格付:B

夜露姫 原作:みなと菫(青春アドベンチャー)

時は平安、後三条帝の御代。優しい父・中納言の庇護のもと晶子姫(あきらこひめ)は毎日を伸び伸びと過ごしていた。しかし、帝から預かっていた名笛「虚空」を盗まれた父・中納言が心労のために他界したことを契機に、晶子の人生は一変してしまう。日々の方便に事欠き、屋敷も破れ放題。その有様は盗賊が空き家と勘違いしてしまうほど。しかし、どん底の状態で晶子は一念発起。「虚空」盗難の犯人を見つけ、父の名誉を回復することを決意する。そのためには手段を選ばないことを覚悟した晶子は、世間から姿を消し、「夜露」(よつゆ)と名前を変え、盗賊団「狭霧丸の一統」に加わるのだが。
格付:AA

夜市 原作:恒川光太郎(FMシアター)

夜市は岬の森にて開かれる。素晴らしい商品が並ぶことだろう。夜市には北の風と南の風に乗って多くの商人が現れるからだ。だから一緒に夜市に行かないか。夜市ではどんなものでも手に入れることができる。そう、人間の「才能」であろうとも。人間の「寿命」でさえも。あれから何年たったのだろう。あの…夜市で弟を売った、あの日から。風のにおいと日の光の具合と、影のでき方。鳥や虫、草花、生き物たちの気配でそれがわかる。今宵、再びの夜市の夜だ。
高格付作品一覧

当ブログで高格付けをつけたラジオドラマの一覧

この記事は当ブログで作品を紹介する際に高格付けを付した作品の一覧です。ジャンルごとに整理してみました。もとより私個人の感想にすぎないので、皆様の評価と違う場合も多々あろうかと思います。趣味の違いとお考えいただき、ご容赦いただけましたら幸いです。なお、私個人の評価ではなくリスナーの皆様の評価ということであれば、歴代ベスト作品アンケートの投票結果、年ごとのアンケートの投票結果、当ブログのページビュー数の順位などをご覧ください。
格付:A

レールバイク 作:福原光則(FMシアター)

郁夫は、千葉県のローカル鉄道小向鉄道の保線員。同年配の仲間たち3人とともに、レール上を走るエンジン付きのバイク -レールバイク- にって線路を移動、延々と続く枕木の交換作業に従事している。ある日、郁夫のチームに38歳の新人保線員・山本が配置されてきた。また、雑誌取材という触れ込みで、杉山という若い女性も顔を出すようになる。どことなく人付き合いを避ける山本と、保線員を応援しているとはしゃぐ杉本。日々単調に続いていた郁夫の人生に波風が立ち始める。
格付:AA

蒼のファンファーレ 原作:古内一絵(青春アドベンチャー)

報知杯フィリーズレビュー、そして桜花賞での激闘から1年。鈴田競馬所属の女性騎手・芦原瑞穂はくすぶっていた。勝てない。中央競馬のGⅠに挑戦した瑞穂とフィッシアイズのペアなのに、場末の鈴田競馬ですら満足に勝つことができなくなっていた。原因はフィッシュアイズではなく瑞穂にある。なんで自分はこんな場末の地方競馬にいるのか。なんでその場末でさえ勝てないのか。騎手を続けていく意味すら見失いかけていた瑞穂に、突然のチャンスが訪れる。中央競馬にすらめったにいない超良血馬ティエレン。この馬体500kgを超える勇壮な牡馬がなぜか鈴田に、それも「藻屑の漂流先」と称される瑞穂所属の緑川厩舎にやってきたのだ。
格付:B

黄金のアポロ 原作:高千穂遥(アドベンチャーロード)

その日、ついにレオンは第21代「黄金のアポロ」の座に登り詰めた。「黄金のアポロ」、それはこの管理社会「ポリス」において最高の格闘士に与えられる称号。ポリスにおける最高の栄誉といってよい。そして、孤児として育ったレオンこと、レオンセラトスがついに掴んだ最高の栄誉は、最高の恋人をも伴うものだった。レオンはまさに得意の絶頂にあった。しかし、まさにその晩、ポリスの外に住まう蛮族「バルバロイ」がポリスを強襲。祝いの席はめちゃくちゃにされてしまう。そして、それのみならず、バルバロイたちは口々に衝撃的な言葉を叫び始めたのだ。「黄金のアポロ、レオン万歳! バルバロイの王!」
格付:A

声命線 作:桑原亮子(FMシアター)

もう何日も眠れていない。送ってもらった催眠導入剤も効き目がないようだ。夫は夜勤に出かけ、家には自分一人きり。今夜も、ただ漫然と趣味のアマチュア無線に耳を傾けていたのだが…突然入ってきた緊急連絡。相手の男性は山形県の月山に登山中に滑落し、身動きがとれないという。しかし、この男性どこか不審。警察に連絡を取ろうとしたら、あまり歓迎しないそぶりなのだ。
格付:A

冬の曳航 作:桑原亮子(FMシアター)

鎌倉時代。熊野の地から、ひとりの僧が浄土に旅立とうとしていた。浄土といっても比喩ではない。三十日分の食料とともに、艪や櫂を一切持たない「渡海船」に閉じこめられ、黒潮の流れに乗るのだ。流された先の南方には極楽浄土があるという。本当だろうか?わからない。はっきりわかっているのは生きて帰ることはできないということだけだ。民衆の願いのため身を捨てることを選んだ、この僧・浄定に対し、民衆は尊崇の念を惜しまない。しかし、当の浄定には一つだけ心残りがあった。それは、京の都で薬師になるために修行している捨て子の少年・捨三と言葉を交わしたかったということ。死に行く自分だからこそ、母を人柱にされた捨三に掛けられる言葉があると考えたのだが…
格付:AAA

BANANA・FISH パート3 原作:吉田秋生(青春アドベンチャー)

コルシカマフィアのボス、ディノ・ゴルツィネが企んでいたのは、新種の幻覚剤バナナフィッシュによる裏社会、そして合衆国の支配だった。ただひとり、ゴルツィネに逆らったストリートキッズのボス、アッシュ・リンクスも、唯一の信頼する友人・奥村英二を人質に取られ、ジャーナリスト・マックスが公表しようとしていたすべての情報とバナナフィッシュの産みの親ドーソン博士、そして何より彼自身の身柄をゴルツィネに引き渡さざるを得なくなってしまった。何度もアッシュに煮え湯を飲まされてきたゴルツィネは今度は決してアッシュを逃がさないだろう。そしてアッシュに立ちはだかる最強のふたりの敵。遂に訪れたアッシュ最大の危機。しかし、絶望的な状況からアッシュと仲間たちの反撃が始まる。
格付:AA

声の訪問者 作:菅谷昌弘(FMシアター)

柳田雄一は39歳の独身男性。ボイスという、声を使った業務なら何でも請け負う会社で働いているが、本業は売れない役者である。ある日、ホームページのボイスサンプルを聴いた依頼者から、彼を指名して仕事が入った。依頼人は工藤絵美という38歳の女性。絵美は雄一に対し、自分に電話をかけてきたうえで、指定した内容で会話することを求めてきた。依頼目的はわからなかったものの、依頼されたこと自体は特別なものではなかったので、指示どおりに電話してみた雄一であったが、雄一が話し始めた途端、なぜか絵美は泣き始めてしまうのだった。
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