紺碧のアルカディア 作:並木陽(青春アドベンチャー)
西暦1201年、ヴェネツィア共和国元首エンリコ・ダンドロの孫娘フェリチータ・ダンドロが船長を務める武装商船ファルコドーロ号は、ヴェネツィアへの帰途、海賊に襲われる商船を救援、ひとりの貴人を保護する。
彼女の名はテオドラ。斜陽の時を迎えつつある東の大国、千年の都コンスタンティノポリスに都をおく東ローマ帝国の皇女。
それは終わりの始まり。
理想と欲得、賞賛と罵声に包まれた「史上最悪の十字軍」に自分が加担していくことになることを、この時のフェリチータはまだ知らない。