Hirokazu

格付:A

アドベンチャー的五大ニュース 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

NHK-FMの青春アドベンチャーでは、1991年(当時の番組名は「サウンド夢工房」)から2009年の長きにわたって、年末の5日間にその年を振り返るコント番組を放送するのが通例でした(2006年の「イノシシ ボンバイエ!」のみ全1回)。これらのうち青春アドベンチャー初年度の1992年の年末に放送されたのが、この「アドベンチャー的五大ニュース」です。
格付:B

静かな生活 作:今井雅子(FMシアター)

ようやく手に入れた静かな生活。新しく引っ越してきたマンションは、1階の保育園から園児の声が聞こるものの、ヘッドホンをして翻訳の仕事に集中していれば全く気にならない。少なくとも以前、勤めていた会社に比べればノーストレスと言っていい。入居早々、管理組合の理事長を引き受けざるをえなかったのは誤算だったけど、マンションの住人はいい人ばかりなので問題ない…はず。問題ない?いや、実際は問題、大アリだ。それというのも、隣室の駒元(こまもと)なるおばあさんが「保育園の音がうるさい」、「保育園を追い出せ」、「理事長は住民の静かな生活を守る義務がある」などと大騒ぎを始めたのだ。「駒元さん、あんたが一番うるさいよ!」などと言えたらどんなにいいだろう。そんなこと、気の小さい自分に言えるわけがない。ああ、考えただけで、胸が苦しくなってきた…
格付:A

迷走 原作:長岡弘樹(FMシアター)

患者を乗せサイレンを鳴らしながら、病院の周囲をひたすら周回する救急車。まさに迷走だ。一体、室伏隊長は何を考えているのだ。確かにこの患者は、隊長にとっても、自分にとっても因縁浅からぬ相手ではある。隊長の娘 -自分の婚約者でもある- を一生車いすの生活にしてしまった男。如何に仕事とは言え、寄りにもよってこの男を助けなければいけないことに色々思うところがあったとしてもおかしくない。しかし、それにしてもこの行動は意味がわからない。いや、そもそも室伏隊長は、仕事に対してひたすら一徹な人間だったはずだ。恨みのある相手だからといって、仕事を復讐の手段にするような人間ではなかったはずなのだが…
格付:A

私の翼 作:豊田愛(FMシアター)

コンビニで夕食を買い、家に帰る。そして、家のドアを開ける前に上履きを履いて、軍手をはめる。それが私の習慣。だってママはもう随分と長いこと、ご飯を作ってくれていないから。だってママが部屋中にゴミをため込んでしまって足の踏み場もないから。小学校の友達から「駅前の高級マンション」と言われる私の家。でも絶対に友達を家に呼ぶことはできない。
折々の記録

今年の青春アドベンチャー/FMシアター年間人気投票アンケートの項目をどうしましょうか?

みなさま、こんにちは。今年もあと1カ月ちょっとになりました。例によって年末年始にかけて、この1年間に放送された作品の人気投票を実施したいと思っております。今年もやりますこの企画、皆様方のご協力がないと成立しません。投票開始は本年最後の作品(...
青春アドベンチャー

2018年の青春アドベンチャー一覧

【2018年放送の青春アドベンチャー総括】2018年1月8日に「月下花伝 時の橋を駆けて」でスタートした今年のNHK-FM青春アドベンチャーは、12月28日に放送終了する「フランケンシュタイン」の再放送で1年が締めくくられることになりました...
格付:B

ギルとエンキドゥ 作:樋口ミユ(青春アドベンチャー)

2101年、人類は自らを不老不死の人間“サピエンスX” (さぴえんす・えっくす)に「アップデート」させることに成功していた。しかし、この「アップデート」は、胎児のうちに行われると、稀に深刻な自傷行為を繰り返すサピエンスXを生んでしまうという大きな秘密を抱えていた。サピエンスXとして生まれた少年ギルもまた、母ニンスの死をきっかけに抑えられない自傷衝動が生まれるようになってしまう。しかも同時に母を殺した使用人エンキドゥに対する殺意も抑えられない。しかし、母はギルに、エンキドゥとともに、ある場所へ行くように遺言を残したという。母とエンキドゥの間には何かあったのか。そして、サピエンスXの存在が示す人の生きる意味とは。
格付:A

蛍の光 窓に雨 作:飯野陽子(FMシアター)

卒業から5年ごとにクラス会を開く。最初の幹事はクラス委員の鈴木彰と高橋双葉。それが先生からの提案だった。しかし、20歳の時に開かれるはずだった最初のクラス会は結局開かれず、その後も一度も開かれないまま卒業式から25年が経ってしまった。40歳のある日、弁当工場でパートの中年女性のシフト管理に四苦八苦していた鈴木彰のもとに、突然、高橋双葉から連絡が届く。SNSで名前を見つけたのだという。そして双葉は彰に提案してきたのだ、「クラス会を開こう!」
格付:A

百八つの人助け 作:鈴木絵麻(FMシアター)

人前で話すことが極端に苦手なコウヘイがこのゼミを選んだのは、レポートさえ提出すれば単位がもらえると聞いたからだ。しかしゼミで一言も話さなかったコウヘイに対して教授は単位取得のために条件を付けてきた。それは、余命1カ月だと思い込んでいる親戚のお嬢さん(いとこの娘)に、病気になんてかかっていないことを理解させること。ゼミとは何の関係もないではないか!パワハラだ!アカハラだ!…という思いはあれど、就職のためにグッとこらえることにしたコウヘイだったが、彼の目の前に現れた「お嬢さん」はなんと40過ぎの中年女性だった。しかも彼女はコウヘイに向かって即座に言い放ったのだ。「グズグズしている暇はありません。さあ始めましょう!」あの~何を?「人助けです!」
格付:AA

武揚伝 原作:佐々木譲(青春アドベンチャー)

榎本釜次郎武揚(ぶよう/たけあき)がオランダ留学から戻ったのは1867年(慶応3年)。少禄とはいえ武士の子である武揚がエンジニアを目指したのは、この国難の時代、日本には100の議論を重ねるより100人の技師が必要だと思ったからだ。しかし、幕府発注の最新鋭艦・開陽丸(かいようまる)を操船して帰国した武揚を待っていたのは、予想を超えて急転していく時代の流れだった。最新鋭の軍艦という確固たる武力を掌握する武揚。ゆえに、時代は彼を徳川家に忠実な一技師であることを許さない。阿波沖海戦、江戸脱走、奥羽越列藩同盟への参加、そして函館戦争。流転の幕臣が遂にたどり着いたのは、衆議で国のあり方を決める「共和国」というひとつの夢であった。
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