格付:AA

都会島のミラージュ 作:寺田憲史(青春アドベンチャー)

何かに急き立てられるかのようにたどり着いた街・ニューヨーク。 しかし、予備校を入れると8年近く勉強してきた英語は全く通じない。 そして、到着早々に、荷物の全てと有り金の半分を盗まれてしまった。 日本でのぬるま湯の生活に慣れきった自分にとって、確かにここでは人が冷たかった。 それでもやっとたどり着いたマンハッタンの夜景は、俺の目には手招きしているように優しく映った。 昔、父さんが殺されたニューヨーク。 今日からここでの生活が始まる。
格付:A

夢巻 原作:田丸雅智(青春アドベンチャー)

長年の親友・村上に指定されたバーにやってきた堀川。 最近、管理職になったばかりで何かと多忙の堀川を村上が気遣って、とっておきの店を紹介してくれたのだ。 しかし店に一歩、足を踏み入れた堀川は目の前の光景に驚いてしまった。 よだれ、鼻水、涙… 村上が穴という穴から液体を出しながら、至福の表情で、葉巻の様なものを吸っていたからだ。 村上は煙草すらやらなかったはずだ。 一体どうしたのだ。 狼狽する堀川に対して、村上が説明を始める。 彼が吸っているのは葉巻ではなく「夢巻」であること。 そして、「夢巻」は、特殊な処置をした紙で燃やして吸うことにより、その紙に込められた思いを追体験できるものであるということを。
格付:B

夢の10分間 原作:豊田有恒(ふたりの部屋)

SF作家・豊田有恒さんの同名のショートショート集「夢の10分間」の中から10編をドラマ化した作品です。 本作品を放送した「ふたりの部屋」は、本作放送当時、月曜日から金曜日のそれぞれ10分ずつ放送される帯番組でした。 そのため、この「夢の10分間」というタイトルを見ると、あたかもこの番組のために書き下ろされたオリジナル作品のようですが、別途、原作本があるようですので、「10分間」が一致しているのは偶然のようです。
格付:AA

夢にも思わない 原作:宮部みゆき(青春アドベンチャー)

毎年、近所の白河庭園で開かれる「虫聞き(むしきき)の会」。 その会場で同級生の工藤久美子が殺された。 しかも、死体の身元を確認したのは、この僕、緒方雅男だ。 偶然ではない。 工藤さんが家族で虫聞きの会に行くのは本人から聞いていた。 淡い思いを胸に、会場で工藤さんに会えることを期待して行ってみたのだ。 それがまさか死体に対面することになるとは。 しかも死んだ工藤さんは、濃い化粧に、派手なスカート、高いヒールの靴。 いつも学校で見るのとは全く違う格好をしていた。 一体、何が起こっているのか。 僕はクールな親友の島崎とともに謎を追い始めるのだが。
ラジオドラマ全般の情報

8月21日にNHK-FMにて「迷宮 画のないアニメ館」放送予定

8月21日にNHK-FMにて「迷宮 画のないアニメ館」なる特集番組の放送が予定されているようです。 (外部リンク) オーディオドラマではない? 一種のラジオドラマ番組のようですが、セリフの一部に空白部分のある第1話の脚本を事前に公開し、その...
格付:A

今夜は眠れない 原作:宮部みゆき(青春アドベンチャー)

母さんが突然、5億円の相続人になった。 20年前にたった一度、命を助けた人物、20年間存在すら忘れていた男から遺産を譲られたのだという。 そして騒動が始まった。 どこで聞きつけたのかわからない様々な人からの寄付を求める電話が鳴りやまない。 外の女と不倫をしていた父さんは、自分のことを棚に上げて母さんにその男との関係を詰問し始めた。 もう家族はバラバラだ。 そして僕たちの周りに現れる不審な人物。 そんな中、ついに事件は起こったのだった。
格付:AAA

オリガ・モリソヴナの反語法 原作:米原万里(青春アドベンチャー)

オリガ・モルソヴナとの出会いは、1960年代のチェコの首都プラハにあったソビエト学校でのこと。 私、弘世志摩(ひろせ・しま)はこの学校に通う小学生だった。 オリガは、老齢ながらダンス教師として卓越した技術を持つと評判だった。 しかしそれ以上に彼女を有名にしていたのは、ただでさえ罵り言葉の宝庫と言われるロシア語を駆使し、罵詈雑言を浴びせかける天才だったこと。 その最も特徴的な表現方法は反語法。 彼女にかかると「美の極致!」という言葉さえも、圧倒的な皮肉へと変わるのだ。 しかし、オリガの過去に何か謎のようなものが見え隠れすることは小学生であった私にも分かった。 そして1992年。 大人になった私はモスクワへと飛ぶ。 永年の疑問だったオリガの過去を知るために。 そこで待っていたのは、悲劇の現代史を生きた3人の女性の物語だった。
格付:B

10人のシンデレラ パートⅢ 作:湯本香樹実(カフェテラスのふたり)

「シンデレラ」といえば、今ではすっかりディズニーアニメがイメージされる訳ですが、もともとは世界中に類似の話が伝わっている民間伝承なのだそうです。 その範囲はとてつもなく広く深く、西欧のみならず中国にも類似の話があり、古くは紀元前1世紀にギリシアの歴史家ストラボンが記録したエジプトが舞台の話にまで遡るとか。 どの話も継母や義姉にいじめられたり、王子や王様に見初められたり、何かの道具を切っ掛けに幸せになったりといった基本的な構造は同じです。 そして、17世紀にフランスの文学者シャルル・ペローが、「ガラスの靴」や「かぼちゃの馬車」といった要素を取り入れたものが、ディズニーのシンデレラの原型になりました。 この話に、これほど広汎な人々に受け入れられるに値する如何なる普遍的な価値があったのか、また、出所がひとつだとするとどのように伝播したのか、興味は尽きないところです。
格付:C

遊佐未森のひなたVOX (サウンド夢工房)

「サウンド夢工房」で放送された、この「遊佐未森のひなたVOX」は、シンガーソングライター遊佐未森さんのエッセイ、おしゃべり、歌で構成された作品でした。 遊佐さんの言葉を借りるならば、日々、遊佐さんが感じている様々なことを「ひなたぼっこをするつもりで聞いてもらいたい作品」とのことです。
青アドの小ネタ

「僕たちの戦争」「押入れちよ」原作の荻原浩さんが直木賞を受賞!

荻原浩さん直木賞受賞 2007年に「僕たちの戦争」と「押入れのちよ」が、相次いで青春アドベンチャーでラジオドラマ化された荻原浩さんが、2016年の第155回直木三十五賞を受賞されました。 受賞作は「海の見える理髪店」。 「明日の記憶」(20...
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