Hirokazu

格付:A

ロンリー・ランナー 原作:喜多嶋隆(青春アドベンチャー)

俺の名前は流葉爽太郎(ながれば・そうたろう)。六本木にある広告代理店S&WでCFディレクターをやっている。S&Wで、といっても、俺の率いる流葉チームはS&Wの正式な組織ではなく、所属する我々も正社員契約も保証もなしの使い捨ての身分だ。その代わりギャラは通常の2倍もらう。このヤクザなチームに所属するのは、俺、ボクサー崩れの流葉のほか、かつてカンヌ国際広告映画祭のグランプリを取った敏腕プロデューサーながら酒と賭博には目がない熊沢、そして暴走族上がりで俺に喧嘩でコテンパンにやられてからS&Wの門を叩いたアシスタントのリョウ。やはりヤクザな面々だ。今回、この特攻チームに新しい仕事が舞い込んできた。それは長距離走用のスポーツシューズのTVCM。俺は偶然に出会った”裸足のシンデレラ”に的を絞って出演交渉を始めたのだが…
格付:AA

CF愚連隊 原作:喜多嶋隆(アドベンチャーロード)

私の名前は氷山(ひやま)。外資系広告代理店・S&Wの制作部長だ。わが社が日本に上陸してから10年。がむしゃらにやってきたお陰で、60近いクライアントからの信頼を得て、会社は十分に軌道に乗っている…ように見える。しかし、会社の発展とともにスタッフの年齢も上がった。そして、わが社はこの2年間、新規のクライアントを1社も取れていない。このままでは困る。今、わが社に必要なのは「無茶、怖いもの知らず、でたらめ、損得勘定一切なし」、そんなヤクザなスタッフなのではないのか。さて、今日、面接する流葉爽太郎(ながれば・そうたろう)とはどんな男だろうか。履歴書によれば、USC(南カリフォルニア大学)の映画学科を中退し、アメリカの広告代理店で働いていた、とある。わが社が望むような人材だと良いのだが。
格付:AAA

ブラジルから来た少年 原作:アイラ・レヴィン(青春アドベンチャー)

1974年9月、ウィーンを拠点にナチスの戦犯を追っているユダヤ人・リーベルマンは、ブラジルに潜伏しているヨーゼフ・メンゲレの居場所を見つけたという情報を得る。ヨーゼフ・メンゲレ。ナチスの人種理論の強烈な信奉者で、アウシュビッツ強制収容所で多くの人体事件を繰り返し「白い悪魔」と呼ばれた男。もしも逮捕できれば大きな成果だが、その類の胡散臭い情報が入ることはよくあることで、すぐには信じられない。しかも情報提供者によれば彼は「ヨーロッパとアメリカの各地で暮らしている96人の65歳の男性」を殺害する計画を立てているという。俄には信じがたい話であったが、その情報が突如、信憑性を増す事態が発生する。情報提供者が、リーベルマンと電話で話している最中に何事かのトラブルに巻き込まれ、そのまま消息を絶ってしまったのだ。何かが始まろうとしている。リーベルマンは事件の全容を把握するために動き始める。
折々の記録

【特集】100作品紹介記念④:メディアミックスの状況

【特集】100作品紹介記念④:メディアミックスの状況このブログでこれまでに紹介したラジオドラマ100作品を総括する、この特集。当初、長くても3回程度を予定していたのですが、結果的に4回シリーズになってしまいました(第1回・第2回・第3回もご...
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【特集】100作品紹介記念③:原作の種類

【特集】100作品紹介記念③:原作の種類これまでに紹介したラジオドラマ100作品を総括する、この特集。第3回目(第1回・第2回もご覧下さい)の今回は「原作の種類」による分類です。様々な原作ジャンルNHK-FMのラジオドラマ番組である青春アド...
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【特集】100作品紹介記念②:ジャンルと格付け

