- 作品 : タイムスリップ戦国時代
- 番組 : 青春アドベンチャー
- 格付 : B+
- 分類 : タイムトラベル
- 初出 : 2006年1月9日~1月20日
- 回数 : 全10回(各回15分)
- 原案 : 鯨統一郎
- 脚色 : 山本雄史
- 演出 : 保科義久
- 主演 : 田村ゆかり
リストラ対象になり自暴自棄になった時間捜査官・石松を追って、21世紀の女子高生・麓(ふもと)うららは戦国時代に飛ぶ。
しかし、今回はいつもと違い3人組 -うらら、石松、そして元殺し屋の剣崎薔薇之介- の思惑はそれぞれ全く異なっていた。
袂をわかった3人は、本能寺の変に向けて、それぞれの行動を開始するが…
年始の青春アドベンチャー恒例だった鯨統一郎さん原案、山本雄史さん脚本のラジオドラマの第3弾です。
第1弾の「タイムスリップ明治維新」は鯨さん「原作」の作品でしたが、第2弾の「タイムスリップ源平合戦」以降は主人公(麓うらら)と、ヒストローム値などの設定の一部を鯨さんの原作から拝借した、山本さんオリジナル脚本の作品です。
今年も大河ドラマとタイアップ
また、本シリーズは、その年の大河ドラマとタイアップした時代が舞台に選ばれることが通例でした。
2006年の大河ドラマは、山内一豊とその妻・千代を主人公とした「功名が辻」でしたので、本作品の舞台は戦国時代になりました。
もちろん、歴史上の実在の人物であった千代も本作品に登場します。
千代と一豊を見たうららが、仲間由紀恵や上川隆也に似ていないじゃないか、と憤慨するのもお約束どおりです。
上川隆也さんと青春アドベンチャー
ところで上川隆也さんといえば青春アドベンチャーでも「あたしの嫌いな私の声」や「天使のリール」などにご出演されておりファンにはなじみ深い方です。
一方、仲間由紀恵さんもNHKではよくお見かけする方ですが、青春アドベンチャーやFMシアターにはほとんどご出演されていないと思います。
まあ、ラジオドラマには向かない方かもしれません。
積極的にタイムトラベル
さて、本作品でも相変わらず適当な性格のうららが、例によってあやふやな歴史知識(源平合戦と戦国時代とどちらが先かもわからない)をもとに、歴史上の重大事件に臨みます。
今回はずばり本能寺の変です。
いつもと違うのが、うららが巻き込まれてタイムスリップするのではなく、剣崎薔薇之介の誘いに応じた形とはいえ、タイムスリップ仲間?の石松を助けるために自ら戦国時代に向かうことです。
しかも今回の歴史改変の首謀者は何と石松!
そのため、うらら、薔薇之介、石松の3人が対立し、バラバラに行動するという今までにない展開を迎えます。
何がしたいのやら。
そして、もうひとつ、今まで以上なのは、支離滅裂なうららの行動。
石松を助けることを目的としていたはずなのに、本能寺の変を実現したいのか阻止したいのか、よくわからない行動を繰り返してしまいます。
うららは常に自分の感情を優先して行動します。
しかも、結局、自分がどれだけ歴史に対して影響力を行使できるのか知りたいだけですので、どうにも言動に一貫性がなく、聴いていてもイライラさせられっぱなしです。
結果としてうららには全く共感できません。
また、登場人物たちもうららの言動にひっかきまわされて、しっちゃかめっちゃかになってしまうのですが、それでも最後は何となく形になるのがこの作品の面白いところです。
本能寺の変の真相とは?
本作品における、本能寺の変の真の首謀者は、かなり大胆なものです。
しかし、家康の伊賀越えや、信長の遺体が見つかっていないことなどの史実とうまく整合性を取る形で、伏線が回収されており、荒唐無稽ながら意外ときれいにまとまっています。
脚本の山本さん、なかなかやりますね。
ちなみにこの結末、実は第5作目の「タイムスリップ大坂の陣」と密接なつながりがあります。
どんなつながりかは両作を聴いてのお楽しみです。
主要キャストは変わらず
さて、レギュラー三人組を担当する声優さんは、引き続き、うらら役の田村ゆかりさん、薔薇之介役の織田優成さん、石松役の浜中博史さんで、前作までと変わりません。
同じキャストに再会できると何となく嬉しいものですね。
【タイムスリップシリーズ各作品の記事へのリンク】
- タイムスリップ明治維新(2004年)
- タイムスリップ源平合戦(2005年)
- タイムスリップ戦国時代(2006年)【本作品】
- タイムスリップ川中島(2007年)
- タイムスリップ大坂の陣(2011年)
【保科義久さん演出の他の作品】
紹介作品数が多いため、専用の記事を設けています。
名作、迷作、様々取りそろっています。
こちらを是非、ご覧ください。
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