風神秘抄 原作:荻原規子(青春アドベンチャー)
平治元年(西暦1160年)。
源氏と平家は決戦の時を迎えていた。いわゆる「平治の乱」である。
この戦いに臨む源氏の棟梁の長男、”悪源太”義平の旗下に、初陣の坂東武者がいた。
名を草十郎(そうじゅうろう)という。
草十郎は剣もよく使うが、笛も名手であった。
そして、始まった戦い。
源氏方は善戦するものの、結局、義平は刑死し、草十郎もまた混乱の中で盗賊・正蔵に捕縛されてしまう。
草十郎に戦いの無意味さと武士であることの空しさを諭し、武士の身分を捨てることを求める正蔵。
動揺する草十郎だが、正蔵に連れられて赴いた京の都で、糸世(いとせ)という名の白拍子の少女に出会う。
糸世の舞と草十郎の笛の出会いにより、歴史はその動きを大きく変えていく。