ウィル 作:今城文恵(青春アドベンチャー)
1863年の夏、新聞記者として赴いた西部ネバダ州ブルーバードビルで、私はウィリアム・オマリーという少年と出会った。
彼は両親を亡くし叔父に養われる貧しい少年で、友人といえる人間は保安官の息子である足の不自由なクリスだけ。
街一番の腰抜けと揶揄される臆病な少年だった。
しかしある時、一人の女性と一丁の銃との出会いが彼の人生に大きな転機がもたらすのを私は見た。
私は私自身のため、この暴力に支配された街で見聞きしたすべてをここに記す。
世界の片隅で起きた少年の小さな成長の物語。
発表のあてはない。
しかし書き残すべき価値があるものだと私は信じている。