砂漠の歌姫 原作:村山早紀(青春アドベンチャー)

格付:B
  • 作品 : 砂漠の歌姫
  • 番組 : 青春アドベンチャー
  • 格付 : B
  • 分類 : 異世界
  • 初出 : 2011年11月14日~11月25日
  • 回数 : 全10回(各回15分)
  • 原作 : 村山早紀
  • 脚色 : 大河内聡
  • 音楽 : 光田康典
  • 演出 : 藤井靖
  • 主演 : 石川由依

砂漠の街・エスタの音楽堂で音楽を習う少女ユンは、他の生徒達がうらやむほどの歌の才能の持ち主。
しかし、ただ一人の肉親である母を砂漠を放浪中に失い、歌の才能を見込んだ金貸しに育てられたユンにとって、歌は生きていくための手段に過ぎなかった。
ある日、ユンは砂漠で倒れている銀髪の少女リーヤを助ける。
視覚と記憶を失っていたリーヤだが、ユンの美しい歌声に慰められる。
そして、ユンもリーヤにより人のために歌うことの尊さを知る。
少しずつ親しくなっていくふたり。
しかし、ある日、リーヤを狙う蛇遣いの男達があらわれ、ふたりと周りの人たちは、伝説の「魔法水晶」を巡る争いに巻き込まれていくのだった。



村山早紀さんの児童文学を原作とするラジオドラマです。
児童文学と言っても、砂漠、滅びた文明、地下迷宮、魔法といった要素がちりばめられており、異世界ファンタジーの趣がある作品です。
ストーリーは基本的に友情と冒険の物語です。
児童文学が原作ではありますが、あまり教育的な要素は強くなく、単純な冒険物語として楽しめる作品です。
その分、深みはあまり感じられませんでしたが、この辺はきっと原作をラジオドラマ化する際に単純化しているのだと思います。

音楽は光田康典さん

主人公であるユンは音楽堂に通う孤児という設定。
この辺、少し「ピエタ」を思い起こさせましたが、本作の音楽堂は別に孤児専門というわけではなく、ユンも養父の好意で通わせてもらっている設定です。
音楽堂の生徒という設定からわかるとおり、本作品は歌と音楽が重要な要素になっている物語です。
青春アドベンチャーは音楽は他の作品から借りてくる場合が多いのですが、本作は光田康典さんによるオリジナルの楽曲が提供されており、ムードを盛り上げています。
光田さんといえばスクエアのゲーム「クロノトリガー」の音楽!
Tokyo五輪2020の開会式でも流された、あの「カエルのテーマ」で涙した方も多いのではないでしょうか。
このような場で光田さんの音楽に再会できるとは思ってもみませんでした。

石川由依さん初主演

主役のユンを演じるのは声優・女優の石川由依さん。
本作品の他に、本作同様に藤井靖さんが演出した「風神秘抄」や「月蝕島の魔物」、ヴィクトリア朝怪奇冒険譚シリーズ、夢みるゴシックシリーズなどにも出演され、2010年代青春アドベンチャーを代表するミューズと言って良い石川さんですが、青春アドベンチャー初主演作がこの「砂漠の歌姫」でした。
ちなみに石川さんは青春アドベンチャーに出演するとやたらと歌わされることが高いのですが、その魅力が最も発揮されたのは「時めがね金沢うた絵巻」だと思います。

樋浦勉さんが嬉しい

その他、公式ホームページにも記載されていないちょい役ですが、樋浦勉さんが出演されているのが個人的にはちょっと嬉しかったかな。
樋浦さんといえば、1980年代、番組名が「アドベンチャーロード」だったころの「A-10奪還チーム出動せよ」や「魔弾の射手」などが思い出されます。
かなりのベテランだと思うのですが、近年の青春アドベンチャー「なぞタクシーに乗って…」などにもご出演されています。

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