アルジャーノンに花束を 原作:ダニエル・キイス(ダミーヘッドドラマスペシャル)

格付:AA
  • 作品 : アルジャーノンに花束を
  • 番組 : ダミーヘッドドラマスペシャル
  • 格付 : AA
  • 分類 : SF(海外)
  • 初出 : 1995年8月7日~8月11日
  • 回数 : 全5回(各回30分)
  • 原作 : ダニエル・キイス
  • 脚色 : 津川泉
  • 演出 : 千葉守
  • 主演 : 大高洋夫

チャーリー・ゴードンは精神遅滞の青年。
周囲を疑うことをしない素直な性格だが、精神遅滞ゆえに家族から捨てられた過去があり、頭が良くなることを希望していた。
そんな彼に脳手術の話が舞い込む。
ネズミによる動物実験しか実績がなく効果のわからない手術だったが、周囲の勧め、家族の同意のもとチャーリーは手術を受ける。
その結果、チャーリーの知能は驚くべき速さで発達を始めるのだが…



SF界では世界的名作として知られるダニエル・キイス原作の小説をラジオドラマ化した作品です。
脳手術という極めて限定されたテーマだけでSF小説を成立させており、発表当時はSF小説の範囲を広げた作品として大変注目を浴びたそうです。

粗筋を知ることは簡単だけど

この小説については非常に多くの人がファンであると公言しており、ネットで簡単に粗筋を拾うこともできますが、もし未読の方であれば粗筋など読まずに、そのものを読むことを強くお勧めします。
その点からいうと、このラジオドラマは、原作を変に改変せずに真摯にラジオドラマ化しており、こちらを聴いても原作の世界を十分に堪能できると思います。
ということで、本作についてはこれ以上、粗筋的なものは書きません。ご容赦下さい。

事実上の青春アドベンチャー

本作は通常の15分×10話ではなく、30分×5話で放送され、番組名も「ダミーヘッドドラマスペシャル」と銘打たれています。
とはいえ「青春アドベンチャー」の代わりとして放送されたものであり、本ブログでは事実上「青春アドベンチャー」に準じるものとして扱っています。

主演、大高洋夫

主役のチャーリー役は大高洋夫さん。
鴻上尚史さん主催の劇団「第三舞台」の旗揚げメンバーの一人で看板俳優でもあった方だそうです。
チャーリーをラジオドラマで演じるためには、同じダニエル・キイス原作の「五番目のサリー」と同様に、主人公の変化を声だけで演じることが必要不可欠で、主演俳優が下手だと作品自体が成立しません。
「五番目のサリー」では徐々に性格が変わっていくサリーを前田悠衣さん(青春アドベンチャーの当時の常連出演者)が巧みに演じていました。
一方、本作では、当初、普通の会話すらたどたどしかったチャーリーが、どんどん頭脳明晰になり、まるで別人のようになっていく様を、大高さんが一人で見事に演じていらっしゃいます。

<ダニエル・キイス原作の他の作品>

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    初出リアルタイムで聞いていていました。
    短いながらよくまとまっていてグッときます。
    高校受験でこの文章が出てきてびっくりした覚えがあります。

  2. Hirokazu より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コメントありがとうございます。
    それにしても入学試験でアルジャーノンを使うなんて随分しゃれた学校ですね。

  3. コン より:

    SECRET: 0
    PASS: 54d8aef41959740d80d066f49f752614
    「話し」を「話」に直す必要があるのではないでしょうか?

    この作品は何回も最後まで聞けなかった作品でしたが、やっと今日聞き抜きました。ウィキペディアをみたら日本で2002年と2015年にドラマ化されていたんですね。こんなに2回もドラマ化されたということは面白い作品に違いないと思いますが、私は正直このラジオドラマでは面白いとは思いませんでした。
    ドラマを見たり原作を読んだりしたりしてこの作品の醍醐味を味わいたいと思います。

  4. Hirokazu より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    コン様

    コメントありがとうございます。

    > 「話し」を「話」に直す必要があるのではないでしょうか?

    ありがとうございます。
    修正しました。

    > この作品は何回も最後まで聞けなかった作品でしたが、やっと今日聞き抜きました。ウィキペディアをみたら日本で2002年と2015年にドラマ化されていたんですね。こんなに2回もドラマ化されたということは面白い作品に違いないと思いますが、私は正直このラジオドラマでは面白いとは思いませんでした。
    > ドラマを見たり原作を読んだりしたりしてこの作品の醍醐味を味わいたいと思います。

    両版とも舞台を日本に変更しているので、原作とは別作品に近いと思います。
    醍醐味という意味でいえば、やはり原作が一番かと。

タイトルとURLをコピーしました