いまはむかし~竹取異聞~ 原作:安澄加奈(青春アドベンチャー)
平城京に遷都してから2年。
武官の家に生まれた弥吹(やぶき)は、武人になることを厭い、幼なじみの薬師の娘・朝香(あさか)とともに、父のいる都から逃げ出す。
しかし、貴族の若さまで生活力に欠ける弥吹はたちまち路銀に困ってしまう。
自分が誇れるのは多くの書物を読んでいることだけと考えた弥吹は、市場の辻に立って今までに読んだ多くの物語を語り聴かせることで金を得ようと思い立つ。
「いまはむかし! いまよりももっとむかし…」
弥吹の語りが、輝夜(きよ)と阿生(あき)というふたりの少年との出会いを生み、ふたりとの出会いが、弥吹と朝香の運命をも変えていくことを、この時の弥吹はまだ知らない。