
碧眼の反逆児 天草四郎 原作:松原誠(青春アドベンチャー)
島原で一揆を指導している少年は絶世の美男子だという。江戸に住む売れない南蛮絵師・山田右衛門作(えもさく)は、その少年・天草四郎時貞の独占スクープ画を描いて一発当てようと目論んで島原に潜り込んだ。そこで目にしたのは圧倒的な指導力をもつ四郎に率いられた、総勢3万人に及ぶ一揆軍。四郎の巧みなアジテーションで士気は雲を突くほど高い。しかし幕府は、すでに一揆が松島藩の手に負えなくなったと判断し、一揆制圧のために直属の幕府軍を差し向けることを決意していた。寛永15年1月1日、傍観者から当事者への転換を余儀なくされた右衛門作の目に、一揆の顛末はどう映るのか。