しゃばけ 原作:畠中恵(青春アドベンチャー)
廻船問屋・長崎屋の若旦那・一太郎(いちたろう)は数えで17歳。普通の人の目には見えない「妖」(あやかし)を見ることが出来る不思議な体質の持ち主だ。一太郎は、なかなかの美男子だが、並外れてひ弱。長崎屋が同時に経営している薬種問屋(薬屋)を任されてはいるものの、彼を溺愛する両親や手代の佐助・仁吉たちに甘やかされて育った。生来、気が優しい一太郎は、周りの好意をありがたく受け止めているが、あまりに甘やかされることに少しだけ不満もある。そんなある日、帰りが遅くなった一太郎は、道ばたで不審な人物に切りつけられる。事件に人ならぬ者の蔭を感じ取る一太郎。不審に思った彼は、仲の良い「妖」たちと共に事件の真相を探り始めるのだが、やがてそれは多くの薬種問屋を巻き込む事件へと発展していくのだった。