンケートをするたびにこの再放送枠の復活を望む声が寄せられます。
あくまで個人的な見解ですが、青春アドベンチャーにおいて再放送は以下の3つの意味があると考えています。

  1. 聞き逃し対応
  2. リスナー層の拡大
  3. アーカイブ放送

1.聞き逃し対応

過去にあった夕方の再放送枠は夜の本放送を後追いで再放送するものでした。
この放送形態からすると上記のうち1.を想定していたものと思います。
現在では、らじるらじるの聞き逃し配信がその役割を引き継いでいます。
むしろ1週間以内ならいつでも聴けるという面で夕方の再放送以上に利便性が高く、この目的での再放送はほとんど必要ない状況になっています(もちろんすべての人がインターネット環境を有しているわけではないので完ぺきではありませんが)。

2.リスナー層の拡大

また、2.の意味での再放送の意義も馬鹿にできないと思います。
休日に放送される「今日は一日○○三昧」の直後に青春アドベンチャーが放送されると、いつも「たまたま青春アドベンチャーを聞いた」というツイートを見かけます。
他番組を聞いているリスナーを青春アドベンチャーの新規リスナーとして誘因するためには、聴取者の多い時間帯での再放送は有効です。
そういえば、はるか昔ですが、私自身もラジオドラマを聴き始めたのは何となくラジオを聴いていて偶然見つけたからでした。
リスナー側が特定の番組を意識して聴きに行く聞き逃し配信では、こういった偶然の出会いは発生しづらいです。
ただこの目的を果たすためには多くの人がラジオを聴いているかなり良い時間帯でないと意味がないことになります。
みんな寝ている深夜の枠では偶然の出会いも起こりづらいですから。
その意味で夕方の再放送は完璧な時間帯でした。

3.アーカイブ放送

また、3.に関しては、今実施している「青春アドベンチャー30周年・全作品アンケート」の回答の中でも「過去作だけ放送する枠を作って欲しい」という意見もありました。
このためであれば深夜枠でもOKです。
ただ、アーカイブの公開を目的とするならば、むしろサブスクで全作品を配信する体制を作って頂く方がリスナーにとって有意義だと考えます。
このブログで私が配信体制の整備を度々主張しているのはその趣旨からです。
でも深夜でもよいのでアーカイブ放送枠があると嬉しいのも確かではあります。

ラジオだけどラジオで聴いていない?

ところでここで思い出したのが2020年アンケートで聴いたリスナーの皆様の視聴方法です。
ごく限られた回答数ではありますが、多くの方が青春アドベンチャーを録音、らじるらじる、聞き逃し配信などで聴いていることがわかります。
すなわち放送時間をじっと待って、電波で送られて来るドラマ放送を生で聴く、というのはもはや例外的な聴取スタイルになっている可能性があります。
極論するとラジオドラマは今やラジオ放送では聴かれていない。
もはや「ラジオドラマ」という言葉自体が適当ではない気がしてきました。

ラジオドラマ?オーディオドラマ?

実はすでにNHKの公式ホームページ自体が「ラジオドラマ」という言葉を使っていません。
「オーディオドラマ」です。
この用語の変遷に意図があるのかないのかよくわかりませんが、もはや制作しているのは「ラジオドラマ」ではなく「オーディオドラマ」なのです。
これを冒頭の再放送と絡めて考えますと、そもそも「ラジオ放送たる本放送がメインの公開媒体で、それを補完するのが同じラジオ放送である再放送である」という意識自体を変えるべき時期に来ているのではないでしょうか。

ラジオは告知媒体と割り切る

つまりドラマはラジオ放送とは切り離したコンテンツとして制作する。
視聴者に聞いて頂くメインの方法はむしろ配信と割り切る。
ラジオ放送はその告知媒体と考えるという逆転の発想です。

例えば「鬼滅の刃」

すでにアニメなどはDVDやBlu-Ray(いわゆる円盤)、あるいは配信で収益を上げるという発想に切り替えています。
最近では「鬼滅の刃」のヒットが一つのヒントとなります。
「鬼滅の刃」はTVアニメとしてはTOKYO MXという独立局放送でスタートしながら、多数のプラットホームから配信することによりリアルタイムで聴き逃した層を巻き込みながらムーブメントを作っていきました。
そのうえで、TVでの一挙放送や再放送、劇場版・続編の制作へと繋げています。
ほとんど見境のないほど積極的なコラボ企画も露出を増やすという意味では印象的でした。
つまりTV(青春アドベンチャーにおけるラジオ)は最初の広告媒体にすぎないと考え、配信をメインに据える体制を作るべきです。

狙いは低コスト・ロングテール

残念ながら青春アドベンチャーが「鬼滅の刃」のようなムーブメントになることはないでしょう。
しかし、音声だけの配信ならやり方を考えれば、映像製品より十分低コストで制作、配信ができるはずです(乱暴ですがYouTubeで配信しても良いと思います)。
ロングテール商品としての見込みはあるのではないでしょうか。

もちろん困難だとは思います

ラジオ局がラジオ番組ではなく配信コンテンツをつくる、というのはすぐには受け入れがたいかもしれません。
また仮に配信で聴いてもらうことを前提にするのであればいわゆる「倍速視聴」や「10秒飛ばし」に対応した作品作りを意識しないといけないのも頭の痛いところでしょう。
ただ色々と批判も受ける立場のNHKさん。
ラジオ放送の1局廃止(ラジオ第2の廃止)の動きもあります。
個人的な思い入れはともかく、客観的にみて「青春アドベンチャー」が「基礎英語」に勝てるとは思えません。
独立採算とはいかなくても自前で生き残れる(=稼げる)手段を探しておくことは必要なのではないかと思います。

思い入れはあります

もちろん私はNHKが「ラジオドラマ」ではなく「オーディオドラマ」という言葉を使っていることは以前から気が付いていました。
ただ私自身はこのブログにおいて「ラジオドラマ」という言葉に拘ってきました。
子どものころラジオの選曲つまみをまわしていて偶然見つけた番組はラジオドラマ番組でした。
それから私の中ではずっと「ラジオドラマ」です。

今後は「オーディオドラマ」で

でも、もう考えを改める時期が来ているのかもしれません。
そう考えると、「オーディオドラマ」、いい言葉じゃないですか。
生き残っていく可能性を増やすためであればラジオという媒体、ラジオという言葉がなくなったとしても本望。
個人的には、電波に乗って届けられ、空中に儚く消えていく文化を象徴する「ラジオドラマ」という言葉にも郷愁は感じます。
でも未来を見つめるために、私もこれからは期待をこめて「オーディオドラマ」という言葉を使っていきたいと思います。
(過去の作品を紹介するときや文脈的にラジオドラマという言葉が適当な時はそちらを使うことも多々あるかと思いますのでその辺はご容赦を。)
引き続きよろしくお願い致します。


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※2023/8/25追記

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