格付:C

水晶宮の死神 原作:田中芳樹(青春アドベンチャー)

11月のロンドンはとても大英帝国の首都とは思われないくらい沈鬱だ。 こんな天候では、貸本屋「ミューザ―良書倶楽部」に勤めるエドモンド・ニーダムだって気の晴れようもない。 ようやく晴れ間の覗いたある日、姪のメープル・コンウェイが思いついた気晴らしは、水晶宮(The Crystal Palace)への小旅行だった。 第1回万国博覧会の会場として建てられた水晶宮は、1854年にロンドン郊外のシデナムの丘に再現され、多くの観光客を集めている。 行われている催しが「インドの大魔術」などという俗っぽい見世物であること気が進まないニーダムだったが、可愛くかつ押しの強い姪の誘いに負け、とにかく出かけてみることした。 もちろん、そこで首なし死体が待っていることなど予想もせずに。
青春アドベンチャー

2004年の青春アドベンチャー一覧

【2004年放送の青春アドベンチャー総括】 2004年に青春アドベンチャーで放送された作品は下表のとおりです。 № 放送日 作品名 格付* 1 1/5~1/16 (10回) タイムスリップ明治維新 A - 1/19~2/6 (15回) ザ・...
メディアミックス情報

青春アドベンチャーでは1994年・1995年にラジオドラマ化された吉田秋生さんの「BANANA FISH」のTVアニメ化が決定。信者の皆さんにとって公開まで眠れない日が続きそう。

【青春アドベンチャー・メディアミックス情報⑨】BANANA FISH(バナナ・フィッシュ) 吉田秋生さんの代表作・漫画「BANANA FISH」が2018年のフジテレビのノイタミナ枠でTVアニメ化されることが発表されました。 BANANA ...
格付:AAA

しゃばけ2 原作:畠中恵(青春アドベンチャー)

「しゃばけ」(娑婆気)とは、俗世間における様々な欲望に囚われる心のことをいう。 人は「しゃばけ」に囚われて罪を犯してしまう。 この作品は、薬種問屋「長崎屋」の若旦那で、病弱だが心優しい一太郎(いちたろう)が、彼を慕う「妖」(あやかし)たちの手を借りながら、しゃばけが巻き起こした事件の数々を解決していく物語である。
格付:AA

風の向こうへ駆け抜けろ 原作:古内一絵(青春アドベンチャー)

「初めっから勝ち組は決まっているんだよ…」 淡々とした口調で先生が吐く言葉は、あるいは真実なのかもしれない。 「競馬の名門に生まれて技術もある。そんなやつには地方競馬出の雑草なんて、とても太刀打ちなんかできない。」 でも、でも…悔しい! そう、私の中にある思いもまた真実だ。 「先生、教えてください。私、勝ちたいんです。」
格付:A

弾け!はじけろ!そろばん甲子園 作:東多江子(FMシアター)

「もう、部活決めた?」 入学式の行われるこの日は、学校中が部活の勧誘活動で賑やかだ。 負けてはいられない。 わが「珠算(そろばん)部」は、現在、部員たったの2名。 部長を拝命してしまった私、北九州総合高校・商業科2年の古賀すずとしては、最低3名くらいは部員を集めたいところだ。 …でも集まらない。 それはそうだろう、こんな地味な部活、選ぶ方が変だ。 こうなったら2名でもいい。 いや1名でもいいから、有段者の新入部員がどうしても欲しい。 目標としている珠算の全国大会、いわゆる「そろばん甲子園」の団体戦出場には3名が必要なのだ。 このままでは出場することすら出来ない!
格付:AA

想い出あずかります 原作:吉野万理子(FMシアター)

二十歳の誕生日を前に、海辺の街に帰省した里華(りか)。 親への挨拶もそこそこに出かけて行ったのは、波打ち際に建つ「想い出質屋」だった。 この店の店長は普通の人とは違う不思議な人。 この店は想い出を預かる代わりにお金を貸す不思議な店。 しかし、人は二十歳を過ぎると、この店に行けなくなってしまう。 最後のチャンスに店を訪れた里華は、中学3年生で初めて訪れてからの想い出を店長さんと語りあうのだった。
格付:B

すやまたけし短編集「帆船の森」より (サウンド夢工房)

すやまたけしさんは、雑誌「詩とメルヘン」にて、同誌の名を冠した賞を受賞して本格デビューされたメルヘン作家さんです。 Amazonで検索すると、「火星の砂時計」(1987年12月)、「ナーガラ町の物語」(1988年10月)、「帆船の森」(1990年1月)の3作品が出てきますが、いずれも絶版のようです。 ちなみに、すやまたけしさんご自身も2011年に亡くなられているようです… 時間の流れを感じますね。
格付:AA

無頼船長トラップ 原作:ブライアン・キャリスン(FMアドベンチャー)

一体、ジェームズ提督はなにを考えているのだ。 2800回もドイツ軍からの空襲を受けた孤立無援の島・マルタ。 最近ではろくな物資も入ってこないこのマルタと北アフリカの間を、非武装で、レーダーも無線も持たず、しかも機雷の情報もなしに1年2カ月も往復を続けた船がいるというのか? しかもトラップなる無頼漢が率いるその船はドイツアフリカ軍団の横流し物資で闇商売をしてきた旧式の小型貨物船だというのだ。 そんなことはありえないはずではないか。 しかし、一番信じられないのはそのことではない。 なんと提督は、ようやく拿捕したそのボロ船をそのまま英国海軍に編入し、北アフリカのドイツ・ロンメル軍団の補給路を断ち切る任務に就かせろというのだ。 しかもその責任者として、この私、ミラー大尉を任命するというのだ。
格付:AAA

また、桜の国で 原作:須賀しのぶ(青春アドベンチャー)

中学を卒業後に外務省の留学生試験に合格してから早10年。 1938年、日本の外務書記生・棚倉慎(たなくら・まこと)はベルリンからワルシャワへと向かう列車の車上にいた。 先の大戦で傷つき、疲れ果てた欧州。 欧州中のすべての人々が平和を渇望しているはずだった。 しかしこのポーランドを覆う暗い影は何なのだ。 歴史上幾度も他国に侵略され国土を失ってきたポーランドはまた何かに怯えているかのようだ。 何かとは? それは領土的な野心を隠そうとしない隣国・ナチスドイツなのか。 それとも平和のためなら小国の滅亡にすら目をつぶろうという大国の無関心なのか。 いくつもの価値観の間で押しつぶされるポーランドの人々。 自身、日本とロシアという二つのアイデンティティの狭間に立つ慎は、この踏みにじられ、引き裂かれた国で何を目にするのか。
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