宇宙艇モモタロー号の帰還 作:倉島齊(FMシアター)

格付:A
  • 作品 : 宇宙艇モモタロー号の帰還
  • 番組 : FMシアター
  • 格付 : A-
  • 分類 : SF(宇宙)
  • 初出 : 1988年1月23日
  • 回数 : 全1回(45分)
  • 作  : 倉島齊
  • 演出 : 音成正人
  • 主演 : 松阪隆子

結婚して銀河の果てまで金を探しに行こう。
それがプロポーズの言葉だった。
人工冬眠とワープ航法を繰り返して100年余り宇宙を彷徨った末に、地球から200光年離れた辺境の星でやっと見つけた金鉱脈。
その頃には2人の息子に恵まれ家族は4人になっていた。
さらに8年を費やして採掘・精錬し続けた結果、小型宇宙艇に乗せられる限度いっぱの123本もの金塊を得ることができた。
今後は12回のワープと48年の人工冬眠により、所要実働時間4年で地球に帰ることができる。
2人の息子にとっては両親以外に初めての人間に出会うことになる。
両親のように心から愛しあえる伴侶を見つけることができるのだろうか。
愛がなければモモタロー号に積んだ莫大な金も一文の価値もないと同然なのだから。


本作品「宇宙艇モモタロー号の帰還」は作家、倉島齊(くらしま・せい、倉島斉・倉島斎との表記もあり)脚本によるラジオドラマで、1988年にNHK-FMのFMシアターで放送されました。
倉島さんは高校の教師をしながら1970年に新潮新人賞を受賞した方で、翌年には芥川賞の候補にもなっています。
その後はラジオドラマの脚本も多く書かれたようで(参考:外部サイト)、本作はそのひとつです。

非SF作家のSF

さて冒頭の粗筋のとおり本作品はSF的な道具立てを使った作品ではありますが、聴取に科学的な知識や関心は必要ありません。
そもそも、作中の中心となる時間は地球に帰ってからであり、そこではなにかSFという言葉から想定されるような突飛な出来事が起きるわけではありません。
ただ現代日本では起きない状況を前提に話が組み立てられていること、一応「人間のあり方」というSF的なテーマがあることから、SFに分類することはおかしくないと思います。

愛がすべてさ

というか「人類と愛」などということを真面目に取りあげているあたり、もはやSF的いう枠を超えていかにも昭和な感があります。
異星人とドンパチやるSFアニメのタイトルが「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(1978年)だったり、HOUND DOGが1985年に「ff(フォルティッシモ)」のサビで「愛がすべてさ いまこそ誓うよ」と歌いあげたり、当時は愛が至上のものという価値観があって、それを真面目に語ることが恥かしいことではないという風潮があったんですよね。
そういえばNHK-FMでも同じSF風の作品である1987年の「ビバ!スペース・カレッジ」でも「LOVE FOREVER」とか歌い上げてましたね。
令和の時代からみると気恥ずかしくてならないのですが、改めて聞いてみるとこういうストレートなものも、それはそれで悪くないなと思わなくもなく…
まあ私自身、根本に昭和な感覚があるのでしょうね。

主演は松坂隆子さん

さて本作品の主演は女優の松坂(松阪)隆子さん。
この時期の松坂さんと言えばアドベンチャーロードの作品にも多数出演されていますが、やはり少年探偵団シリーズの明智文代さんでしょうか。
本作品では何と母親、管制官、ミヤというタイプの違う3役を演じています。
その他、兄マサルを演じる山野久次さん、弟タケシを演じる松崎霜樹さんあたりが主要なキャスト…というか、スケールが大きい割にはほとんどがこの3人の会話で進行します。

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