伝奇(日本)

格付:B

白狐魔記 源平の風 原作:斉藤洋(青春アドベンチャー)

狐を狩る一方で、狐に騙されることを恐れてもいる。そんな賢いと同時に愚かな、人間という不可思議な生物に興味を持ち、人間の言葉を覚えようと思い立った一匹の狐がいた。そして、彼は、ある若武者に出会う。崖を駆け下りていく鹿を指さし、「鹿も獣なら馬も獣。同じ崖を降りられないはずがない」と宣言し、自ら崖を騎馬で駆け下りていく、その若者の名は源義経。彼の作り出した凄惨な戦場を目の当たりにして、狐は再び考え込む。なぜ、彼は、そして彼ら人間は、そうまでして殺し合うのか。後に「白狐魔丸」(しらこま・まる)と名乗ることになるその狐は、人間という不思議な生き物への興味を募らせていくのだった。
格付:AAA

いまはむかし~竹取異聞~ 原作:安澄加奈(青春アドベンチャー)

平城京に遷都してから2年。武官の家に生まれた弥吹(やぶき)は、武人になることを厭い、幼なじみの薬師の娘・朝香(あさか)とともに、父のいる都から逃げ出す。しかし、貴族の若さまで生活力に欠ける弥吹はたちまち路銀に困ってしまう。自分が誇れるのは多くの書物を読んでいることだけと考えた弥吹は、市場の辻に立って今までに読んだ多くの物語を語り聴かせることで金を得ようと思い立つ。「いまはむかし! いまよりももっとむかし…」弥吹の語りが、輝夜(きよ)と阿生(あき)というふたりの少年との出会いを生み、ふたりとの出会いが、弥吹と朝香の運命をも変えていくことを、この時の弥吹はまだ知らない。
格付:A

夢源氏剣祭文 原作:小池一夫(青春アドベンチャー)

平安時代。4歳の少女・茨木(いばらき)は、都にいる父を探して旅をしている途上で母を亡くし、天涯孤独の身の上になってしまう。さらに、追い打ちを掛けるように鬼に襲われた茨木は、辛くも命を守ることができたものの、鬼に耳をかじられてしまう。そして、茨木は、その後に出会った山姥から不吉な予言を受ける。すなわち「鬼にかまれた者は、その毒により、徐々に鬼に変じていく」と。多くの武人、陰陽師、貴族達との関わりの中で、少女・茨木にどんな運命が待ち受けているのか。
格付:A

鬼の橋 原作:伊藤遊(青春アドベンチャー)

平安時代前期。貴族である小野岑守(おの・の・みねもり)の息子である少年・小野篁(おの・の・たかむら)は一緒に遊んでいた異母妹を不慮の事故で亡くしてしまう。深く悲しんだ篁であったが、妹が死んだ井戸の底へ赴いたところ、そこが異世界への入り口であることに気がつく。篁が辿り着いた異世界は鬼が徘徊する死者の国であり、先年死んだはずの征夷大将軍・坂上田村麻呂が人々の霊を鬼から守っていた。田村麻呂の助言により妹を捜すことを諦めて地上に戻った篁だが、それ以降、鬼を巡る事件に巻き込まれていくことになる。
格付:AAA

風神秘抄 原作:荻原規子(青春アドベンチャー)

平治元年(西暦1160年)。源氏と平家は決戦の時を迎えていた。いわゆる「平治の乱」である。この戦いに臨む源氏の棟梁の長男、”悪源太”義平の旗下に、初陣の坂東武者がいた。名を草十郎(そうじゅうろう)という。草十郎は剣もよく使うが、笛も名手であった。そして、始まった戦い。源氏方は善戦するものの、結局、義平は刑死し、草十郎もまた混乱の中で盗賊・正蔵に捕縛されてしまう。草十郎に戦いの無意味さと武士であることの空しさを諭し、武士の身分を捨てることを求める正蔵。動揺する草十郎だが、正蔵に連れられて赴いた京の都で、糸世(いとせ)という名の白拍子の少女に出会う。糸世の舞と草十郎の笛の出会いにより、歴史はその動きを大きく変えていく。
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