- 作品 : アキバの休日
- 番組 : FMシアター
- 格付 : A
- 分類 : コメディ
- 初出 : 2007年7月7日
- 回数 : 全1回(50分)
- 作 : 藤井青銅
- 音楽 : 奥慶一
- 演出 : 末永創
- 主演 : 宮村優子
今、日本でもっともクールな場所、それがアキバ。
そのアキバを目指して一人のオタクがやってきた。
彼の名はアーチボルト王子。
歴とした某国の王太子だが、東洋の古い思想にもある“オタク”そして”萌え”を体現する男だ。
「“萌え”とはそこにあってそこにないもの。本物のようで本物ではない。かといって偽物のようで偽物ではない。見る者と見られる者との間にほのかに生まれるもの。その一瞬を見事に捉え形にしたものに、私たち“オタク”は“萌え~”なのです」…って大丈夫か?
本作品「アキバの休日」は2007年7月7日(トリプルセブン?)にNHK-FMのFMシアターで放送されたラジオドラマです。
脚本は、青春アドベンチャーの「干支シリーズ」や「笑うシリーズ」、サウンド夢工房の「愛と青春のサンバイマン」など、NHK-FMに多くのコメディラジオドラマを提供してきた藤井青銅さん。
本作品も秋葉原とオタクをテーマにつくられた楽しい作品です。
テーマ性?なにそれ、おいしいの?
NHKの公式ホームページを見ると主人公のアーチボルト王子とヒロインの萌ちゃんについて「国にアニメ好きを禁止されている王子とネクラな高校時代に挫折感を感じている萌ちゃんは、実は鏡のような存在」などとテーマ性がありそうに書かれていますが、「王国の後継者としての期待と自分の趣味の間で苦悩する王子」なんてものが、日本の一般聴取者の共感を呼ぶ題材とはとても思えません。
有り体に言って単なるラブコメディです。
あんたバカぁ?
よって、配役も極めてキャッチー。
ヒロインの萌ちゃんを演じるのは「新世紀エヴァンゲリオン」の惣流・アスカ・ラングレー(式波・アスカ・ラングレーでも可)で人気を博した「みやむー」こと宮村優子さん。
アスカの口癖「あんたバカぁ?」ももちろん本作中で披露しています(無理にアスカに似せずにあくまで「萌ちゃん」としてしゃべっているように感じます)。
当然のアニメ色
その他にも、「マジンガーZ」のあしゅら男爵(男)で有名な柴田秀勝さん(青春アドベンチャーではドラキュラを演じていましたね)がナレーションをやっていたり、「北斗の拳」のトキ役で有名な土師孝也さんがちゃっかり出演されていたり。
作中で「涼宮ハルヒの憂鬱」の主題歌が流れちゃったりもします(他にもあるのかも知れませんがわからず)。
そもそも「アーチボルト王子」って、2006年12月から発刊され始めた「Fate/Zero」のケイネス・エルメロイ・アーチボルトと関係は…さすがにないか。
藤井さんが共感しているかは?
まあ、作中でアキバに集うオタクに対して「みんな自分の夢にしか興味がない」など一部、辛辣な藤井青銅節もあったりもしますし、冒頭のクリス・ペプラーさんの軽快なアキバ紹介も聴きようによってはちょっと皮肉ではありますが、なにせこのラジオドラマ自体が「同人誌ですから、パロディですから、やおいですから~」の範疇に含まれる作品。
宮村さんも「うふ♡」とかあえてアニメっぽく演じているようにも感じます。
基本的には楽しく聴いちゃえばよいのではないでしょうか。
ところで公式HPに書いてある「秋葉原メイド連合」って登場しましたっけ?
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