格付:A

格付:A

蛍の光 窓に雨 作:飯野陽子(FMシアター)

卒業から5年ごとにクラス会を開く。最初の幹事はクラス委員の鈴木彰と高橋双葉。 それが先生からの提案だった。 しかし、20歳の時に開かれるはずだった最初のクラス会は結局開かれず、その後も一度も開かれないまま卒業式から25年が経ってしまった。 40歳のある日、弁当工場でパートの中年女性のシフト管理に四苦八苦していた鈴木彰のもとに、突然、高橋双葉から連絡が届く。 SNSで名前を見つけたのだという。 そして双葉は彰に提案してきたのだ、「クラス会を開こう!」
格付:A

百八つの人助け 作:鈴木絵麻(FMシアター)

人前で話すことが極端に苦手なコウヘイがこのゼミを選んだのは、レポートさえ提出すれば単位がもらえると聞いたからだ。 しかしゼミで一言も話さなかったコウヘイに対して教授は単位取得のために条件を付けてきた。 それは、余命1カ月だと思い込んでいる親戚のお嬢さん(いとこの娘)に、病気になんてかかっていないことを理解させること。 ゼミとは何の関係もないではないか!パワハラだ!アカハラだ!…という思いはあれど、就職のためにグッとこらえることにしたコウヘイだったが、彼の目の前に現れた「お嬢さん」はなんと40過ぎの中年女性だった。 しかも彼女はコウヘイに向かって即座に言い放ったのだ。 「グズグズしている暇はありません。さあ始めましょう!」 あの~何を? 「人助けです!」
格付:A

続・カムイ外伝 原作:白土三平(ダミーヘッド・アドベンチャー・スペシャル)

抜忍 心得の条 我が命 我がものと信ず 忍びの儀 あくまで陰にて 己の器量伏し 定命 如何にても守るべし なお、死して屍拾う者なし 死して屍拾う者なし (黒沢良さんによる「大江戸捜査網」のナレーション風に再生してください)
格付:A

無限への崩壊 原作:荒巻義雄(アドベンチャーロード)

私は中央社会保管局国際心理警察機構の特殊浄化要員、いわゆる“ミュータンツハンター”だ。 ミュータンツとは、人類の中から誕生を始めた、超能力も持つ新人類。 しかし彼らの存在は人類社会に発展ではなく、混乱をもたらす。 我々の社会はそう判断した。 そう、ミュータンツは人類の一部ではない。人類の敵だ。 とはいえ外見は我々人類と全く異ならない彼らミュータンツを抹殺する任務は、ライセンスを持つハンターにとってもストレスが大きい。 思いあたるはっきりとした理由はないものの、ある時期から精神の平衡を欠くようになってしまった私は、精神分析医の元におくられることになったのだが。
格付:A

暁のハルモニア 作:並木陽(青春アドベンチャー)

17世紀、ドイツは戦乱の渦中にあった。 三十年戦争。 カトリックとプロテスタントの間で争われた最後にして最大の宗教戦争により、国土は荒廃、住民たちは塗炭の苦しみを味わっていた。 後世から見れば「暗黒の中世」は終わりを告げつつある時代。 しかし、イタリアでガリレオ・ガリレイが「それでも地球は動く」と呟かざるを得なかった時代でもある。 いわんやドイツにはまだ近代文明の曙光もさしていない…ように見える。 しかし、そんな時代でも新しい学問を求め歩みを止めない青年がいた。 彼の名はヨアヒム・ハインツェル。 若き天文学者であるヨアヒムは戦乱で大学を焼け出され、行くところがない。 しかし、これ幸いと、予てから憧れていた大天文学者ヨハネス・ケプラーに会いに行くことに決めた。 神のあり方を巡って混乱する地上。 しかし、真理の光があれば世に調和をもたらすことだってできるはずなのだ。
格付:A

オルファクトグラム 原作:井上夢人(青春アドベンチャー)

最後に見た姉は、猿轡を噛まされながらも、何かを必死にぼくに訴えかけていた。 しかし、ぼくは、姉の気持ちを生かすことはできず、後頭部を強打され昏倒。 気が付いた時にはすでに姉は殺されていた。 しかも、失ったものは姉だけではない。 頭が強打された後遺症からか、一緒に嗅覚も失ったしまったのだ。 しかし、同時に、匂いを色として認識することのできる不思議な能力を手に入れた。 これは死んだ姉からの贈り物だ。 で、あるならば、この能力を使って何としても見つけなければならない、姉を殺した犯人を。
格付:A

アディオス・ケンタウルス! 原作:若居亘(スペース・ファンタジー)

2011年4月、オハイオ州シェパード宇宙センター。 日米共同の宇宙空間での天体観測プロジェクト「コペルニクス計画」はついに打ち上げの時を迎えた。 例によってソ連はこの計画を宇宙の軍事利用を促すものと批難。 また、日米クルー間の不協和音を憶測する者もいたが、唯一の日本人クルー「ミッションスペシャリスト」のユキは選ばれたことへの自信と高揚感のただ中にあり、そのようなことはさほどの困難にも当たらないと考えていた。 そう、彼女はまだ知らなかったのだ。 確かに、このミッションがそのような些事など吹き飛ばすような大事件に遭遇することになることを。
格付:A

レールバイク 作:福原光則(FMシアター)

郁夫は、千葉県のローカル鉄道小向鉄道の保線員。 同年配の仲間たち3人とともに、レール上を走るエンジン付きのバイク -レールバイク- にって線路を移動、延々と続く枕木の交換作業に従事している。 ある日、郁夫のチームに38歳の新人保線員・山本が配置されてきた。 また、雑誌取材という触れ込みで、杉山という若い女性も顔を出すようになる。 どことなく人付き合いを避ける山本と、保線員を応援しているとはしゃぐ杉本。 日々単調に続いていた郁夫の人生に波風が立ち始める。
格付:A

声命線 作:桑原亮子(FMシアター)

もう何日も眠れていない。 送ってもらった催眠導入剤も効き目がないようだ。 夫は夜勤に出かけ、家には自分一人きり。 今夜も、ただ漫然と趣味のアマチュア無線に耳を傾けていたのだが… 突然入ってきた緊急連絡。 相手の男性は山形県の月山に登山中に滑落し、身動きがとれないという。 しかし、この男性どこか不審。 警察に連絡を取ろうとしたら、あまり歓迎しないそぶりなのだ。
格付:A

冬の曳航 作:桑原亮子(FMシアター)

鎌倉時代。 熊野の地から、ひとりの僧が浄土に旅立とうとしていた。 浄土といっても比喩ではない。 三十日分の食料とともに、艪や櫂を一切持たない「渡海船」に閉じこめられ、黒潮の流れに乗るのだ。 流された先の南方には極楽浄土があるという。 本当だろうか?わからない。 はっきりわかっているのは生きて帰ることはできないということだけだ。 民衆の願いのため身を捨てることを選んだ、この僧・浄定に対し、民衆は尊崇の念を惜しまない。 しかし、当の浄定には一つだけ心残りがあった。 それは、京の都で薬師になるために修行している捨て子の少年・捨三と言葉を交わしたかったということ。 死に行く自分だからこそ、母を人柱にされた捨三に掛けられる言葉があると考えたのだが…
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