格付:A

格付:A

盟友 原作:村田喜代子(アドベンチャーロード)

「喫煙常習犯」と「スカートめくり犯」に課せられた懲罰は、お決まりの便所掃除。くすんだ高校生活が一層くすんでしまった。でもピカピカになった便器は予想以上に美しく清々しい。そう、やっている内に気が付いてしまったのだ「便所の哲学」に。そうだ、どうせなら起こしてみよう、学校に「便所革命」を。
格付:A

夢みるゴシック それは常世のレクイエム 原作:木原敏江(青春アドベンチャー)

19世紀初頭のイギリスはロンドン。レミントン家のポーリーンは孤児院育ちのお転婆令嬢。そんなポーリーンを、当代きっての色男バイロン卿はブンブンうるさい「クマンバチ」と揶揄しながらも目が離せない。ある日、ポーリーンにアルパグレンモアの領主、エドレッド・リッズデイルなる男性が近づいてきた。生気のない黒い瞳と蝋人形に見える青白い美貌、そして赤すぎる唇。折しも世間では体中の血を抜かれる奇怪な殺人が起きているというが…まさか吸血鬼?今は中世ではない。バイロン卿の好むゴシックロマン小説ではあるまいし、蒸気機関車が走ろうというこの時代にそんなことがありえるのだろうか。
格付:A

高天原探題 原作:三島浩司(青春アドベンチャー)

僕はあの時、清美を救わなければ良かったのだろうか。7年前、京都・桂川の河辺に、どこからともなく降り注いだ大量の土砂。確かにあの時を境に世界は変わってしまった。異能者「玄主」(ゲンシュ)と、人知を超えた弁別不能体「不忍」(シノバズ)により再起不能にされた多くの人々。しかし、目の前で生き埋めになった少女を救わないなんて選択肢があったとは思えない。たまたまその最初の出現場所に僕が居合わせたからといって、今日の事態に僕が責任をとらないといけないとも思えない。そう、責任ではない。責任をとるために僕は「不可識存在問題対処専門委員会」(俗称「高天原探題」)に入ったわけではない。僕は単に再会したかったのだ。あの少女に。
格付:A

タイムライダーズ 紀元前6500万年からの逆襲 原作:アレックス・スカロウ(青春アドベンチャー)

フォスターが去り、マディをリーダーとして新たなスタートを切った新生タイムライダーズ。まず最初にやらなければいけないことは、前の任務で失われた支援ロボット“ボブ”のボディの再生だったが、突然未来から新たな時間犯罪者の発生を知らせるメッセージが入ったことにより状況は一変。発信元も定かではない怪しいメッセージだが、その時間犯罪の重大さに、チームはボブの体を速成して緊急対応することを決断。犯罪現場が2015年という「近場」であることもあり、拙速を厭わずチームの実行係リアムと新ロボット・ベックスをタイムトラベルさせるのだが…そこで待っていたのは思いもかけないトラブル。そして思いもかけない「長旅」だった。
格付:A

アドベンチャー的五大ニュース 作:藤井青銅(青春アドベンチャー)

NHK-FMの青春アドベンチャーでは、1991年(当時の番組名は「サウンド夢工房」)から2009年の長きにわたって、年末の5日間にその年を振り返るコント番組を放送するのが通例でした(2006年の「イノシシ ボンバイエ!」のみ全1回)。これらのうち青春アドベンチャー初年度の1992年の年末に放送されたのが、この「アドベンチャー的五大ニュース」です。
格付:A

迷走 原作:長岡弘樹(FMシアター)

患者を乗せサイレンを鳴らしながら、病院の周囲をひたすら周回する救急車。まさに迷走だ。一体、室伏隊長は何を考えているのだ。確かにこの患者は、隊長にとっても、自分にとっても因縁浅からぬ相手ではある。隊長の娘 -自分の婚約者でもある- を一生車いすの生活にしてしまった男。如何に仕事とは言え、寄りにもよってこの男を助けなければいけないことに色々思うところがあったとしてもおかしくない。しかし、それにしてもこの行動は意味がわからない。いや、そもそも室伏隊長は、仕事に対してひたすら一徹な人間だったはずだ。恨みのある相手だからといって、仕事を復讐の手段にするような人間ではなかったはずなのだが…
格付:A

私の翼 作:豊田愛(FMシアター)

コンビニで夕食を買い、家に帰る。そして、家のドアを開ける前に上履きを履いて、軍手をはめる。それが私の習慣。だってママはもう随分と長いこと、ご飯を作ってくれていないから。だってママが部屋中にゴミをため込んでしまって足の踏み場もないから。小学校の友達から「駅前の高級マンション」と言われる私の家。でも絶対に友達を家に呼ぶことはできない。
格付:A

蛍の光 窓に雨 作:飯野陽子(FMシアター)

卒業から5年ごとにクラス会を開く。最初の幹事はクラス委員の鈴木彰と高橋双葉。それが先生からの提案だった。しかし、20歳の時に開かれるはずだった最初のクラス会は結局開かれず、その後も一度も開かれないまま卒業式から25年が経ってしまった。40歳のある日、弁当工場でパートの中年女性のシフト管理に四苦八苦していた鈴木彰のもとに、突然、高橋双葉から連絡が届く。SNSで名前を見つけたのだという。そして双葉は彰に提案してきたのだ、「クラス会を開こう!」
格付:A

百八つの人助け 作:鈴木絵麻(FMシアター)

人前で話すことが極端に苦手なコウヘイがこのゼミを選んだのは、レポートさえ提出すれば単位がもらえると聞いたからだ。しかしゼミで一言も話さなかったコウヘイに対して教授は単位取得のために条件を付けてきた。それは、余命1カ月だと思い込んでいる親戚のお嬢さん(いとこの娘)に、病気になんてかかっていないことを理解させること。ゼミとは何の関係もないではないか!パワハラだ!アカハラだ!…という思いはあれど、就職のためにグッとこらえることにしたコウヘイだったが、彼の目の前に現れた「お嬢さん」はなんと40過ぎの中年女性だった。しかも彼女はコウヘイに向かって即座に言い放ったのだ。「グズグズしている暇はありません。さあ始めましょう!」あの~何を?「人助けです!」
格付:A

続・カムイ外伝 原作:白土三平(ダミーヘッド・アドベンチャー・スペシャル)

抜忍 心得の条我が命 我がものと信ず忍びの儀 あくまで陰にて己の器量伏し定命 如何にても守るべしなお、死して屍拾う者なし 死して屍拾う者なし(黒沢良さんによる「大江戸捜査網」のナレーション風に再生してください)
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