【特集】100作品紹介記念②:ジャンルと格付け本記事は、2013.9.20に実施したジャンルの追加(伝奇系・恋愛系)前に作成した記事です。ジャンル追加時点で、過去に紹介した作品も遡ってジャンルを修正しているため、現時点で集計しなおした場合、...
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【特集】100作品紹介記念①:放送時期

【特集】100作品紹介記念①:放送時期当ブログをお読みいただきありがとうございます。「はじめに」で書いたとおり、このブログはNHK-FMで放送されているラジオドラマ番組「青春アドベンチャー」などで放送された作品を紹介するブログです。お陰さま...
格付:AAA

最後の惑星 原作:ユルゲン・ローデマン(アドベンチャーロード)

東西冷戦下の西ドイツ。ソビエト連邦による東西対話の動きは見えるものの、まだまだ緊張状態が続く西ドイツに、久しぶりの明るいニュースが舞い込んできた。アメリカ合衆国が世界初の有人火星探査を計画し、イギリス・西ドイツなどの西側ヨーロッパ諸国からもパイロットを選ぶという。ドイツ人の宇宙物理学者フェリックス・レーマンはこの千載一遇のチャンスに応募することを決意し、妻子に相談する。応募条件は、宇宙工学と宇宙物理学をはじめとする諸分野に詳しく、若く運動神経も良い人間という厳しいもの。しかし楽天家のレーマンは密かに合格する自信があり、息子も大賛成してくれた。妻と娘は心配そうだがそれでもレーマンの意思を尊重してくれた。火星探査計画への参加に向けて動き出したレーマンだが、彼は後に驚くべき事実を知ることになる。
格付:AAA

ジュラシック・パーク 原作:マイクル・クライトン(青春アドベンチャー)

それは目を疑う光景だった。アパトサウルス。ジュラ紀後期に繁栄した巨大な草食恐竜。アラン・グラント博士がイスラ・ヌブラル島なる絶海の孤島で目にしたのは、まさに古生物学者として長年夢に見てきた景色だった。長年夢に見てきたが、決して実現されるはずはなかった光景。生きた恐竜が目の前を歩いているのだ。ジュラシック・パーク。それは拝金主義とロマンチシズムが渾然一体となった狂気の実業家ジョン・ハモンドが、最新の遺伝子工学と膨大な費用をつぎ込んで地上に現出せしめた奇跡のテーマパーク。生きている恐竜をこの目で見ることができる。こんな素晴らしいことが他にあるであろうか。そう、パークの成功は約束されていたはずであった。しかし、最新のテクノロジーが惜しげもなく投入されたこのテーマパークは、開園前にすでに密かに数多くのバグと、いくつかの”事故”を起こしていた。そしてこれらの綻びはパークを動かす複雑なシステムを狂わせ、やがて破局へとつながっていく…
格付:AA

金春屋ゴメス 原作:西條奈加(青春アドベンチャー)

21世紀初頭、北関東に金持ちが道楽でつくった老人タウン。それが全ての始まりだった。江戸時代を模したその街はロハスな風潮を受けて急速に人気が高まり、21世紀中頃には人口700万人を要する独立国「江戸国」として日本から独立を果たしてしまった。人々が江戸時代と同じ文化・風俗で暮らす江戸国はまた、江戸時代と同様に鎖国を続けている国でもあった。そのため、隣国日本からでさえも、江戸国へ入国するのは容易なことではない。しかし、日本の大学生・辰次郎(しんじろう)は1回の申請であっさりと入国を許可される。辰次郎の入国の目的は、余命幾ばくもない父の代わりに父の思い出の地に行くこと。辰次郎の父は以前、江戸国に住んでいたことがあるのだ。しかし江戸国に入国した辰次郎は自分自身も江戸国の生まれであることを知る。実は辰次郎には小学校入学以前の記憶が全くないのだ。辰次郎にはなぜ記憶がないのか...そもそもなぜこんなに容易に江戸国に入国できたのか...辰次郎の江戸入りには辰次郎自身も知らない真の目的があったのだ。
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