本ブログで主に紹介している「青春アドベンチャー」は、すでに25年以上続いている老舗のラジオドラマ番組なのですが、26年目に入る2018年4月に、初めて放送時間が変更されることになりました。
変更前最後の作品は「メゾン・ド・関ケ原」、変更後最初の作品は「王妃の帰還」になります。
放送開始時刻の変遷
青春アドベンチャーは、2001年1月から2006年4月までの間だけ、夕方17時45分から再放送の枠がありました。
しかしそれを除いた本放送の枠については、1993年の番組スタートから一貫して平日の22時45分に放送開始。
それが何と1時間30分も繰り上げられて21時15分スタートに変更されます。
ちなみに青春アドベンチャーの前身番組とも言える、過去のNHK-FMの帯ドラマの放送時間は以下のとおりでしたので、アドベンチャーロードで1986年から1988年の短い間だけ存在した21時スタートに次いで、早いスタート時間になります。
- サウンド夢工房
- 22:45~23:00(1991.4~1992.3)
- 22:45~23:00(1990.4~1991.3)
- アドベンチャーロード
- 22:00~22:15(1988.4~1990.3)
- 21:00~21:15(1986.4~1988.3)
- 21:40~21:55(1985.4~1986.3)
- FMアドベンチャー
- 21:45~21:55(1984.4~1985.3)
- カフェテラスのふたり
- 22:50~23:00(1985.4~1988.3)
- ふたりの部屋
- 22:45~23:00(1983.3~1985.3)
- 23:00~23:15(1982.4~1983.3)
- 23:05~23:15(1978.11~1982.3)
なぜ今開始時刻の変更?
さて、この放送時間変更が、吉とでるか凶とでるか。
もともとラジオドラマという衰退ジャンルの番組が、これほど長期間、存続していること自体が驚き、といったら言い過ぎでしょうか。
twitterを見ていても、定期的に「青春アドベンチャーってまだやっていたのか!」と驚くtweetに出くわします。
言い換えれば、もはやこれ以上衰退することはないとも言えるのかもしれませんが、今回の22時台(しかも23時直前)から21時台への移動は、衰退どころか、客観的にはランクアップのようにすら見えます。
ラジオドラマはTVドラマやアニメに比べれば制作費は格安だと想像されるのですが、単なる音楽番組に比べればそれなりに経費はかかるのではないかと思います。
どうせ経費がかかるならいっそのことテコ入れしよう!となったのかもしれません。
吉と出るか凶と出るか
しかし、この午後9時15分というスタート時間は実に微妙。
TVの世界では正時(=しょうじ。各時の0分のこと)より数分前に番組がスタートする「フライングスタート」という手法が横行していますが、これは他局の番組が始まる前に視聴者を捕まえるための手法。
青春アドベンチャーの9時15分スタートという放送時間は、フライングスタートと逆の効果を与えてしまう気もします。
そもそも青春アドベンチャーに、21時台の強力なテレビ番組に対抗できる力があるのか?
最悪「開始時刻を繰り上げたのに聴取率は下がった」と評価され、来年以降番組が廃止される…なんてことにならなければ良いのですが。
良い影響があることを祈るばかり
まあ、その辺はラジオ局の方はプロですので、先刻承知のことでしょう。
正時でないという点ではもともとの10時45分スタートだって正時ではありませんでした。
また、ラジオの敵がもはやテレビではなくインターネットで提供される様々なコンテンツであるならば、正時にこだわる必要はないでしょうし、若年層を取り込める早めの時間の方が有利なのかもしれません。
そもそも録音して聞くので時間は余り関係ないという人も多そうですしね。
何はともあれ、この時間変更はどちらかといえば番組の「出世」といえそうです。
まずは素直に喜びつつ。これまで以上の応援をしていくことにしましょう。
※2023/2/15追記
2023年4月より放送開始時刻が21時30分に15分繰り下がることが発表されました。
結局、21時15分~21時30分の時代は5年間だったことになります。
コメント