ホットサンド 作:足立聡(FMシアター)

格付:B
  • 作品 : ホットサンド
  • 番組 : FMシアター
  • 格付 : B
  • 分類 : 日常
  • 初出 : 2023年4月15日
  • 回数 : 全1回(50分)
  • 作  : 足立聡
  • 音楽 : 笹子重治
  • 演出 : 木村明広
  • 主演 : 常盤貴子

腰を痛めた父の面倒をみるために大阪へ戻ってきた。夢を諦めて。
いや違う、本当は逃げ出したんだ。役者で大成する見込みがなかったから。
ホットサンド専門店も特になにか夢があって始めたわけではない。
父がやっていた弁当屋の設備があったから、特別な技術がいらないから、近くに病院があって出前の需要が見込めるから。その程度の理由だ。
そんなホットサンド屋に、ある日、高校生の少女が飛び込んた。
「私、ホットサンド大好きなんです!いつかホットサンドに囲まれて生活したいってずっと思ってました!もうずっとずっと思ってました!働かせてもらえませんか?何でもやります!バイト代とかいらないんで!」


本作品「ホットサンド」は足立聡さんオリジナル脚本のオーディードラマで2023年4月にNHK-FMのFMシアターで放送されました。

足立聡さん脚本

足立聡さんといえば当ブログでは、2021年「手を振る仕事」でアンケート第2位、2022年「遺体を捜す人たち」でアンケート第1位を取られた方で、リスナーの評判はとても高い。
でも個人的には足立さんの一番の作品は「風のスケッチブック」の「温風男」。
少しとぼけた不思議な設定を渡辺いっけいさんの暖かさが包んだ作品で、機会があったら是非お聞きいただきたい良作です。

お仕事もの?

さて「手を振る仕事」も「遺体を捜す人たち」も、物語の中心に、ある種の仕事を置いた若者の物語ではあります。
しかし、その仕事を通じて若者の成長をストレートに描くというより、その仕事にまつわる心のやり取りを通して、社会にうまく適応できていない若者の再生を描くような作品です。

家族もの?

その点では本作品も同様(ただし本作品の「のどか」が環境に適応できていないのは本人のせいではない)なのですが、本作品はこれに家族ものの要素や、中年女性の人生に対する思いなどの要素が複合されており、必ずしも主題が一つに絞れる作品ではありません。
この辺は聴く人の好みによる部分だと思いますが、本作品も2023年のアンケートで第1位(5票)をとっているところをみるとリスナーさんには好意的に受けとられたようですね。

常盤貴子さん主演

さて、本作品の主役のあやみを演じるのは女優の常盤貴子さん。
1993年のフジテレビのドラマ「悪魔のKISS」で一躍お茶の間の話題になり、その後も「私の運命」、「愛していると言ってくれ」など多くの人気ドラマに出演(最近のFMシアター、「私の運命」率高いな)。
「悪魔のKISS」の役居所がかなりショッキングだったこともあり、その印象が強いのですが、最近は映画や舞台に活躍の場を移しており、女優として堅実な活動を続けていらっしゃいます。

オーディオドラマ歴は?

FMシアターではあまりお見掛けしない(ひょっとして初出演?)のですが落ち着いた役が実によくあっており、2023年アンケートの出演者編1位も納得です。
この役に付いて常盤さんは「生きていることを実感できるような世界に私は憧れる。」(外部リンク)とおいっしゃっていますが、素敵なコメントですね。

大阪局制作ではないけど

その他、準主人公ともいえる「のどか」を演じる村田寛奈さん(レプロエンターテイメント所属のアイドル)や、父・隆を演じる徳井優さんといった主要キャストは関西出身者で固めています。
特に徳井優さんといえば引越しのサカイのCMキャラクターで知られたバリバリの関西キャラで有名な方。
阪堺電車177号の追憶」などNHK-FMでも関西弁を生かした役が多いです。


【2023年リスナー人気投票上位作品】
当ブログ主催の2023年FMシアター/特集オーディオドラマ・人気アンケートで、当作品が第4位(8票)の得票を得ました。
詳しくは別記事をご参照ください。


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