
着陸拒否 原作:ジョン・J・ナンス(青春アドベンチャー)
フランクフルト発・ニューヨーク行き、クワンタム航空66便。機長は、空軍出身のベテランパイロットであるジェイムズ・ホランド。副操縦士は、機長を採点する役目のチェックキャプテンでもあるディック・ロブ。クリスマス前の12月22日に離陸したその便は、アメリカ大使ランカスターというVIPを乗せていたものの、あくまで普通のフライトのはずだった。機内でインフルエンザによる急病人が出て、ロンドンのヒースロー空港への緊急着陸を決断せざるを得なくなったことさえ、想定の範囲外のできごとではない。しかし、ヒースロー空港が不可解にも66便の着陸を拒否したことにより、事態はもはや通常の出来事とは言えなくなった。そして迎える急病人の死。それは緊急事態の終わりではなく、始まりに過ぎなかったのだ。