妖異金瓶梅 原作:山田風太郎(青春アドベンチャー)
中国・明の時代。
山東省の豪商・西門慶(さいもん・けい)の屋敷には、8人の妻と多くの使用人がいた。
しかし、金と欲にまみれた西門慶のこと。
妻といっても、金と権力にものを言わせて奪い取った美女達であり、屋敷内はミエや欲望や嫉妬が渦巻く、苦しみの世界であった。
特に、第5夫人である潘金蓮(はん・きんれん)は、絶世の美女であり、風にも耐えない風情でありながら、実は自らの欲望のためには何事も躊躇しない女であった。
このような環境で事件が起こらない方がおかしい。
主人公の応伯爵(おう・はくしゃく)は放蕩が過ぎて一代で身を持ち崩した末に、幇間として、西門慶に養われている男である。
その立場から事件に無関係でいられない応伯爵は、不承不承、様々な事件の真相を探り始めるのだが…