格付:A

ウィンブルドン 原作:ラッセル・ブラッドン(アドベンチャーロード)

全英テニス。 主審に抗議に駆け寄った選手に、主審が小さな声で囁く。 「すまないね。しかし、君に安全に連絡するにはこれしか方法がないんだ。私には何のことかわからないが、とにかく君に次の三つを伝えるように言われている。いいかね。 ひとつ、警察はもっと時間が欲しい。 ふたつ、審判長がコートの入り口に顔を出すまで試合を引き延ばすこと。 みっつ、協力に感謝。幸運を祈る。」 選手は疲れたように呟く。 「これ以上まだ、試合を引き延ばせ、か。」
格付:B

笑う20世紀パート2 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

脚本家・構成作家の藤井青銅さんによるコメディ短編ラジオドラマ集である、「笑う」シリーズの第2作目が本作品「笑う20世紀パート2」です。 藤井青銅さんの公式HPによれば、第1作は、ラジオドラマの制作以前に藤井青銅さんが書いた原作本をもとにした作品でしたが、このパート2はラジオドラマオリジナル脚本として書き下ろされたもののようです。
格付:B

笑う20世紀 原作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

青春アドベンチャーに最も多くの脚本を提供している脚本家・構成作家の藤井青銅さんによるショート・ショート集「笑う20世紀」をラジオドラマ化した作品です。 原作本は15作品で構成されていましたが、そのうち9作品が本作品でラジオドラマ化されました。 原作本のうち本作品でラジオドラマ化されなかったのは、「新聞が来た日」、「火事男」、「古典芸能の夕べ」、「こおろぎ橋」、「現代人は病んでいる」、「たぬきのくじ」の6作品です。
格付:B

記憶の城 作:大田淳子ほか(青春アドベンチャー)

青春アドベンチャーはNHK-FMのラジオドラマ番組ですが、この「記憶の城」はNHKはNHKでもNHK名古屋局によって制作された作品です。 青春アドベンチャーでは例年2月ごろを中心に名古屋局の制作作品が放送されることが多いのですが、1996年放送の「新・夢十夜」以降しばらくの間は、10人の脚本家がオリジナルストーリーを1本ずつ担当する「十人作家シリーズ」(ネットにおける通称として名古屋脚本家競作シリーズ)が放送されていました。 本作品「記憶の城」はその第2弾であった作品です。
格付:A

逢沢りく 原作:ほしよりこ(青春アドベンチャー)

私は他の女の子たちとは違う。 勉強はできるし、人の気持ちもわかる。 友達からは「モデルになればいい」なんて言われる。 他の子たちより一段高い位置にいるのが当たり前だったし、これからもそうだろう。 家族だって完璧。 社長をしている素敵なパパと、料理上手で完璧主義のママ。 だから、「あの、手のかかる」ママが私に何をして欲しいかは手に取るようにわかるし、パパが会社の女の人と浮気をしていても別に悲しくはない。 勘違いしないでほしい。私はまるで蛇口をひねるかのように涙をこぼすことができる。 でも、私には「悲しみ」が何だかはさっぱり理解できない。
格付:B

嘘の誘惑 作:物部俊之ほか(青春アドベンチャー)

NHK名古屋局が制作した、一連のオムニバスラジオドラマ作品。 「10人作家シリーズ」、「名古屋脚本家競作シリーズ」とも呼ばれる、これらの作品群の中でも3番目に制作されたのが、この「嘘の誘惑」です。 このシリーズは、各作品ごとのテーマに沿った1回15分の短編ラジオドラマを様々な脚本家が書き下ろすものです。 ただし、同様の内容の別のシリーズ、すなわち「不思議屋シリーズ」や「ライフシリーズ」と異なり、テーマの縛りはあまり厳しくはないように感じます。 特にこの「嘘の誘惑」については、ドラマを作ればどんな作品であれ「嘘」の要素のひとつやふたつは入るでしょうから、その意味では縛りはないに等しい状況です。
オムニバス作品等の一覧

「10人作家シリーズ」(名古屋脚本家競作シリーズ)の作品一覧

青春アドベンチャー最初のオムニバスシリーズ 青春アドベンチャーで最も早く「一つのテーマに沿った一話完結の10本のオリジナル脚本で1作品」という形態をシリーズ化したのが、NHK名古屋局が制作している、この「10人作家シリーズ」です。 後にスタ...
格付:B

星虫 原作:岩本隆雄(青春アドベンチャー)

「こんばんは、ニュース9です。 本日最初のニュースは「星虫」についてです。 (映像スタート) 6日前に、宇宙から飛来し世界30億人の人々の額に張り付いた「星虫」と呼ばれる謎の生物。 張り付いた人の視覚、聴覚等などを大幅に向上させ、地球が危機的状況にあることを極めて効果的に人類に悟らせることに成功しました。 しかし、時間と伴に星虫は巨大化。 (10cmに巨大化した星虫が張り付いている人の顔をクローズアップ) 徐々に星虫を取り外す人が増えてきました。 本日、米国の「星虫委員会」も、「このまま星虫が成長すると本人の意思では取り外すことが出来なくなる可能性がある」との声明を発表。 すでにわが国ではほとんどの人が星虫を取り外すことを選択しました。 しかし、○○県の○○市で高校生の男女ふたりが星虫を外すことを拒否し、土蔵に立てこもるという事件が起きています。 家族の必死の説得にも関わらず、ふたりは「星虫は悪い虫ではない」と主張。 日本に残った最後の星虫所有者を取材しようと報道陣も殺到し、現場は混乱しています。 それでは現場を呼んでみましょう。 現場の○○さん!」
アドベンチャーロード

1987年のアドベンチャーロード放送作品一覧

【アドベンチャーロード放送作品一覧】1987年の総括 「アドベンチャーロード」は、かつてNHK-FMで放送されたエンターテイメント・ラジオドラマ番組で、1985年から1990年までの約5年間放送されました。 そのため、1987年はアドベンチ...
格付:A

インベーダー・サマー 原作:菊地秀行(アドベンチャーロード)

それは特別な夏だった。 信州の静かな田舎町・夕笛市。 すべては、陽炎がたつ夕笛高校のグラウンドに、白いブラウスを着た少女が現れたときに始まった。 その少女の姿を一目見たすべての男子生徒の胸に切なさが溢れ、そして世界は「書き換え」られ始めたのだ。 光る蝶や竜が出現し、男子生徒が口に出した言葉は奇怪な言語に変わり、風景は輝く半透明の異世界のそれへと変貌を遂げた… 恋する者の思いは世界を変えることができる。 それはひと夏の出来事。 すべての者が切なく思い出す、あの夏の出来事。
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